「An die Musik(音楽に寄せて)」は、フランツ・ペーター・シューベルト(Franz Peter Schubert, 1797年~1828年)によって1817年に作曲されました。
シューベルトはオーストラリアの作曲家で、芸術的なドイツ歌曲を多く残し「歌曲の王」とも呼ばれています。
また時代としては古典派とロマン派の橋渡しの時期に活躍した作曲家で、ベートーヴェンの晩年とも重なっています。

「An die Musik」の詩はシューベルトの友人であるフランツ・リッター・フォン・ショーバーによって書かれました。
このようにシューベルトはゲーテ、ミュラー、シラーなどの詩に曲も付けてはいますが、無名の詩人の詩による歌曲を多く残しているのも特徴的です。
そのためシューベルトは詩にあまり関心がなかったのではと言われることもあります。

この曲は高校の音楽の教科書にも載っている有名な曲で、ドイツリート勉強し始めによく歌われる曲でもあります。

ここでは「An die Musik(音楽に寄せて)」の対訳や解説を紹介したいと思います。
それぞれの単語の意味も掲載していますので参考にしてください。

少し不自然ですが、あえて歌詞と対訳は行が対応するように、かつ単語の意味をなるべくそのまま載せています。
詩的な美しい対訳ではありませんがご了承ください。

An die Musik(音楽に寄せて)の名演

フリッツ・ヴンダーリヒ(Fritz Wunderlich, 1930年9月26日 - 1966年9月17日)
ドイツのテノール歌手

An die Musik(音楽に寄せて)の歌詞1

Du holde Kunst, in wieviel grauen Stunden,
wo mich des Lebens wilder Kreis umstrickt,
hast du mein Herz zu warmer Lieb entzunden,
hast mich in eine beßre Welt entrückt.

An die Musik(音楽に寄せて)の対訳1

優美な芸術であるお前よ、多くの恐ろしい時間の中で
荒々しい中にある人生において私を悩ませた
(※関係代名詞woは1行目のStundenにかかる)
お前は私の心に温かい愛で火をつけた
私をより良い世界へと引き入れた

du/お前
hold/優美な
Kunst/芸術
in/の中で
wieviel/多くの
grauen/恐ろしい
Stunde/時間
wo/(関係代名詞)
mich/私を
des/(定冠詞)
Leben/人生
wild/荒々しい
Kreis/範囲
hast→haben(英語:have)
mein/私の
Herz/心
zu/
warm/温かい
Liebe/愛
entzunden/火をつける
ein/(不定冠詞)
beßer/より良い
Welt/世界
entrücken/引き離す

An die Musik(音楽に寄せて)の歌詞2

Oft hat ein Seufzer, deiner Harf entflossen,
ein Süßer, heiliger Akkord von dir
den Himmel beßrer Zeiten mir erschlossen,
du holde Kunst, ich danke dir dafür!

An die Musik(音楽に寄せて)の対訳2

しばしばため息をする、お前のハープから流れる
(※deiner Harf entflossenはSeufzerにかかる)
お前の甘く、神聖な和音は
より良い時間の天国を私に結び付けた
優美な芸術であるお前よ、私はお前にそのことについて感謝する!

oft/しばしば
hat→haben/持っている
Seufzer/ため息
deiner/お前の
Harfe/ハープ
entflossen/流れる
Süß/甘い
heilig/神聖な
Akkord/和音
von/~から
dir/お前に
den/(定冠詞)
Himmel/天国
Zeit/時間
mir/私に
erschließen/結びつける
ich/私は
dafürdanken/そのことについて感謝する

An die Musik(音楽に寄せて)の名盤

フィッシャー・ディースカウによるシューベルトの歌曲集です。
音楽の授業で聴いた魔王をはじめ、耳馴染みのあるシューベルトの名曲が詰まっています。
録音年代は古いですが、名演奏が楽しめる1枚です。