『La calunnia è un venticello(陰口はそよ風のように)』は、ロッシーニ作曲のオペラ『セビリアの理髪師』の第1幕でバジリオ(バス)によって歌われます。

 この傑作オペラは、わずか16日間で作曲されたそうです。
この作品は、ロッシーニの代表作として現在でも世界中のいたるところで上演され続けられています。

ここでは『La calunnia è un venticello(陰口はそよ風のように)』の歌詞と対訳を紹介したいと思います。
それぞれの単語の意味も掲載していますので参考にしてください。
不自然な場合もありますが、歌詞と日本語訳は可能な範囲で行が対応するように訳しています。

専門家の日本語訳ではありませんので、参考程度にご覧ください。

↑ 『セビリアの理髪師』の詳細はこちらから

『La calunnia è un venticello(陰口はそよ風のように)』の名演

ルッジェーロ・ライモンディ(Ruggero Raimondi/1941年-)
イタリアのバス・バリトン歌手

『La calunnia è un venticello』の歌詞1

La calunnia è un venticello,
un'auretta assai gentile
che insensibile, sottile,
leggermente, dolcemente,
incomincia a sussurrar.

『La calunnia è un venticello』の対訳1

陰口はそよ風のよう
とても穏やかなそよ風のようなのです
感じられないほど 弱々しく
かすかに 優しく
ひそひそと始まります

単語の意味

calunnia/中傷
vento/風
aura/そよ風
assai/大いに、十分に
gentile/親切な、やさしい、穏やかな
insensibile/感じない、気づかない、ささいな
sottile/薄い、弱々しい
leggermente/軽く、かすかに
dolcemente/甘く、優しく
incominciare/始まる
sussurrar/ささやく、ひそひそ話す

『La calunnia è un venticello』の歌詞2

Piano piano, terra terra,
sottovoce, sibilando,
va scorrendo, va ronzando;
nelle orecchie della gente
s'introduce destramente,
e le teste ed i cervelli
fa stordire e fa gonfiar.

『La calunnia è un venticello』の対訳2

そっとそっと、地面すれすれに
小声で話しながら
動き出し ぐるぐる回って
人々の耳に
じょうずに 忍び込みます
そして 頭と脳を
くらくらさせ 悩ませます

単語の意味

piano/ゆっくり、静かに
terra/大地、地球
terra terra/地面すれすれに
sottovoce/小声で
sibilare/音を立てる
scorrere/流れる
ronzare/ブーンと音を立てる、うろつく、ぐるぐる回る
orecchia/耳
gente/人々
introdursi/そっと入る、忍び込む、潜り込む
destramente/じょうずに、抜け目なく
testa/頭
cervello/脳
stordire/くらくらさせる、失神させる
gonfiare/ふくらませる、(おしゃべりで)悩ます

『La calunnia è un venticello』の歌詞3

Dalla bocca fuori uscendo
lo schiamazzo va crescendo,
prende forza a poco a poco,
vola già di loco in loco;
sembra il tuono, la tempesta
che nel sen della foresta
va fischiando, brontolando
e ti fa d'orror gelar.

『La calunnia è un venticello』の対訳3

口から外に出ると
騒ぎは大きくなって
少しずつ 強さを増して行き
もういたるところを飛び回ります
雷や嵐のようになって
森の内部に入って
口笛を吹きながら 文句をつぶやきながら
あなたを恐怖で凍らせます

単語の意味

bocca/口
fuori/外に
uscire/出る
schiamazzo/騒ぎ、騒々しい叫び声
crescere/成長する、大きくなる
forza/力
a poco a poco/少しずつ
volare/飛ぶ
già/すでに、もう
loco/場所
sembrare/~のように見える
tuono/雷
tempesta/嵐
seno/胸、内部
foresta/森
fischiare/口笛を吹く
brontolare/ぶつぶつ言う、(不平を)つぶやく
orrore/恐怖
gelare/凍らす

『La calunnia è un venticello』の歌詞4

Alla fin trabocca e scoppia,
si propaga, si raddoppia
e produce un'esplosione
come un colpo di cannone,
un tremuoto, un temporale,
un tumulto generale,
che fa l'aria rimbombar.

『La calunnia è un venticello』の対訳4

ついに 溢れて、破裂して
広まって、倍増して
そして 爆発を生みだします
大砲の一撃のようになり
地震が 嵐が
あらゆる暴動が
大気をとどろかせます

単語の意味

traboccare/あふれる
scoppiare/爆発する、破裂する
propagare/広める
raddoppiare/2倍にする、増す
produrre/生産する、生みだす
esplosione/爆発
colpo/打撃、一撃
cannone/大砲
tremuoto/地震
temporale/雷雨、嵐
tumulto/暴動、喧噪
aria/空気、大気、空中
rimbombar/とどろく

『La calunnia è un venticello』の歌詞5

E il meschino calunniato,
avvilito, calpestato,
sotto il pubblico flagello
per gran sorte va a crepar.
Ah! che ne dite?

『La calunnia è un venticello』の対訳5

そして 陰口をたたかれた哀れな男は
自信を失い 傷つき
鞭打ちの刑にさらされ
偉大な運命のなかで死んでいきます
ああ!どうでしょうか?

単語の意味

meschino/哀れな人
calunniare/中傷する
avvilire/評判を落とす、がっかりさせる、自信を失わさせる
calpestare/踏みにじる、傷つける
sotto/下に(を、で)
pubblico/公の
flagello/鞭(むち)、罰
grande/大きい
sorte/運命
crepare/死ぬ

その他の曲目一覧(目次)

その他の作品・あらすじ・歌詞対訳などは下記リンクをクリックしてください。

クラシック作品(目次)

オペラ作品(目次)

ミュージカル作品(目次)

歌詞対訳(目次)

ピアノ無料楽譜(目次)