「初心者にオススメの人気オペラ」をまとめてみました。
「オペラを観たいけど、どのオペラから観ればいいか迷ってしまう!」という方は、参考にしていただければと思います。

一部例外もありますが、上演頻度の高いものを対象に、親しみやすい音楽とメロディーが印象的な人気オペラを中心に集めています。


【初心者オススメ度★★★★★】

初演年演目
1786フィガロの結婚(モーツァルト)
1791魔笛(モーツァルト)
1853椿姫(ヴェルディ)
1874こうもり(ヨハン・シュトラウス2世)
1875カルメン(ビゼー)
1904蝶々夫人(プッチーニ)

【初心者オススメ度★★★★☆】

初演年演目
1816セビリアの理髪師(ロッシーニ)
1832愛の妙薬(ドニゼッティ)
1851リゴレット(ヴェルディ)
1871アイーダ(ヴェルディ)
1896ボエーム(プッチーニ)
1900トスカ(プッチーニ)

【初心者オススメ度★★★☆☆】

初演年演目
1787ドン・ジョヴァンニ(モーツァルト)
1892道化師(レオンカヴァッロ)
1926トゥーランドット(プッチーニ)

↑クラシック作品は別ページです。

↑90作品以上のオペラを紹介しています。

初心者オススメ度★★★★★

「フィガロの結婚(Le nozze di Figaro)」

 2003年、フィレンツェ五月祭
スタンダードな演出で楽しめます。

作曲:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
言語:イタリア語
初演:1786年

モーツァルトの数あるオペラの中でも、世界中で最も演奏されているオペラの一つです。
アリアはもちろん、美しい重唱がオペラを通して演奏されます。
ストーリーの展開が早いため、子供向けではないかもしれません。

結末:ハッピーエンド
フィガロとスザンナは結婚の準備を進めています。
そんな中、伯爵は妻をないがしろにし、スザンナに言い寄ります。
そして、2組のカップルを中心とした恋のドタバタ劇が展開されます。
それぞれの計画が交錯し、最後に伯爵が悔い改めたところでハッピーエンドで幕が下ります。

 【聴きどころ】
「序曲」
フィガロの歌う「Non più andrai, farfallone amoroso」
ケルビーノの歌う「Voi che sapete che cosa è amor」

「魔笛(Die Zauberflöte)」

 輸入盤で日本語字幕ナシですが、モーツァルト3作品(「魔笛」「ドン・ジョヴァンニ」「フィガロの結婚」)がお得な値段で手に入ります。
「魔笛」でのダムラウの夜の女王は大絶賛され、大きな反響を呼びました。
2003年、ロンドン、コヴェント・ガーデン王立歌劇場

作曲:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
言語:ドイツ語
初演:1791年

一般家庭を対象として作られたオペラだけあって、子供にもわかりやすいストーリーになっています。
その一方で、「フリーメイソン」の色の濃いオペラでもあり、深く考えると一転してオペラの内容が難解に感じます。
物語が演出家の心をくすぐるのかはわかりませんが、世界中でオリジナリティー溢れる新演出が作られています。

王子がお供を従えて、救出の旅に出る
王子タミーノは森の中に迷いこみます。
「パミーナの肖像画」を見たタミーノは、彼女に一目惚れをします。
タミーノは森で出会ったパパゲーノを従えて、パミーナを救出します。
最後にタミーノはパミーナと結ばれ、パパゲーノもパパゲーナと結ばれます。

 【聴きどころ】
パパゲーノの歌う「Der Vogelfänger bin ich ja」
タミーノの歌う「Dies Bildnis ist bezaubernd schön」
夜の女王の歌う「Der Hölle Rache kocht in meinem Herzen」
など

「椿姫(La Traviata)」

 2007年、ミラノ・スカラ座でのライブ録音。
スタンダードな演出、高音質・高画質、そして素晴らしい演奏と、まさに「1枚目の椿姫」としてオススメできます。

作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ
言語:イタリア語
初演:1853年

パリの華やかな社交界が舞台で、主役のヴィオレッタは高級娼婦です。
初演は大失敗に終わりましたが、現在では世界中で最も人気のあるオペラの一つに数えられます。

高級娼婦の許されぬ恋
ヴィオレッタは高級娼婦としてパリの社交界で華やかに暮らしています。
「本物の恋」をしたことのなかったヴィオレッタでしたが、アルフレードの熱い想いに揺れ二人は恋に落ちます。
しかしアルフレードの父親は「高級娼婦との恋」を認めず、二人は引き離されてしまいます。

