モーツァルト(1756年~1791年)の「An Chloe(クローエに)」は1787年に作曲されました。
タイトルにもなっている「クローエ」は女性の名前を指します。

彼が30代を迎えた頃のこの年は「歌曲の年」だと言われており、様々な作品が書かれています。
歌曲だけでなくモーツァルトの代表作である「ドン・ジョヴァンニ」や「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」も1787年の作品です。

歌詞はドイツの詩人で哲学者でもあるヤコビ(Johann Georg Jacobi/1740年~1814年)によるものです。
元々は13節の詩ですが、その最初の4節が歌詞として用いられています。

ここでは、モーツァルト作曲の「An Chloe(クローエに)」の対訳や解説を紹介したいと思います。
それぞれの単語の意味も掲載していますので参考にしてください。

少し不自然ですが、単語の意味をなるべくそのまま載せています。
詩的な美しい対訳ではありませんがご了承ください。

「An Chloe(クローエに)」の名演

バーバラ・ボニー(Barbara Bonney, 1956年4月14日 - )
アメリカのソプラノ歌手

「An Chloe(クローエに)」の歌詞1

Wenn die Lieb aus deinen blauen,
hellen, offnen Augen sieht,
und vor Lust hinein zu schauen
mir's im Herzen klopft und glüht;

「An Chloe(クローエに)」の対訳1

恋人が あなたの青い、明るい、開かれた瞳から見るとき
そして 喜んで中を眺めるとき
私の心臓は鼓動し、熱くなる

「An Chloe(クローエに)」の歌詞2

und ich halte dich und küsse
deine Rosenwangen warm,
liebes Mädchen, und ich schließe
zitternd dich in meinem Arm,

「An Chloe(クローエに)」の対訳2

そして私はあなたを抱き、キスをする
君のあたたかいバラのような頬に
愛しい恋人よ、そして私は抱きしめる
震えながら あなたを私の腕の中に

「An Chloe(クローエに)」の歌詞3

Mädchen, Mädchen, und ich drücke
dich an meinen Busen fest,
der im letzten Augenblicke
sterbend nur dich von sich läßt;

「An Chloe(クローエに)」の対訳3

恋人よ、恋人よ そして私は抱きしめる
あなたを私の胸に強く
最後の瞬間に
死にそうになるまで あなたを離さない

「An Chloe(クローエに)」の歌詞4

Den berauschten Blick umschattet
Eine düstre Wolke mir,
Und ich sitze dann ermattet,
Aber selig neben dir.

「An Chloe(クローエに)」の対訳4

私の酔った目を覆う
薄暗い雲
そしてそのとき私は疲れ果てて座り込む
しかしあなたの側でこの上ない幸せになって

「An Chloe(クローエに)」に出てくる単語の意味

wenn/もし~ならば・~のとき
Liebe/愛・恋人
blau/青い
hell/明るい
Auge/目
sehen/見える・見る・会う
und/そして
Lust/気持ち・喜び
hinein/中へ・至るまで
Herz/心臓・心
klopfen/叩く・鼓動する・ノックする
glühen/赤く燃える・赤くなる・熱中する・熱くなる

halten/持っている・保つ
dich/君を
küssen/キスをする
Rose/バラ
Wange/頬
warm/暖かい・温かい
lieb/愛する・好きな・好ましい・親切な
Mädchen/女の子・娘・恋人
schließen/閉まる・閉める
zittern/震える
Arm/腕

drücken/押す・押し付ける
Busen/胸
fest/固い・しっかりとした・力強い
letzt/最後の・最近の
Augenblick/瞬間・時期
sterben/死ぬ
nur/ただ~だけ・ただの
lassen/~させる・やめる・おいておく・~のままにしておく

berauschen/酔わせる・酔う・うっとりさせる(する)
Blick/視線・まなざし
düster/薄暗い・憂鬱な
Wolke/雲
sitzen/座っている・いる
dann/それから・そのとき・それならば
ermatten/疲れる・疲れさせる
aber/しかし
selig/この上なく幸せな・(死んで)天福を受けた・亡き~
neben/~の隣に(で)
dir/君に

An Chloe(クローエに)の名盤

バーバラ・ボニーによる1990年録音のモーツァルトの歌曲集です。
モーツァルトの若い頃から年代順に22曲の歌曲が収録されています。
値段もお手頃ですので、持っていいても損はしない1枚です。

多くの名曲が入っていますので、モーツァルトの歌曲の初めての1枚としてもオススメです。
曲目だけでなく、もちろん演奏も素晴らしいですよ。

1 歓喜に寄す K.53/2 落ち着きはらってほほえみながら K.152/3 鳥たちよ、毎年 K.307/4 さびしく暗い森で K.308/5 おお、神の子羊 K.343/6 おいで、いとしのツィターよ K.351/7 孤独に寄す K.391/8 魔術師 K.472/9 満足 K.473/10 すみれ K.476/11 自由の歌 K.506/12 ひめごと K.518/13 別れの歌 K.519/14 ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いた時 K.520/15 夕べの想い K.523/16 クローエに K.524/17 夢の像 K.530/18 春への憧れ K.596/19 春 K.597/20 子供の遊び K.598/21 男たちはいつもつまみ食いしたがる K.433/22 喜びの気持ちを K.579

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