ミックスボイスの出し方、感覚、コツを整理しよう!

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ミックスボイスというと、何だか魔法のような高音発声法のような気がしてしまいますが、決して魔法ではありません。
バランスのとれた発声法で歌っていけば、自然と近づける発声法です。

しかし同時にいわゆる「喚声点」から上の音域では、今まで出せなかった方にとっては「新しい感覚」を必要とするのも事実です。
ここではその発声をするにあたってヒントとなるであろうことを書いてみようと思います。

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ミックスボイス獲得は一般的に時間がかかる

ミックスボイスの練習時間

「ミックスボイスの出し方はどうすればよいのか?」
高い音を出したいと悩む方たちはたくさんいらっしゃると思います。

実際に私のボイストレーニングスクールに来る方の多くが「高音の感覚をマスターしたい」「広い音域で歌いたい」「ミックスボイスのコツを知りたい」という目標を持っています。

焦らず忍耐力を持つ

他の項目でもお話ししていますが、ミックスボイスを獲得するにはある程度の時間がかかります。
平均的には早い方でも練習をはじめて半年〜1年くらいはかかると考えたほうがよいと思います。
焦らずに忍耐力を持つことが大切です。
焦って上手くいくケースは少ないと思います。

すぐに高音が出せるようになる人もレアだが存在する

ただ早い人だと、すぐに高音が出る方もいます。
私のボイストレーニングを受けた方でも、一回や二回のレッスンで高音が出るようになった方もいます。

しかし、一回のレッスンで高音が出るようになった方もバランスの良いミックスボイスが出せているわけではありません。
やはり安定してバランスのよい高音を出せるようになるには、有る程度の練習期間は覚悟すべきです。

少し長くなりますが、ここではミックスボイスについて取り上げてみたいと思います。

例外として最初からミックスボイスが楽々出せる人もいます。
生まれながらにして与えられた素晴らしい才能ですね。
羨ましい限りです。

ミックスボイスはバランスのとれた声

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そもそもミックスボイスとは何でしょうか?
一言で言うと、「バランスのとれた発声」だと思います。

多くの人は「地声」と「裏声」の両方を出すことができます。
この二つの声のバランスを整えて歌を歌っていくことが、高音を歌うためには必要なのです。
音楽的な表現も考えると、高音だけでなく広い音域で歌うためにもバランスの良い発声をすべきです。

ミックスボイスの出し方としては、裏声の筋肉を意識することが特に重要です。
ミックスボイスの出せる方の中には、裏声の筋肉を「歌の拠り所」にすることをコツとしている人も多いと思います。
ミックスボイスの感覚は「裏声に意識を入れつつ地声で歌う」という感覚でも表現できるかもしれません。

理論的には別項で記載していますので、そちらを参考にして下さい。

地声とは?

私がここで話している地声とは「普段の話し声」のことです。
普段の話し声と言っても様々です。

普段、声帯を厚く使い過ぎている人もいます。
反対に十分に声帯の周りの筋肉を使っていない人もいます。

地声で大切なことは、アウターマッスルを使わずにインナーマッスルで声を出せるようになることです。

地声の筋肉は普段の会話から使っている筋肉です。
一度バランスの良い感覚をつかむことができれば、テクニックは比較的定着しやすいと思います。

裏声とは?

裏声とは、パーティなどで発する「フーッ」の声ですね。
この裏声が歌う上ではとても重要です。

裏声は音程を取る筋肉でもあります。
裏声はまさしく「歌う筋肉」なのです。
この歌う筋肉を適切に使えるようになるには、人によってはある程度の期間が必要となります。

裏声も地声のときと同様にインナーマッスルを使うことが大切です。
アウターマッスルを働かせるべきではありません。

2つの実例

ここで2つのパターンの高音を紹介します。
真ん中のG(ソ)からHighD(高いレ)までの1オクターブ半を行き来しています。

後半の裏声のみの高音をベースに声を育てた場合、それを力強い歌唱法へ繋げることは困難です。
力強い発声をしたいのであれば、後半のパターンの発声にならないよう、側に正しい耳を持った人にいてもらうことも大切です。
その場合は、声を完全にひっくり返さずに地声の要素を入れてあげてください。

