曲には「調」と言うものがあります。
英語で言うと「キー(key)」です。
「この曲はキーが高くて歌えない。」とか聞いたことありますよね。
曲の調は「基としている音階が長音階なのか、短音階なのか」ということと「どの音を主音としているか」で決められます。
長音階を基に作られた曲の調を「長調」「dur」「major」、
短音階を基に作られた曲の調を「短調」「moll」「minor」と呼びます。
長調、短調は日本語
dur(ドゥアー)、moll(モール)はドイツ語
major(メジャー)、minor(マイナー)は英語
「ハ音」を主音としている長調は「ハ長調」、ドイツ語では「C dur」
「イ音」を主音としている短調は「イ短調」、ドイツ語では「a moll」
「変ホ音」を主音としている長調は「変ホ長調」、ドイツ語では「Es dur」と言います。
ドイツ語の場合、「C dur」は「C:」、「a moll」は「a:」、「Es dur」は「Es:」のように略されることがあります。
この様に長調は大文字、短調は小文字で表されます。
楽譜に曲を書く際、その決まった調の中の♯や♭をいちいち書くのは大変ですね。
その為、五線の初めに「調号」として♯や♭を記載します。
例えば、これは「この曲には基本的にファとドとソの音に♯がつきます」と言うことを表します。
調号の♯、♭を書くのには順番があります。
♯の場合「ファ、ド、ソ、レ、ラ、ミ、シ」
♭の場合「シ、ミ、ラ、レ、ソ、ド、ファ」
♯は♭の逆から、♭は♯の逆からですね。
「長調」と「その長調の主音の短3度下の音を主音とする短調」は同じ調号を用います。
例えば、「ハ長調」のハ音の短3度下のイ音を主音とする「イ短調」は同じ調号で表されます。
ハ音を主音とする長調「ハ長調(C dur)」
イ音を主音とする短調「イ短調(a moll)」
ト音を主音とする長調を「ト長調(G dur)」と言います。
ホ音を主音とする短調「ホ短調(e moll)」
二音を主音とする長調を「二長調(D dur)」と言います。
ロ音を主音とする短調「ロ短調(h moll)」
イ音を主音とする長調を「イ長調(A dur)」と言います。
嬰へ音を主音とする短調「嬰へ短調(fis moll)」
ホ音を主音とする長調を「ホ長調(E dur)」と言います。
嬰ハ音を主音とする短調「嬰ハ短調(cis moll)」
ロ音を主音とする長調を「ロ長調(H dur)」と言います。
嬰ト音を主音とする短調「嬰ト短調(gis moll)」
嬰へ音を主音とする長調を「嬰へ長調(Fis dur)」と言います。
嬰二音を主音とする短調「嬰二短調(dis moll)」
嬰ハ音を主音とする長調を「嬰ハ長調(Cis dur)」と言います。
嬰イ音を主音とする短調「嬰イ短調(ais moll)」
へ音を主音とする長調を「へ長調(F dur)」と言います。
二音を主音とする短調「二短調(d moll)」
変ロ音を主音とする長調を「変ロ長調(B dur)」と言います。
ト音を主音とする短調「ト短調(g moll)」
変ホ音を主音とする長調を「変ホ長調(Es dur)」と言います。
ハ音を主音とする短調「ハ短調(c moll)」
変イ音を主音とする長調を「変イ長調(As dur)」と言います。
へ音を主音とする短調「へ短調(f moll)」
変二音を主音とする長調を「変二長調(Des dur)」と言います。
変ロ音を主音とする短調「変ロ短調(b moll)」
変ト音を主音とする長調を「変ト長調(Ges dur)」と言います。
変ホ音を主音とする短調「変ホ短調(es moll)」
変ハ音を主音とする長調を「変ハ長調(Ces dur)」と言います。
変イ音を主音とする短調「変イ短調(as moll)」
♯系の調は♯が1つ増える度に完全5度上の音が主音になります。
