3-5.ルネサンスの音楽までの楽器

オルガン

organ

organ

オルガンの発生はふるく、元を辿れば紀元前にまで遡ります。
元々は水力で動いていました。
その後、4世紀には風力に変わり、8世紀半ばにはヨーロッパの修道院に入れられました。

純粋に器楽用の楽器として使われるようになったのは14世紀頃からです。
この頃にはペダルも加わりました。
そして、それにより演奏法も15世紀には確立しますが、オルガンに固有な楽曲が書かれるようになったのは16世紀に入ってからでした。

1667年にはふいごが完成し、電力ではありませんが現在の形に近くなりました。

チェンバロとクラヴィコード

オルガンの他にも鍵盤楽器として、チェンバロやクラヴィコードも使われました。
初めの頃は、声楽曲をそのまま演奏しオルガンとの区別はありませんでした。

cembalo

cembalo

チェンバロは15世紀末には作られていたと考えられています。
爪で弦を弾いて音を出す仕組みになっています。
初期のチェンバロは音色の選択はできませんでしたが、やがて様々な音色も出せるようになり音域や音量も拡大されました。
大型になると4段もの鍵盤があり、オルガンと同様に足鍵盤もありました。

チェンバロは18世紀後半から次第に使われなくなります。
強弱表現が自由にできるピアノがその役目を奪ってしまったからです。
そのため19世紀になるとチェンバロはほとんど演奏される機会がなくなってしまいます。

Clavichord

Clavichord

クラヴィコードはチェンバロより小さく、幅は1m半ほどでした。
クラヴィコードはチェンバロより古く14世紀後半には使われていました。
長方形の箱形の楽器で、テーブルや専用の台などの上において演奏されました。
音量はチェンバロなどに比べると小さいのも特徴です。
音の出る仕組みですが、クラヴィコードは弦を金属棒で打って音を出しています。
17世紀、18世紀にはドイツで大流行しました。

virginal

virginal

クラヴィコードがドイツで大流行した一方で、16世紀にイギリスで大流行したのがヴァージナルでした。
ヴァージナルもチェンバロを小さくしたような楽器です。
エリザベス朝時代にバードやギボンズが作曲した作品が残されていますが、多くは声楽曲を編曲したものでした。

リュート

lute

lute

弦楽器の中では、リュートが大流行しました。
リュートは現在でいうギターによく似た楽器です。
リュートは16世紀から17世紀半ばまで家庭用の楽器として使われました。
その点でもギターと似ている部分がある気がしますね。

ルネサンス期のリュートはソプラノ、アルト、テナー、バスなど様々な大きさで作られました。
その中でも、テナーリュートが多くを占めていました。
ルネサンス期はリュートは歌の伴奏や合奏だけでなく、独奏用としても広く使用されたと考えられています。

ヴィオラ・ダ・ガンバ

Viola da gamba

Viola da gamba

弓を使う弦楽器では、ヴィオール族と呼ばれるものがルネサンスに用いられました。

その中でも現在のチェロに似たヴィオラ・ダ・ガンバやヴァイオリンのように演奏するヴィオラ・ダモーレがよく使われました。
ヴィオラ・ダ・ガンバは現在のヴァイオリン属に比べて大きい音が出ませんでした。
そのため劇場や外での演奏には向かず、宮廷や家庭における室内楽や教会音楽で演奏されました。
これらの楽器は形は似ていますが、ヴァイオリンの原型の楽器ではありません。

現在のヴァイオリンを含む弦楽器が使われるようになったのは17世紀に入ってからですが、これらの楽器は16世紀から使われていました。