歌うときに「正しい姿勢をとること」は大切なことです。
姿勢が悪いと、姿勢は声の邪魔をします。

しかし「正しい姿勢」と一言に言っても、そのイメージは人それぞれ異なるでしょう。

正しい姿勢で歌うための大きなチェックポイントは

  • 背骨を長くする
  • 胸を豊かに広げる

この2つです。

歌における正しい姿勢とは?

まずはまっすぐ立ってください。
背筋は自然な状態でしっかりと伸ばし、胸郭は豊かに保ちます。
決して軍隊のようにピシッと立つわけではありません。

動物的な躍動感のある背骨をイメージしてください。

まっすぐ立つというと、直線的なイメージを持ちます。
しかし上の図のように背骨(脊椎)は曲線を描いています。
曲線が自由に伸び縮みできるように、柔らかい状態に保ちながら立ってください。

チーターが草原を走るときに、脊椎がバネのようにしなやかに動いているのは想像がつくでしょう。
そのチーターの脊椎のように柔らかく動的な姿勢をとってください。

軍隊のように立ってしまうと、身体は固まってしまい自由な発声はできません。

胸郭は一つ一つの骨の間が広く開いて、全体として豊かに広がるようにしてください。
胸郭は全面ではなく背面(背中)のほうから、しっかりと広げます。

そして自由に伸び縮み出来るような柔らかい状態を保ってください。
柔らかい感覚のままで、大きく広げましょう。

胸郭も背骨と同様に、固めてはいけません。

胸郭を広げることに慣れていないと、胸を広げるだけで疲れることもあるでしょう。

しかし筋肉がつけば、胸を広げることは辛い作業ではありません。
慣れるまで、怠らずにしっかりと広げ続けてください。

姿勢の重要性がわからない場合は
「今はわからないけど、きっと大切なことなんだな。」
くらいでも構わないので、頭に入れておいてください。

動的な正しい姿勢をとろう。

次に大切なことは、歌においての正しい姿勢とは「静止画」ではなく「動画」だということです。
固まった状態で歌い続けると、次第に発声に悪影響が出てきます。

歌の筋肉がドンドン緊張してきます。

筋肉が固まると、良いことは何もありません。

常に何かに反応できるような「活き活きとした状態」を保ったまま、まっすぐ立ってください。
身体全体や脊椎で「呼吸を感じられる」ような柔らかい状態にしましょう。

胸郭の動きは、腹式呼吸においては「必要最小限」の動きとなります。
胸郭は大きく動かないように開いたままを保ちましょう。

呼吸で力まないために、柔らかい状態を保ってください。
胸郭を開きすぎると、反対に歌の力みにつながります。

結果的に姿勢の大切さはわかります。

当ボイストレーニングでの経験として、正しい発声が見についてきた途端に「悪かった姿勢が見違えるような奇麗な姿勢に変わった方」もいます。

自然に何も意識せずに、姿勢が正しい方向へ進んでいきました。
発声がわかった結果、後付けて姿勢の大切さが理解できる場合もあります。

今は効果を感じられない方も、姿勢を美しくすることは普段から心がけていきましょう。

 
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