調号のつかない「ハ長調」の完全5度上は♯が1個つく「ト長調」です。
♯が1個の「ト長調」の完全5度上は♯が2個の「ニ長調」といった感じです。
順番は「ハトニイホロヘハ」です。
そして「ト長調」では♯が「ファ」につきましたね。
♯が2個の「ニ長調」では「ファ」と「ド」
♯が3個の「イ長調」では「ファ」と「ド」と「ソ」
「ファ」の完全5度上の「ド」、その完全5度上の「ソ」というように、♯がつく音も完全5度上の関係です。
順番は「ファドソレラミシ」です。
♭系の調は♭が1つ増える度に完全5度下の音が主音になります。
調号のつかない「ハ長調」の完全5度下は♭が1個つく「ヘ長調」です。
♭が1個の「ヘ長調」の完全5度下は♭が2個の「変ロ長調」といった感じです。
順番は「ハヘロホイニトハ」です。
そして「ヘ長調」では♭が「シ」につきましたね。
♭が2個の「変ロ長調」では「シ」と「ミ」
♭が3個の「変ホ長調」では「シ」と「ミ」と「ラ」
「シ」の完全5度下の「ミ」、その完全5度下の「ラ」というように、♭がつく音も完全5度下の関係です。
順番は「シミラレソドファ」です。
1つ1つ「完全5度上」や「完全5度下」と数えてもいいですが、順番を呪文のように覚えてしまってもいいですね。
「同主調」
同じ音を主音とする長調と短調
例.ハ長調とハ短調
「平行調」
同じ調号で表される長調と短調
例.ハ長調とイ短調
「下属調」
ある調の主音から完全4度上の調
例.「ハ長調」の下属調は「ヘ長調」
「音階」とは、ある音から1オクターブ上の音までの中で、決まった音程に沿った音の並びのことを言います。
簡単に言えば「ドレミファソラシド」という音の並びのことです。
「長調」とか「Dur」「major」という言葉は聞いたことがありますか?
それらは「長音階」が基本の音階となっています。
長音階の音の配列は「長2度・長2度・短2度・長2度・長2度・長2度・短2度」です。
簡単に言えば「3番目と4番目、7番目と8番目の音の間が短2度で、その他が長2度」
「ハ音」を起点とする長音階はこの様になります。
「ドレミファ」と「ソラシド」の音程の配列は同じですね。
どちらも「長2度・長2度・短2度」です。
この音程関係を「テトラコード」と呼びます。
長音階はテトラコードとテトラコードの間に「長2度」がある。と考えると覚えやすいですね。
「長2度・長2度・短2度」「長2度」「長2度・長2度・短2度」
またその音階の音には名前があります。
起点となる音から「1音、2音、3音…」と数えます。
上の図ではローマ数字で表しました。
そして、それぞれの音はこの様に呼びます。
「Ⅰ音」は「主音」
「Ⅱ音」は「上主音」
「Ⅲ音」は「(上)中音」
「Ⅳ音」は「下属音」
「Ⅴ音」は「属音」
「Ⅵ音」は「下中音」
「Ⅶ音」は「導音」
「Ⅷ音」は「主音」
主音、下属音、属音、導音は特に重要なので覚えておいて下さいね。
今度は「短調」とか「moll」「minor」などの基となる音階です。
それを「短音階」と呼びます。
短音階には「自然短音階」「和声短音階」「旋律短音階」という3つの種類があります。
3つの短音階はⅥ音とⅦ音が異なるだけで他の音は同じです。
「自然短音階」は短音階の基本となる音階です。
自然短音階の音の配列は「長2度・短2度・長2度・長2度・短2度・長2度・長2度」です。
言い換えれば「Ⅱ音とⅢ音、Ⅴ音とⅥ音の間が短2度、その他が長2度」
「ハ音」を起点とする自然短音階はこの様になります。
長調と比べると「Ⅲ音・Ⅵ音・Ⅶ音」が半音下がっています。
自然短音階の「Ⅶ音」を半音上げたものを「和声短音階」と呼びます。
「ハ音」を起点とする和声短音階はこの様になります。
Ⅶ音が半音上がったことにより、Ⅵ音とⅦ音が「増2度」、Ⅶ音とⅧ音が「短2度」の関係になります。
