ショパンの「ワルツ第6番」(作品64-1)は、ピアノ独奏のためのワルツで、晩年の1846年から1848年にかけて作曲されました。
一般的に『小犬のワルツ』の通称で知られている作品です。
この作品はショパンの友人であったデルフィナ・ポトツカ伯爵夫人(ポーランドの貴族)に献呈されました。

作品64は3つのワルツでなっており、この第1曲の『小犬のワルツ』はとても明るい音楽です。
ショパンは第1曲に明るい音楽を用いる手法をしばしばとりました。

また、作品64には、この他に有名な第2曲(ワルツ第7番)もあります。

犬が「ぐるぐる回る」様子を描いた

ショパンには、長年連れ添った恋人ジョルジュ・サンドがいました。
彼女は子犬を飼っており、その子犬には"尻尾を追ってぐるぐる回る"習性がありました。

サンドがその様子を音楽にするようショパンに頼み、即興的に作曲したのが『小犬のワルツ』だと言われています。

恋人とは破局の危機だった

ただし作曲のエピソードは暖かい雰囲気ですが、この頃のショパンと恋人との関係は冷え切っていました。
約10年も続いていた彼らの関係は、間もなく終わりを迎えることとなります。

それにはショパンの健康状態の悪化も少なからず関係しているかもしれません。
サンドはショパンの介護士となり、周囲にはその不満を漏らしていました。
彼女はショパンを「子ども」「受難者」「愛しい小さな死人」などと手紙に残しています。

ショパン「ワルツ第6番」(子犬のワルツ)の演奏

ヴァレンティーナ・リシッツァ(Valentina Lisitsa、- )
アメリカ在住、ウクライナ生まれのピアニスト

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