二人は最後に再会し愛を確かめ合いますが、ヴィオレッタは結核にかかっていました。
アルフレードの悲しむ中、ヴィオレッタが天国に旅立つところでオペラは終わります。

 【聴きどころ】
「乾杯の歌」
ヴィオレッタの歌う「そは彼の人か~花から花へ」
ジェルモンの歌う「プロヴァンスの海と陸」

「こうもり(Die Fledermaus)」

 1984年 コヴェント・ガーデン、ロイヤル・オペラ・ハウス
ヘルマン・プライ(アイゼンシュタイン)、キリ・テ・カナワ(ロザリンデ)ら往年の名歌手が堪能できる名盤です。

作曲:ヨハン・シュトラウス2世
言語:ドイツ語
初演:1874年

序曲から楽しい音楽で溢れており、それは終幕まで続きます。
オペラに馴染みのない方は、「こうもり」のような親しみやすく聴きやすい「オペレッタ」から聴きはじめるのもいいかもしれません。

ドタバタコメディ
ファルケは仮装パーティで「こうもり」の格好をしました。
酔いつぶれたファルケは街中に置き去りにされ、こうもり姿のままで寝てしまい、恥をかきます。
友人のアイゼンシュタインにその「恥の復讐」をする話が、この「こうもり」です。
話の内容は「すべてがコメディ」で、悲しい話は一切ありません。

 【聴きどころ】
「序曲」
「シャンパンの歌」
ロザリンデの歌う「チャルダッシュ」

「カルメン(Carmen)」

 2007年、コヴェント・ガーデン王立歌劇場でのライブ録音。
ホセ演じるカウフマンの迫真の演技は必見です。

作曲:ジョルジュ・ビゼー
言語:フランス語
初演:1875年

耳馴染みのある音楽が序曲から登場するカルメンですが、作品がヒットしたのは作曲家ビゼーが亡くなってからのことでした。
印象的なメロディーが連続しますので、クラシック音楽に馴染みがない方でも抵抗なく聴きやすいと思います。

結末:主人公の死
真面目な兵士ホセは、自由に生きるジプシー、カルメンに恋をします。
そのことでホセの人生は大きく狂い始めます。
一度は二人は結ばれますが、気の代わりが早いカルメンはすぐにホセを捨ててしまいます。
最後に失恋し嫉妬に狂ったホセが、カルメンを殺してしまったところで幕がおります。

 【聴きどころ】
「序曲」
カルメンの歌う「ハバネラ」
ホセの歌う「花の歌」
エスカミーリョの歌う「闘牛士の歌」

「蝶々夫人(Madama Butterfly)」

 こちらはライブではなく映画版です。
海外から見た日本が描かれているせいか少し滑稽な演出もありますが、そこもまた興味深いです。
フレーニ(蝶々さん)やドミンゴ(ピンカートン)らの歌手陣が絶品で、素晴らしい音楽が堪能できます。

作曲:ジャコモ・プッチーニ
言語:イタリア語
初演:1904年

日本を舞台とした数少ないオペラ
日本の長崎を舞台にしています。
芸者の蝶々さん(15歳)は、アメリカ海軍ピンカートンと結婚をします。
しかしピンカートンは蝶々さんを残しアメリカに帰り、アメリカで別の女性と結婚をします。
ピンカートンを最後まで信じる蝶々さんですが、その思いは最後に断ち切られます。
蝶々さんが自害したところで、悲しみの中オペラは終わります。

 【聴きどころ】
第1幕「蝶々さんとピンカートンの二重唱」
蝶々さんの歌う「ある晴れた日に(Un bel dì)」
第2幕「蝶々さんとスズキの花の二重唱」
ピンカートンの歌う「Addio fiorito asil」
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初心者オススメ度★★★★☆

「セビリアの理髪師(Il Barbiere di Siviglia)」

作曲:ジョアキーノ・ロッシーニ
言語:イタリア語
初演:1816年

『セビリアの理髪師』とモーツァルト『フィガロの結婚』は、同じ劇作家(ボーマルシェ)の作品をもとにしています。
『セビリアの理髪師』はアルマヴィーヴァ伯爵が結婚するまでの話で、『フィガロの結婚』では、伯爵は既に結婚しており、フィガロ(セビリアの理髪師)が結婚する物語を描いています。