自然短音階の「Ⅵ音・Ⅶ音」を半音上げたものを「旋律短音階」と呼びます。
「ハ音」を起点とする旋律短音階はこの様になります。
Ⅵ音・Ⅶ音が半音上がったことにより、Ⅴ音とⅥ音が「長2度」、Ⅵ音とⅦ音が「長2度」、Ⅶ音とⅧ音が「短2度」の関係になります。
長音階と旋律短音階ではⅢ音のみ音が異なるということですね。
3つの短音階を比べるとこの様になります。
短音階でも長音階と同じようにⅠ音を主音、Ⅳ音を下属音、Ⅴ音を属音と呼びますが、Ⅶ音に関してはⅦ音とⅧ音が短2度の関係の場合のみ導音と呼びます。
和声短音階、旋律短音階の時だけⅦ音を導音と呼ぶということです。
「音程」とは音と音との高さの間隔のことを言います。
そしてそれは「~度」や「完全・長・短」などの言葉によって表されます。
音程の間隔を表す為には「~度」という言葉を用います。
音と音とが「〇個離れている」ということを「〇度離れている」と言うのです。
音程の数え方はこの様になります。
同じ音の場合が「1度」、もう1つ離れていたら「2度」という具合です。
分かりやすく書いたらこんな感じでしょうか。
また、もし音に変化記号がついていたとしても度数の呼び方は変わりません。
以下の例は全て「5度」です。
上記で説明した通り、変化記号がついた場合も度数は変わりません。
そこでより正確に音程を区別するために度数の前に「完全・長・短」などの言葉をつけます。
ここからは1度~8度までを用いて説明します。
「完全・長・短」は全ての度数に対して使われるのではありません。
それぞれの度数で基準とされる音程があるのですが、その基準の音程の場合に
「1度、4度、5度、8度」には「完全」が使われ、
「2度、3度、6度、7度」には「長・短」が使われます。
そして、その基準の音程より半音高い場合は「増」、もう半音高い場合は「重増」、半音低い場合は「減」、もう半音低い場合は「重減」という言葉が使われます。
これらは全ての度数で使われます。
では、一つ一つ説明しましょう。
1度の基準とされる音程は「同じ音」です。
つまり、同じ音のことを「完全1度」と言います。
「完全1度」より音の幅が半音広がった場合は「増1度」となります。
「増1度」よりさらに音の幅が半音広がった場合は「重増1度」となります。
1度の場合は「完全1度」より狭い音程がないので「減・重減」は使われません。
2度で全音1個分離れた音程のことを「長2度」と言います。
「長2度」より音の幅が半音狭まった場合は「短2度」となります。
「短2度」よりさらに音の幅が半音狭まった場合は「減2度」となります。
「長2度」より音の幅が半音広がった場合は「増2度」となります。
「増2度」よりさらに音の幅が半音広がった場合は「重増2度」となります。
2度の場合は「減2度」より狭い音程はないので「重減」は使われません。
3度で全音2個分離れた音程のことを「長3度」と言います。
「長3度」より音の幅が半音狭まった場合は「短3度」となります。
「短3度」よりさらに音の幅が半音狭まった場合は「減3度」となります。
「減3度」よりさらに音の幅が半音狭まった場合は「重減3度」となります。
「長3度」より音の幅が半音広がった場合は「増3度」となります。
「増3度」よりさらに音の幅が半音広がった場合は「重増3度」となります。
4度で全音2個+半音1個分離れた音程のことを「完全4度」と言います。
「完全4度」より音の幅が半音狭まった場合は「減4度」となります。
「減4度」よりさらに音の幅が半音狭まった場合は「重減4度」となります。
「完全4度」より音の幅が半音広がった場合は「増4度」となります。
「増4度」よりさらに音の幅が半音広がった場合は「重増4度」となります。
5度で全音3個+半音1個分離れた音程のことを「完全5度」と言います。
