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2-1.キリスト教音楽→グレゴリオ聖歌の誕生

キリスト教音楽の始まり

古代ローマ帝国は395年に東と西に分裂し、西ローマ帝国は476年に滅亡します。
その間の4世紀から5世紀にかけて、キリスト教は著しく広まりました。
ローマ帝国においては、313年にキリスト教が公認され、392年に国教と定められました。

キリスト教は典礼の形をユダヤ教から引き継いでおり音楽を重視していました。
そして布教と共に、各地で聖歌も生まれてきました。
初期のキリスト教の音楽はユダヤ教の他にもヘレニズム文化の影響も大きく受けました。

ヘレニズム文化はいわゆるギリシャを中心とした文化です。
ギリシャの音楽を受け継いだ初期のキリスト教の音楽は、最初は単旋律の音楽で伴奏もなくリズムもなかったものと考えられています。

その後、独唱が歌いそれに合唱が応じる「応唱」や、合唱が交互に歌う「交唱」が生まれました。
女性もはじめは合唱に加わっていましたが、578年頃から加わらなくなったそうです。

アンブロジウス聖歌

Ambrosius

アンブロジウス

西方のキリスト教の音楽を発展させるのに重要な役割を果たした人物にアンブロジウスがいます。

アンブロジウスは374年からミラノの司教を勤め、西方教会の典礼と聖歌を革新しました。
東方で発達したギリシャの賛美歌を西洋化したのです。
また単純な旋律の有節形式の賛美歌も作りました。

これらは現在でもミラノ大司教管区の教会やアンブロジウスの系統の少数の教会で歌われています。
歌詞はラテン語で、音域は狭く、言葉のアクセントを重視しているのが特徴です。

アンブロジウスが作ったのでアンブロジウス聖歌と呼ばれますが、ミラノで発展したことからミラノ聖歌とも呼ばれます。

グレゴリオ聖歌

GregoriusI

グレゴリウス1世

人の名前の付いたもので最も有名なものは、やはりグレゴリオ聖歌でしょう。

6世紀末にローマ教皇のグレゴリオ1世がローマ・カトリック教会の典礼のための聖歌を大成し、制定したことがこの名の由来です。
厳密に言えばグレゴリオ1世以外にも貢献していますが、グレゴリオ1世が聖歌の整理に特に貢献したことからこの名がついています。

グレゴリオ聖歌がどこで生まれてかは厳密にはわかっていません。
しかし、現存する資料はイタリアでなくスイスやフランスの修道院や寺院から多く見つかっています。
その点を考慮すると、グレゴリオ聖歌はアルプス以北で8世紀から9世紀に発展し、それがローマに入ってきたと考えられます。

グレゴリオ聖歌もまた、現在でもローマ・カトリック派の教会で歌われ続けています。

グレゴリオ聖歌の特徴

グレゴリオ聖歌は単旋律でラテン語で書かれています。
歌詞は詩の他に旧約・新約聖書からもとられました。

記譜法は今のようなものではなく、歌詞の上に斜線・点・曲線・記号などが書かれました。
音程の正確な高さや、音の長さはまだ書かれていません。
当時の人々はそれを見て視覚的に歌を思い出していたと思われます。

Gregorianus

この記譜法はネウマと呼ばれ、近代的な記譜法はこのネウマから発達していきます。

グレゴリオ聖歌の特徴として、メリスマ唱法も忘れてはいけません。
聖歌の中の最後の母音を装飾的に歌うことをメリスマ唱法と呼びます。
これが後の作曲の概念となっていきます。

また、グレゴリオ聖歌はローマ・カトリック教会の典礼と密接に結びついていました。
特にミサと聖務日課の音楽としての役割を果たしました。

さらにグレゴリオ聖歌はキリスト教の普及と共にヨーロッパ各地に伝わりました。
7世紀にはイギリスで歌われ、8世紀頃からはドイツやスイスでも歌われるようになりました。