『シューベルトの子守歌(Wiegenlied)』は、オーストリアの作曲家フランツ・シューベルト(Franz Schubert/1797年-1828年)によって1816年(19歳の頃)に書かれました。
作詞者は現在のところ不明です。

シューベルトは15歳の時に母を亡くしました。
この作品はその母を思って書かれたと言われることもあります。

ただ歌詞の内容は、2番・3番を読むとわかるように「幼くして亡くなった子供とその母親の様子」が描かれているように読み取ることができます。

 シューベルトはドイツ歌曲において大きな功績を残したことから、「歌曲の王」とも呼ばれています。

ここでは『シューベルトの子守歌(Wiegenlied)』の歌詞と対訳を紹介したいと思います。
それぞれの単語の意味も掲載していますので参考にしてください。
不自然な場合もありますが、歌詞と日本語訳は可能な範囲で行が対応するように訳しています。

専門家の日本語訳ではありませんので、参考程度にご覧ください。

『シューベルトの子守歌(Wiegenlied)』の演奏

グンドゥラ・ヤノヴィッツ(Gundula Janowitz, 1937年- )

『シューベルトの子守歌(Wiegenlied)』の歌詞1

Schlafe, schlafe, holder süßer Knabe,
Leise wiegt dich deiner Mutter Hand,
Sanfte Ruhe, milde Labe,
Bringt dir schwebend dieses Wiegenband.

『シューベルトの子守歌(Wiegenlied)』の日本語訳1

眠れ、眠れ、かわいい愛らしい子よ
母の手で優しく揺れて
穏やかな安らぎ、柔らかな気持ちを
この漂う揺りかごが君に運んでくれる

単語の意味

ドイツ語意味
schlafen眠る
holdかわいらしい
süß甘い、かわいい、愛らしい
Knabe男の子、少年
leise小さい、かすかな
wiegen揺り動かす、揺らす
Mutter
Hand
sanft穏やかな、やさしい
Ruhe静けさ、休息、安らぎ
mild寛大な、柔らかな、穏やかな
Labeさわやかな気分にさせてくれるもの
bringen持ってくる
schweben浮かぶ、漂う
Wiegenband揺りかご

『シューベルトの子守歌(Wiegenlied)』の歌詞2

Schlafe, schlafe in dem süßen Grabe,
Noch beschützt dich deiner Mutter Arm,
Alle Wünsche, alle Habe
Faßt sie liebend, alle liebewarm.

『シューベルトの子守歌(Wiegenlied)』の日本語訳2

眠れ、眠れ、心地よい墓に
母の腕に守られたまま
すべての願い、すべての物を
彼女(母)は愛しく掴む、愛の温もりで

単語の意味

ドイツ語意味
schlafen眠る
süß甘い、かわいい、愛らしい、心地よい
Grab
nochまだ、さらに
beschützen守る
Mutter
Arm
allすべての
Wunsch願望、望み、願い
Habe所有物、財産
faßenつかむ
lieben愛する、好きである

『シューベルトの子守歌(Wiegenlied)』の歌詞3

Schlafe, schlafe in der Flaumen Schoße,
Noch umtönt dich lauter Liebeston,
Eine Lilie, eine Rose
Nach dem Schlafe werd' sie dir zum Lohn.

『シューベルトの子守歌(Wiegenlied)』の日本語訳3

眠れ、眠れ 綿毛の中で
大きく優しい音色が君の周りに鳴り響いて
一本のユリと一本のバラが
眠りの後に、それらが君への報いとなる

単語の意味

ドイツ語意味
schlafen眠る
Flaum綿毛
Schoß膝、内部、保護
lieb愛する、心の優しい
Ton音、響き、音色
Lilieユリ
Roseバラ
nach~のあとで
Schlaf眠り
Lohn報い、報酬

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