「完全5度」より音の幅が半音狭まった場合は「減5度」となります。
「減5度」よりさらに音の幅が半音狭まった場合は「重減5度」となります。
「完全5度」より音の幅が半音広がった場合は「増5度」となります。
「増5度」よりさらに音の幅が半音広がった場合は「重増5度」となります。
6度で全音4個+半音1個分離れた音程のことを「長6度」と言います。
「長6度」より音の幅が半音狭まった場合は「短6度」となります。
「短6度」よりさらに音の幅が半音狭まった場合は「減6度」となります。
「減6度」よりさらに音の幅が半音狭まった場合は「重減6度」となります。
「長6度」より音の幅が半音広がった場合は「増6度」となります。
「増6度」よりさらに音の幅が半音広がった場合は「重増6度」となります。
7度で全音5個+半音1個分離れた音程のことを「長7度」と言います。
「長7度」より音の幅が半音狭まった場合は「短7度」となります。
「短7度」よりさらに音の幅が半音狭まった場合は「減7度」となります。
「減7度」よりさらに音の幅が半音狭まった場合は「重減7度」となります。
「長7度」より音の幅が半音広がった場合は「増7度」となります。
「増7度」よりさらに音の幅が半音広がった場合は「重増7度」となります。
8度で全音5個+半音2個分離れた音程のことを「完全8度」と言います。
「完全8度」より音の幅が半音狭まった場合は「減8度」となります。
「減8度」よりさらに音の幅が半音狭まった場合は「重減8度」となります。
「完全8度」より音の幅が半音広がった場合は「増8度」となります。
「増8度」よりさらに音の幅が半音広がった場合は「重増8度」となります。
ちなみに、「完全8度」のことを「オクターブ」と言います。
「単音程」とは、1度~完全8度の音程のことを言います。
「複音程」とは、増8度以上の音程のことを言います。
つまり「複音程」とは「1オクターブ+2度」とか「2オクターブ+4度」という場合を言います。
例えば
1オクターブ+長3度=長10度
1オクターブ+完全5度=完全12度
「リズム」という言葉は聞いたことがありますね?
音楽にとって「音」と同じくらい大切なものです。
そのリズムは「拍」を基準に作られます。
言葉で聞くと難しそうですが、なるべく分かりやすく説明しますね。
「拍」は一定の間隔で刻まれます。
例えば、時計の秒針を思い浮かべて下さい。
秒針は一定の間隔で刻まれますね。
音楽が流れている中で、時計の秒針のように「拍」は一定の間隔で刻まれ、進んでいきます。
この拍が音楽の基準のリズムになります。
基準となる拍より長かったり、短かったりすることで様々なリズムは作られます。
拍は「1拍、2拍…」と数えます。
拍はいくつか毎にまとめることができます。
拍のまとまりは「拍子」と呼ばれます。
そして、拍子は「強拍」「中強拍」「弱拍」という具合に強弱がつくことでまとまりを持ちます。
四分音符を基準の拍として考えたものの例をいくつかあげますね。
これからあげる例の楽譜の下の音符が「拍」で、上の音符が「リズム」です。
「どんぐりころころ」
この様に「強拍・弱拍・強拍・弱拍…」と続く曲は「二拍子」と呼ばれます。
「赤とんぼ」
この様に「強拍・弱拍・弱拍・強拍・弱拍・弱拍…」と続く曲は「三拍子」と呼ばれます。
「荒城の月」
この様に「強拍・弱拍・中強拍・弱拍・強拍・弱拍・中強拍・弱拍…」と続く曲は「四拍子」と呼ばれます。
拍子の例をあげた際、「四分音符を基準の拍として考えたもの」と書きました。
その様に「拍が何音符か」と、「拍子が何拍子か」は音楽にとって大切なことです。
先程の例の「どんぐりころころ」は「拍が四分音符」「拍子が2拍子」でした。
この様な音楽を「4分の2拍子」と言います。
同様に、「赤とんぼ」は「4分の3拍子」、「荒城の月」は「4分の4拍子」と言います。
