イタリア古典歌曲の中でも特に多くの人に知られているのが「Caro mio ben(いとしい女よ)」です。
有名な楽譜にジュゼッペ・ジョルダーニ(1751-98)作曲と書かれていますが、正しくはトンマーゾ・ジョルダーニ(1730-1806)によって書かれた曲だそうです。
彼がイギリス時代に書いた曲で1782年以前の曲だと考えられています。

 「交響曲の父」と呼ばれているフランツ・ヨーゼフ・ハイドン(Franz Joseph Haydn/1732年- 1809年)と同時代の作曲家です。

ここでは「Caro mio ben(いとしい女よ)」の対訳や解説を紹介したいと思います。
それぞれの単語の意味も掲載していますので参考にしてください。
多少不自然な場合もありますが、歌詞と日本語訳は可能な範囲で行が対応するように訳しています。

専門家の日本語訳ではありませんので、参考程度にご覧ください。

Caro mio benの名演

チェチーリア・バルトリ(Cecilia Bartoli, 1966年6月4日 - )
イタリア人のメゾソプラノ歌手

無料楽譜

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Caro mio benの歌詞1

Caro mio ben, credimi almen,
senza di te languisce il cor.

[歌詞の発音]

Caro mio benの対訳1

私の愛する人、せめて私を信じてください
君がいないと心が弱ってしまう

単語の意味

イタリア語 意味
caro 愛する
mio 私の
bene 最愛の人・恋人
credere 信じる
almen せめて
senza ~なしで
te 君に・君を
languire 弱る

Caro mio benの歌詞2

Il tuo fedel sospira ognor.
Cessa, crudel, tanto rigor!

[歌詞の発音]

Caro mio benの対訳2

君の忠実な人(私)はいつもため息をついている
やめてくれ、残酷な人よ、あまりにも過酷だ

単語の意味

イタリア語 意味
tuo 君の
fedele 忠実な(歌詞では名詞)
sospirare ため息をつく
ognora いつも(=sempre)
cessare 終わる・やめる
crudel 残酷な
tanto たくさんの
rigore 厳しさ・過酷さ

カーロ ミオ ベンをカタカナの歌詞で

アマチュアの愛好家の方にとってはカタカナの方が便利なこともあると思います。
カタカナ表記でもこちらに記載しておきます。

カーロ ミオ ベン
クレーディミ アルメン
センツァ ディ テ
ラングイッシェ イル コール

イル トゥオ フェデール
ソスピーラ オニョール
チェッサ クルーデル
タント リゴール

作曲家トンマーゾ・ジョルダーニとは?

「Caro mio ben」を作曲したトンマーゾ・ジョルダーニ(Tommaso Giordani/1730年-1806年)は、イタリア・ナポリ出身の作曲家です。
イタリア出身ですが、多くをイギリスで過ごし、アイルランドで亡くなりました。

家族でロンドンに移住

トンマーゾ・ジョルダーニは音楽家の家庭で生まれました。
兄妹には歌手もいたそうです。

ジョルダーニ一家はグラーツ、ザルツブルク、フランクフルト、アムステルダム、パリを転々とします。
そして最終的に、一家は1753年にロンドンに移住します。

その後8年間を過ごし、1764年にトンマーゾはダブリン(アイルランドの首都)から招待を受けます。
そして、その地で音楽監督を3年間務め、オペラの普及に貢献しました。

アイルランド→再びロンドン

そして3年後の1767年、彼は再びロンドンに戻ります。
そこから16年間はロンドンでオペラ作曲家として活躍しました。

 「Caro mio ben」の作曲年は1782年以前と考えられています。

終焉の地はアイルランド

1783年、トンマーゾは50代前半の頃、再びアイルランドへ戻り音楽活動をします。
そして1806年にダブリンで生涯を終えました。

Caro mio benのオススメ名盤

イタリア人のメゾ・ソプラノ歌手であるチェチーリア・バルトリのイタリア古典歌曲集です。
21曲収録されており、良く知られているイタリア古典歌曲集の多くが含まれています。

Caro mio benは元々は男性が女性に向けて歌う曲ですが、女性が歌うCaro mio benもまた美しいです。