 【聴きどころ】
アルマヴィーヴァ伯爵の歌う「Ecco ridente in cielo」
フィガロの歌う「La ran la lera…Largo al factotum」
ロジーナの歌う「Una voce poco fa」

「愛の妙薬(L’elisir d’amore)」

作曲:ガエターノ・ドニゼッティ
言語:イタリア語
初演:1832年

惚れ薬(本当はただのワイン)をテーマとした、ドニゼッティの傑作オペラです。

 【聴きどころ】
ベルコーレの歌う「Come Paride vezzoso」
ドゥルカマーラの歌う「Udite, udite, o rustici」
ネモリーノの歌う「Una furtiva lagrima」

「リゴレット(Rigoletto)」

作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ
言語:イタリア語
初演:1851年

 【聴きどころ】
ジルダの歌う「Caro nome」
マントヴァ公爵の歌う「女心の歌(La donna è mobile)」
4重唱「Bella figlia dell’amore」

「アイーダ(Aida)」

作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ
言語:イタリア語
初演:1871年

第2幕では、サッカーでも有名な「凱旋行進曲」が歌われます。
劇団四季などでも上演されているミュージカル「アイーダ」は、このオペラをもとにしています。

 【聴きどころ】
ラダメスの歌う「清きアイーダ(Celeste Aida)」
アイーダの歌う「勝ちて帰れ(Ritorna vincitor)」
合唱「凱旋行進曲(Gloria all’Egitto, ad Iside)」

「ラ・ボエーム(La Bohème)」

作曲:ジャコモ・プッチーニ
言語:イタリア語
初演:1896年

1830年代が舞台で、パリの屋根裏部屋で暮らす芸術家4人組の物語が描かれています。
大ヒットミュージカル『レント』は、『ボエーム』の舞台がニューヨークに置き換えられたものです。

 【聴きどころ】
ロドルフォの歌う「冷たき手を(Che gelida manina)」
ミミの歌う「私の名はミミ(Sì, mi chiamano Mimì)」
ムゼッタの歌う「私が街を歩くと(Quando me n’vo soletta per la via)」
ミミの歌う「あなたの愛の呼ぶ声に(Donde lieta uscì al tuo grido d’amore)」

「トスカ(Tosca)」

作曲:ジャコモ・プッチーニ
言語:イタリア語
初演:1900年

 【聴きどころ】
トスカの歌う「Vissi d’arte, vissi d’amore(歌に生き、愛に生き)」
カヴァラドッシの歌う「妙なる調和(Recondita armonia)」/「E lucevan le stelle(星は光りぬ)」

初心者オススメ度★★★☆☆

「ドン・ジョヴァンニ(Don Giovanni)」

作曲:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
言語:イタリア語
初演:1787年

 【聴きどころ】
レポレッロの歌う「Madamina, il catalogo è questo」
ドン・ジョヴァンニとツェルリーナの2重唱「Là ci darem la mano」
オッターヴィオの歌う「Dalla sua pace」
ドン・ジョヴァンニの歌う「Fin ch’han dal vino」
ツェルリーナの歌う「Batti, batti, o bel Masetto」
エルヴィーラの歌う「Mi tradì quell’alma ingrata」

「道化師(I Pagliacci)」

作曲:ルッジェーロ・レオンカヴァッロ
言語:イタリア語
初演:1892年

ヴェリズモ・オペラ(「現実主義」と訳される)の代表作とされているオペラです。
ヴェリズモ・オペラは人間の残忍な激しい感情を描いていることも特徴で、このオペラもとても悲劇的なオペラです。

 【聴きどころ】
トニオの歌う「Si può?… Si può?…」
ネッダの歌う「Qual fiamma avea nel guardo(鳥の歌)」
カニオの歌う「Recitar!/Vesti la giubba」

「トゥーランドット(Turandot)」

作曲:ジャコモ・プッチーニ
言語:イタリア語
初演:1926年

プッチーニの最後のオペラ(未完)です。
「誰も寝てはならぬ(Nessun dorma)」は、荒川静香さんが冬季オリンピックで使用したことで、一般の方々にも幅広く知られるようになりました。

 【聴きどころ】
カラフの歌う「Nessun dorma」
リューの歌う「Tu che di gel sei cinta」

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