そしてそれは楽譜の最初の音部記号の次にこの様に提示されます。
4分の2拍子、4分の3拍子、4分の4拍子です。
4分の4拍子はこの様に表記されることもあります。
二分音符を基準の拍として考えたものです。
2分の2拍子、2分の3拍子です。
2分の2拍子はこの様に表記されることもあります。
八分音符を基準の拍として考えたものです。
8分の3拍子、8分の6拍子、8分の9拍子です。
この他にもたくさんの拍子がありますが、それは「○分の○拍子」という数字を変えることで表せます。
拍の例をいくつかあげた時に五線に対して直角な縦の線がありましたね。
その線のことを「小節線」と言います。
そして、小節線と小節線の間の部分を「小節」と言います。
小節は「1小節、2小節…」と数えます。
小節線の仲間で「複縦線」「終止線」「反復記号」があります。
曲の初めから反復記号まで、または反復記号から反復記号までを繰り返す時に使われます。
音楽は全てが1拍目から始まるわけではありませんね。
1拍目の強拍から始まるのではなく、弱拍から始まることもあります。
そう言ったものを「アウフタクト」と呼びます。
例えば「浜辺の歌」などがそうですね。
この最初の「小節として拍が足りない部分」を「不完全小節」と言います。
逆に「拍が足りている小節」は「完全小節」と言います。
音の長さを示す為に「音符」というものがあります。
その音符が丸い「たま」だけなのか、「ぼう」が付いているのか、「はた」が付いているのかによって音の長さが変わります。
慣れれば簡単なので、ゆっくりしっかり覚えて下さいね。
「全音符」は音の長さの基準となる音符です。
「たま」のふちどりだけの音符です。
「二分音符」は全音符の二分の一の長さの音符です。
全音符に「ぼう」が付いている音符です。
「四分音符」は全音符の四分の一の長さの音符です。
(二分音符の半分の長さ)
二分音符の「たま」が黒塗りになった音符です。
「八分音符」は全音符の八分の一の長さの音符です。
(四分音符の半分)
四分音符に「はた」が付いている音符です。
「十六分音符」は全音符の十六分の一の長さの音符です。
(八分音符の半分)
八分音符にもう1つ「はた」が付いている音符です。
「三十二分音符」は全音符の三十二分の一の長さの音符です。
(十六分音符の半分)
十六分音符にもう1つ「はた」が付いている音符です。
「六十四分音符」は全音符の六十四分の一の長さの音符です。
(三十二分音符の半分)
三十二分音符にもう1つ「はた」が付いている音符です。
これまで説明した「ぼう・はた」は全て「たま」の上に付いています。
ですが、「たま」の下に「ぼう・はた」をつけることもあるんです。
「ぼう・はた」を上につけるか、下につけるかは五線のどの位置に音符があるかで変わります。
五線の第3線(真ん中の線)を境目として、それより下に「たま」がある場合は「ぼう・はた」は上につけます。
第3線より上に「たま」がある場合は下に「ぼう・はた」をつけます。
第3線に「たま」がある場合は、どちらに「ぼう・はた」をつけても構いません。
しかし、二声(2つのパート)を同じ五線上に書く場合は、五線の位置に関係なく、上のパートは「ぼう・はた」の向きは上、下のパートは「ぼう・はた」の向きは下になります。
「はた」のついた音符が連続した場合、「はた」を一つ一つに書くのは大変ですね。
そういった場合はこの様に書きます。
音符に「付点」をつけるとその音符の長さが1.5倍になります。
つまり、付点がついた音符(付点音符)は「音符+音符の半分」の長さになるのです。
例えば、四分音符に付点がをつけると四分音符+八分音符の長さになります。
これを「付点四分音符」と呼びます。
図の様に付点は「たま」の右側につけます。
