バルトークピアノ協奏曲第1番
作曲1926年8月-11月
初演1927年7月1日
演奏時間約25分

バルトーク・ベーラ(Bartók Béla/1881年-1945年)の『ピアノ協奏曲第1番』は、1926年に作曲された作品です。
初演は翌年の1927年に、バルトーク自身がピアノを弾き、フルトヴェングラーの指揮で行われました。

バルトークは1923年に『舞踏組曲』を作曲して以来、ほとんど作曲活動をおこなっていませんでした。
『ピアノ協奏曲第1番』はその3年間の沈黙を打ち破る作品です。

 1923-1926年の間、バルトークはピアニストとしての演奏活動をおこなったり、民俗音楽の研究をおこなったりしていました。

バルトーク『ピアノ協奏曲第1番』の演奏

1.Allegro moderato - Allegro
2.Andante - attacca
3.Allegro molto

ピアノ:ジャン=エフラム・バヴゼ(Jean-Efflam Bavouzet)
管弦楽:ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団(London Philharmonic Orchestra)
指揮:ウラディーミル・ユロフスキ(Vladimir Jurowski)

作風が変化した頃の作品

『ピアノ協奏曲第1番』は、これまでのバルトークとは違った音楽を聴くことができます。
バロック時代に回帰したような音楽で対位法も用いており、それにバルトーク独特の野性味あふれる激しい音楽が融合しています。
ピアノを打楽器のように演奏させる彼の手法も、この作品では健在です。

 「打楽器(ティンパニを含む)は、ピアノのすぐ後ろに配置するように」というバルトークによるメモも残されています。

バロックに回帰したと言ってもバルトークの特徴である不協和音が奏でられ、まさに新古典主義の到来を告げるような作品です。

初めて聞くには難しい!?

バルトークは『ピアノ協奏曲第1番』について次のような言葉を残しています。

「私の最初の協奏曲は、私が思うに成功したとは思います。
しかしスタイルは多少難解で、おそらくオーケストラや聴衆には非常に難しい作品かもしれません。」

新古典主義とは?

新古典主義とは、第1次世界大戦後(1920年代)に起こった作曲における傾向です。
後期ロマン派とは対照的に、古典的な音楽を重視し抒情的なものや主観は排除されました。

ストラヴィンスキーの唱えた「バッハに帰れ」という言葉が有名で、他にはブゾーニや、ヒンデミット、フランス6人組(オネゲル、ミヨー、プーランク、オーリック、タイユフェール、デュレ)などが代表的な作曲家として挙げられます。

バルトーク『ピアノ協奏曲第1番』の名盤

【収録作品】
バルトーク:ピアノ協奏曲第1番
バルトーク:ピアノ協奏曲第2番
【演奏者】
ピアノ:マウリツィオ・ポリーニ
管弦楽:シカゴ交響楽団
指揮:クラウディオ・アバド
【録音】
1977年2月

共にイタリア・ミラノ出身のポリーニとアバドが録音した、バルトークのピアノ協奏曲の名盤です。
前衛的で強烈なインパクトを残したこの名盤は、今でも多くの人に愛されています。
力強く響くシカゴ交響楽団の演奏も、もちろん必聴です。

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