※もちろん裏声を自由に使えるようになることも大切です。

地声の混じった声


こちらがいわゆる地声と裏声の両方の要素を持つ声です。
高音は力強く出すことで、地声よりも大きく豊かに響くようになります。

裏声のみ


こちらの高音は地声の混じっていない、裏声ベースの声です。
男性がこの声を強くしようとしても、歌声は女性的になります。

もちろん柔らかい表現ではこの声も有用です。

ミックスボイス獲得にはパターンがある

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ミックスボイスは「裏声と地声の筋肉をバランス良く使った発声法」であります。
しかし、バランスの良い発声法と言っても曖昧で想像しにくいものかもしれません。

当ボイストレーニングでの経験もふまえて、ミックスボイス獲得に苦労する理由をパターン別にまとめてみました。
ご自身に当てはめてみて参考にしてみてください。

1「ミックスボイスが楽に出ると思っている」

ときどき当てはまるパターンが、「ミックスボイスは裏声と同じようにフワッと楽に出る」と思っているパターンです。

ミックスボイスは裏声と違って声帯がしっかりと閉鎖しています。
地声と同じように閉鎖している感覚があります。

「裏声を力強く出せばミックスボイスになる」という教育法もときどき目にしますが、それでは裏声のままです。

※「裏声を強くして地声のように聞かせる発声法」をミックスボイスとするならば、この方法でも出せます。
実際に裏声を力強く出しても、有る程度地声に似た音色にはなります。

※稀に裏声を力強く出した感覚で、ミックスを出している人もいます。
そのような方は、裏声をとても大きな声量で出せる場合が多いです。

負担はないが「負荷」はかかる

ミックスボイスはバランスのとれた発声です。
地声を出している感覚に近い部分もあります。
ですので、負担はありませんが、声に「負荷」はかかります。
地声と言うと語弊がありますが、正確にはミックスボイスは「歌声」を出している感覚です。

ミックスボイスがバランス良く出せるようになると負担も少なくなってきます。
しかし、多くの場合はミックスボイスの出来始めは負担はある程度かかってしまいます。

「負担のある発声」を恐れすぎることも問題です。
負担のない理想の発声を求めるあまり恐る恐る歌ってしまい、必要な筋肉も使えないことが考えられるからです。
様々なアプローチで発声を試してみることも大切です。

2「話し声が弱々しすぎる」

次にミックスボイス獲得で苦労している原因として「話し声が弱々しすぎる」ことも挙げられます。

話し声が弱々しい方の多くは、歌声においても声帯の閉鎖が充分に出来ていない場合があります。

その場合、チェストボイス音域で充分な閉鎖がえられていないためにミックスボイス(ミドルボイス)音域になったときに声が裏返ってしまうのです。
もし裏声の使い方が上手い方であれば、地声の声帯の閉鎖をしっかりとしてあげるだけで高音が出るようになる場合もあります。

ハミングで効率よく豊かに響く場所を探す

ハミングで力まずにしっかりとした声量(よく響く場所)が出せるところが見つかれば、それがヒントになるかもしれません。
ただしハミングの練習は難しいので、ボイストレーナーに見てもらうことをオススメします。
間違ったハミングで練習してしまうと、結果的に力みだけを生んでしまうこともあります。

また話し声が弱々しい人は、口の中のスペースを充分に確保していないことも考えられます。
リラックスした状態で充分なスペースを確保することが大切です。

3「声が立派すぎる」

三つ目の理由として挙げられるものは「声が立派すぎる」ことです。

声が立派なのはとても素晴らしいことです。
しかし、声が立派すぎるあまり歌声ではなく地声(普段の話し声)に頼りすぎてしまうのです。

また声が立派な方は、普通の声の方より声を出すのに大きなエネルギーを必要とします。
軽自動車ではなく大型トラックを運転しているようなものです。
ですので、発声のバランスを取ることも難しくなります。