「たま」が線上にある場合は線の上に書きます。
ただし、二声の楽譜に書く場合は線の下につけることもあります。
付点音符にはもう一つ付点をつけることが出来ます。
そのように付点が二つついた音符を「複付点音符」と言います。
複付点音符はもとの音符の1.75倍になります。
つまり「音符+音符の半分+音符の4分の1」の長さになるのです。
例えば、複付点四分音符は「四分音符+八分音符+十六分音符」の長さになります。
音の長さを表す「音符」に対して、音が止んでいる長さを「休符」で表します。
音符と違い、休符は五線上のどの位置に書くかが決まっています。
その位置も一緒に覚えてしまいましょう。
ただし、二声の楽譜に書く場合は他の位置に書くことがあります。
「四分休符」は全休符の四分の一の長さの休符です。
(二分休符の半分の長さ)
「八分休符」は全休符の八分の一の長さの休符です。
(四分休符の半分)
「十六分休符」は全休符の十六分の一の長さの休符です。
(八分休符の半分)
「三十二分休符」は全休符の三十二分の一の長さの休符です。
(十六分休符の半分)
「六十四分休符」は全休符の六十四分の一の長さの休符です。
(三十二分休符の半分)
休符に「付点」をつけるとその休符の長さが1.5倍になります。
つまり、付点がついた休符(付点休符)は「休符+休符の半分」の長さになるのです。
例えば、四分休符に付点がをつけると四分休符+八分休符の長さになります。
これを「付点四分休符」と呼びます。
付点休符にはもう一つ付点をつけることが出来ます。
そのように付点が二つついた休符を「複付点休符」と言います。
複付点休符はもとの休符の1.75倍になります。
つまり「休符+休符の半分+休符の4分の1」の長さになるのです。
上記で説明したように「全休符」は「二分休符×2」の長さと同じなのですが、他に特別な使い方があります。
1小節まるまる休みの場合、「全休符」を一つ書くだけで済ませることができます。
どんな拍子であっても1小節間の休みを表します。
例えば4分の3拍子で1小節間の休みを表す場合、「付点二分休符」や「四分休符を3つ」と書いてもいいですが、「全休符」でも同じ意味になるのです。
パート譜などで何小節も休みが続く場合は、この様にまとめて書くことができます。
数字は小節数を表し、その小節分の休みを示します。
楽譜は「五線」という5本の均等な線を基準として成り立っています。
この五線のどの位置に音符があるかなどで音の高さが決まるのです。
下の線にいけばいくほど低い音を、上の線にいけばいくほど高い音を表します。
もし五線だけでは足りない時は線をその都度増やしていきます。
五線以外の増やした線は「加線」と呼びます。
そして五線の線の一つ一つには名前があります。
下の線から「第1線」「第2線」「第3線」「第4線」「第5線」といいます。
また、線と線の間は下から「第1間」「第2間」「第3間」「第4間」といいます。
上に増えた線は「上第1線」
下に増えた線は「下第1線」
また、上に増えた間は「上第1間」
下に増えた間は「下第1間」
と呼びます。
音部記号とは「ト音記号」「ヘ音記号」「ハ音記号」のことを言います。
この記号のことを説明する前に音の呼び方についてお話しましょう。
皆さんがよく耳にする「ドレミファソラシド」という音の呼び方は実はイタリア語の呼び方なんです。
それに対して日本では「いろはにほへと」という7文字を音に割り当てました。
イタリア語 ド レ ミ ファ ソ ラ シ ド
日本語 ハ ニ ホ ヘ ト イ ロ ハ
上記の並びのように「ド」は「ハ」、「レ」は「二」と呼びます。
では、音部記号の説明に戻りましょう。
「ト音記号」は日本語でいう「ト音」(イタリア語だと「ソ」)を基準とする記号です。
この赤い丸をつけたところが基準でソ(ト音)となります。
「ヘ音記号」は「ヘ音」(イタリア語だと「ファ」)を基準とする記号です。
この赤い丸をつけたところが基準でファ(ヘ音)となります。
「ハ音記号」は「ハ音」(イタリア語だと「ド」)を基準とする記号です。
この赤い丸をつけたところが基準でド(ハ音)となります。
これらの音部記号はいつも決まった位置にあるわけではありません。
このようにハ音記号を書く位置によって基準となる「ハ音」の位置も変わるのです。
あまり見ることはないかもしれませんが、ト音記号やヘ音記号が移動することもあります。
ちなみに、ピアノでいう「真ん中のド」の音はそれぞれの音部記号で表すと以下のようになります。
見ていただければ分かるようにト音記号は真ん中のドより高い音を表すのに便利、ヘ音記号は真ん中のドより低い音を表すのに便利です。
ト音記号で真ん中のドの音より低い音を沢山書こうとすると加線だらけで大変になってしまいますからね。
音の高さを上げたり、下げたりする時は「変化記号」を使います。
これらは音符の左側に付けられます。
その種類は5つあります。
ナチュラルは他の4つの変化記号の効果を消して、元の音の高さに戻す時に使います。
ダブルシャープは半音2個分高くする時に使います。
(シャープ2個分と考えて下さい)
ダブルフラットは半音2個分低くする時に使います。
(フラット2個分と考えて下さい)
音部記号の説明の際に少し書きましたが、音には名前があります。
それを「音名」といい、音の高さを表す時に使います。
イタリア語と日本語については少し書きましたね。
その他に良く使われるのはドイツ語と英語でしょうか。
イタリア語 Do Re Mi Fa Sol La Si Do
(読み方 ド レ ミ ファ ソ ラ シ ド)
日本語 ハ ニ ホ ヘ ト イ ロ ハ
ドイツ語 C D E F G A H C
(読み方 ツェー デー エー エフ ゲー アー ハー ツェー)
英語 C D E F G A B C
(読み方 シー ディー イー エフ ジー エー ビー シー)
日本語 嬰ハ 嬰ニ 嬰ホ 嬰ヘ 嬰ト 嬰イ 嬰ロ 嬰ハ
(読み方 エイハ…)
ドイツ語 Cis Dis Eis Fis Gis Ais His Cis
(読み方 チス ディス エイス フィス ギス アイス ヒス チス)
英語 C# D# E#…
(読み方 シーシャープ ディーシャープ イーシャープ…)
イタリア語は日本ではあまり使われないので省きます。
日本語 変ハ 変ニ 変ホ 変ヘ 変ト 変イ 変ロ 変ハ
(読み方 ヘンハ…)
ドイツ語 Ces Des Es Fes Ges As B Ces
(読み方 ツェス デス エス フェス ゲス アス べー ツェス)
英語 C♭ D♭ E♭…
(読み方 シーフラット ディーフラット イーフラット…)
日本語 重嬰ハ 重嬰ニ 重嬰ホ 重嬰ヘ 重嬰ト 重嬰イ 重嬰ロ 重嬰ハ
(読み方 ジュウエイハ…)
ドイツ語 Cisis Disis Eisis Fisis Gisis Aisis Hisis Cisis
(読み方 チスィス ディスィス エイスィス フィスィス ギスィス アイスィス ヒスィス チスィス)
英語 C double# Ddouble# Edouble#…
(読み方 シーダブルシャープ ディーダブルシャープ イーダブルシャープ…)
日本語 重変ハ 重変ニ 重変ホ 重変ヘ 重変ト 重変イ 重変ロ 重変ハ
(読み方 ジュウヘンハ…)
ドイツ語 Ces Deses Eses Feses Geses Ases Bes Ceses
(読み方 ツェセス デセス エセス フェセス ゲセス アセス べス ツェスセス)
英語 C double♭ D double♭ E double♭…
(読み方 シーダブルフラット ディーダブルフラット イーダブルフラット…)