ただしバランスの良い発声が出来た場合には、素材が素晴らしい分「極上の声」が生まれると思います。

話し声とは違う「歌声」を見つける

声が立派な方で注意すべきことは、自分の声に頼らないことです。
地声(話し声)とは別感覚の「歌声」を見つけましょう。

まずは大きい声で歌うことをやめて、小さいエネルギーでよく響く声の出し方を見つけてください。
その発声法で喚声点(パッサッジョ)付近までいければ素晴らしいことです。
ピアニッシモでよく響く歌声を出来れば探したいところです。

その発声法が見つかれば、その発声で使っている筋肉を拠り所として歌を歌ってみてください。
うまくいけば、新しい感覚が見つかるはずです。

これはとても感覚的なものなので言葉で表現することは難しいです。
自分ひとりでチャレンジし続けるのではなく、ボイストレーナーなどにお手本を出してもらうのも手だと思います。
動画や音声でしか聞いたことがないのと、実際にそばで生で聞いたことがあるのとでは大きな違いがあります。
もちろん生で聞いたことがあるほうがミックスボイス獲得には有利です。

話し声とは明らかに違う「声を操作する筋肉」があると思いますので、そこを発見しましょう。
それこそが「歌で必要な筋肉」です。

ミックスボイスのコツとして心がけること

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先ほどはミックスボイス獲得で苦労する内容にはパターンがあることをお話ししました。
人それぞれミックスボイスを出すためにアプローチする方法は異なりますが、すべての人に共通していることもあります。

「すべての人に共通する」ミックスボイス獲得のポイントを次に話そうと思います。

顎の下は柔らかく

ポイントの一つとして顎の下を筋肉を柔らかいプニプニの状態に常に保っておくことです。

これは地声、裏声を単体で練習するときにもチェックすべきポイントです。
発声の用語には様々な言葉が混在していますが、「地声」「裏声」「チェストボイス」「ミドルボイス」「ヘッドボイス」「ミックスボイス」「ファルセット」などすべての発声において顎の下の筋肉は柔らかく保つべきです。

チェストボイス音域で顎の下に力が入っているとミックスボイス音域(ミドルボイス)に入るときにもその力みを受け継いでしまいます。
そのため上手く高音を発声できないでしょう。

「チェストボイス音域では力んでいるけど、ミックスボイス音域になると力みがとれる」という人は、ほとんどいません。
チェストボイスの音域から力まないように注意することが大切です。

またチェストボイスでは力んでいませんが「ミックスボイスの音域になると顎の下が力んでしまう」方も少なくありません。
顎の下の筋肉に頼らず、歌う筋肉で高音へ移行しましょう。

インナーマッスルで歌う

次に大切なことは「アウターマッスルを使わずにインナーマッスルで歌う」ということです。
これもミックスボイスだからというわけではなく、すべての発声においての注意点です。

アウターマッスルとは具体的には、首の表面にある筋肉です。
大声を張り上げると首すじに血管が浮く方もいると思います。
この首すじ部分の力は、歌には使いません。
声帯付近にあるインナーマッスルを使って歌は歌います。

話し声が「喉声」の傾向にある方は、アウターマッスルを取り除くことが難しい場合もあります。
普段の話し声から気をつけていく必要もあるかもしれません。

ミックスボイスの発声は普段の話し声と切り離された発声ではありません。
少なからず話し声の延長線上にあります。
話し声で悪い癖があると歌声にも影響を与える可能性が高いです。

矛盾しますが、ミックスボイスは話し声とは全く別の「歌のための筋肉」を使うことも事実です。
話し声やチェストボイスで悪い癖を持っている場合は、それを取り除きましょう。
そして、その美しい発声のままでインナーマッスルを使って高音へ移行するようにしましょう。

腹式呼吸が出来ていない

腹式呼吸はミックスボイスの発声においての最重要ポイントではありません。
しかし呼吸が発声に悪影響を与えている場合は、それを防ぐ必要があります。

歌の呼吸をするときに首の筋肉を使っている方が時どき見られます。
これは歌にはふさわしくありません。
先ほど話したアウターマッスルを歌うときに使ってしまうことに直結します。

また胸を上下や前後に動くような呼吸をすることも首の緊張を生み出します。

理想的な呼吸法で歌を歌うことはとても難しいです。
しかし、歌わずに腹式呼吸を単体で行なう分にはそれほど難しくありません。
腹式呼吸がまだ出来ていない方は、まずは腹式呼吸を修得しましょう。
しっかりと練習をすれば、出来るようになるまでそう長い時間は必要としないはずです。

喉頭を操作しない

「喉頭を操作しない」ことも大切なことです。
喉頭を上げるのでもなく、下げるのでもなく、「自然な状態」であることが理想的です。

この喉頭を操作しないことは、人によっては大変難しい作業になります。
出来るようになるまである程度の期間を必要とするかもしれません。

チェストボイスでは問題ないが、ミックスボイス(ミドルボイス)に移行するときにどうしても反応してしまうという方も多いと思います。

また普段の話し声から喉頭を少し上げて話している場合もあります。

原因や解決方法は様々ですので、ご自身のボイストレーナーと一緒に解決してください。

地声、裏声の単体でリラックスした歌い方を身につける

今までお話しした
「顎の下の筋肉を柔らかくする」
「アウターマッスルを使わずに、インナーマッスルで歌う」
「腹式呼吸で歌う」
「喉頭を操作しない」
この三つの方法でまずは「地声」と「裏声」がそれぞれ上手く歌えるようにしてください。

裏声を出すときにアウターマッスルを使ったり喉頭を操作していたりすると、ミックスボイスの発声にも影響を与えます。

「裏声は美しくないが、ミックスボイスは美しく出せる」
「チェストボイスは力むが、ミックスボイスはリラックスして出せる」
というようなパターンはほとんどありません。

地声、裏声の発声に悪い癖を持っている場合は、まずはその癖を取り除きましょう。

ミックスボイスのコツは地声に頼らないこと

最後にミックスボイスのコツとして挙げられることは、「地声に頼らない」ことです。
換声点(パッサッジョ)付近になると、そのまま声を維持することが辛くなります。
そこを越えて高音へ移行するときに、地声に頼らないことが大切です。
ここで言う地声とは、チェストボイス音域の歌声というよりは、話し声のことです。
話し声の筋肉に頼って高音へいかないようにしましょう。

歌声の筋肉に頼ると言ったほうが、適切かもしれません。
地声(話し声)に頼ると声量が上がって声が破綻してしまったり、声が詰まって苦しい発声になったりします。

「裏声の感覚」と「力強い地声の感覚」

ミックスボイスの感覚は、裏声の要素を含みますが裏声のようにフワッとした感覚ではありません。
「裏声の感覚」も「力強い地声の感覚」もある不思議な場所が存在するはずです。
それを見つけることが鍵となりますが、それは独特な感覚です。
感覚は人それぞれ異なりますので、言葉や文章で正確に表現することは難しいものがあります。
今まで使ったことがない人にとっては見つけることはなかなか難しいかもしれません。

しかし、この感覚を見つけることが出来れば発声はどんどん安定してきます。
この「歌う筋肉」を頼りに低音から高音まで歌っていけばよいのです。

この感覚をご自身のボイストレーナーと一緒に見つけていってください!

デモ演奏

男性編[X JAPAN/Forever Love] sung by Suzuki Toshiyuki


女性編[My fair ladyより「I could have danced all night」]

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