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作品名 アイネ・クライネ・ナハトムジーク
作曲 1787年8月10日完成

「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」は数あるモーツァルトの名曲の中でも最も有名な曲の一つです。
おそらく誰もが聴いたことのある曲だと思います。
モーツァルトが作曲した最後のセレナードで、31歳のときの作品です。

東京在住の方は、東武東上線池袋駅のホームでも聴くことが出来ます。
余りにも数多くのテレビ・CMなどのメディアで取り上げられている為、数えるときりがありません。

ここではモーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の解説と名盤を紹介したいと思います。

モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の演奏

[00:35]第1楽章:アレグロ、 ソナタ形式 ト長調 4/4拍子
[06:40]第2楽章:ロマンツェ(アンダンテ) 三部形式 ハ長調 2/2拍子
[12:10]第3楽章:メヌエットとトリオ(アレグレット) ト長調 3/4拍子
[14:30]第4楽章:ロンド(アレグロ) ロンド形式 ト長調 2/2拍子

指揮:カール・ベーム(Karl Böhm/1894年-1981年)
演奏:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(Wiener Philharmoniker)

アイネ・クライネ・ナハトムジークの解説

「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」ト長調 K.525は、モーツァルトが作曲したセレナードのひとつです。
これはドイツ語で、それぞれ「Eine=冠詞(英語でいうa)」「kleine=小さい」「Nacht=夜」「Musik=音楽」という意味です。
つまり、日本語では「小さな夜の曲」という意味です。
このタイトルは、モーツァルト自身が自作の目録に書き付けたものでした。

また「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」は「セレナード第13番」と呼ばれることもあります。
13番目に作られたセレナードということですね。
セレナードは娯楽音楽ですので何かのために作曲された曲だと推測されますが、詳しい資料は今のところ見つかっていません。

モーツァルトが演奏規模を指定していないため、弦楽合奏だけでなく弦楽五重奏で演奏されることもあります。

mozart

「フィガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」と同時期の作品

「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」は1787年に作曲された作品で、父レオポルトが亡くなった2か月後に作曲されました。
これはモーツァルトの代表的オペラ「ドン・ジョヴァンニ」の第2幕の作曲をしていた時期と重なります。
また前年の1786年には「フィガロの結婚」が大ヒットしています。

「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」はモーツァルトが乗りに乗っていた時期に作曲された曲なのです。

モーツァルトの死後に発見

モーツァルトの曲の多くは生前から多大な人気を誇っていますが、この曲はそうではありません。
モーツァルトが亡くなって36年後に、初めてこの曲は出版されました。
「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」は5楽章の作品ですが、第2楽章が見つかっておらず4楽章で現在は構成されています。
第1楽章:アレグロ、 ソナタ形式 ト長調 4/4拍子
第2楽章:ロマンツェ(アンダンテ) 三部形式 ハ長調 2/2拍子
第3楽章:メヌエットとトリオ(アレグレット) ト長調 3/4拍子
第4楽章:ロンド(アレグロ) ロンド形式 ト長調 2/2拍子

そして、出版された数十年後にこの曲は人気を博しました。

曲の構成

20分弱の演奏時間で、上記の通り一般的に4楽章で構成されています。

第1楽章:アレグロ、 ソナタ形式 ト長調 4/4拍子

第1楽章第1主題

第1楽章第1主題

誰もが聴いたことのある有名すぎる第1主題で音楽は始まります。
「バーカ バーカ エヘン虫、バーカ バーカ エヘン虫」のCMの曲を思う出す方も多いと思います。
映画「アマデウス」を思い出す方もいるかもしれません。

第2主題に移ると音楽は雰囲気を少し変え、優美さが増します。
展開部では一度調が短調になりますが、最後は長調にかわります。
再現部では最初のト長調に戻り、短いコーダの後に力強く第1楽章は終わります。

第2楽章:ロマンツェ(アンダンテ) 三部形式 ハ長調 2/2拍子

ゆったりとしたテンポで甘い第1主題から始まります。
中間部では少し不安で緊張感のある音楽に変化します。
転調などを重ねた後に、最後は第1主題が奏でられて穏やかに第2楽章は終わります。

第2楽章は親しみがあり、そして優しさに溢れた音楽で満ち溢れています。
また第2楽章には、フランスの古典舞曲であるガヴォット(gavotte)のリズムが取り入れられているとも言われています。

第3楽章:メヌエットとトリオ(アレグレット) ト長調 3/4拍子

リズミカルで力強い低音の上に、快活な美しいメロディが流れます。
中間部では対照的に柔らかな流れる音楽に変わります。
最初のメヌエットが再び登場し第3楽章は終わります。

第4楽章:ロンド(アレグロ) ロンド形式 ト長調 2/2拍子

第4楽章はロンド形式となっていますが、実際はソナタ形式に近いと言えます。

音楽は軽やかな第1主題ではじまり、これは第1楽章第1主題を彷彿させます。
同じト長調がそう感じさせるのかもせれません。

最後は少し長めのコーダが演奏され力強く作品を締めます。

アイネ・クライネ・ナハトムジークの名盤

名盤として名高いこのCDが、価格が安くなって再発売されています。
まさに「お得なCD」だと思います。

ベームが80歳代を過ぎたころの晩年の録音です。
ウィーン・フィルの「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」だけでなくベルリン・フィルの「ポスト・ホルン」の演奏も名演です。

「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」はテンポは抑えめで演奏されてはいます。
その中でベームの指揮とウィーン・フィルの演奏が相乗効果を生み出し、心の躍るような楽しい演奏を聴かせてくれます。

「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の1枚目のCDとしてもオススメできるCDです。

カール・ベーム(Karl Böhm/1894年8月28日-1981年8月14日)
オーストリアの指揮者で、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団名誉指揮者
1931年:ハンブルク国立歌劇場音楽監督に就任
1934年:ドレスデン国立歌劇場総監督に就任
1943年:ウィーン国立歌劇場総監督に就任
1964年:オーストリア音楽総監督の称号を授けられる

その他の録音

「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」のその他の録音も紹介したいと思います。

小澤征爾&サイトウキネン

ozawa
日本が世界に誇る小澤征爾、サイトウ・キネン・オーケストラのコンビで演奏する「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」です。
1992年9月、岡谷での録音です。

毎年夏に開催されるセイジ・オザワ・松本フェスティバル(旧サイトウ・キネン・フェスティバル松本)では、このタッグを聴きに来ようと全国から音楽ファンが集まります。

小澤 征爾(おざわ せいじ/1935年9月1日-)
日本の指揮者
1964年:トロント交響楽団の指揮者に就任
1966年:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を初指揮
1970年:タングルウッド音楽祭の音楽監督に就任、サンフランシスコ交響楽団の音楽監督に就任
1973年:ボストン交響楽団の音楽監督に就任(2002年まで)
2002年:日本人指揮者として初めてウィーン・フィルニューイヤーコンサートを指揮、ウィーン国立歌劇場音楽監督に就任

アムステルダム・バロック管弦楽団

koopman
トン・コープマンが自身で1979年に設立したアムステルダム・バロック管弦楽団で1988、89年に録音を残しています。
同楽団は、バッハの宗教曲やモーツァルトの交響曲の演奏をオリジナル楽器でおこなっていることでも有名です。

小編成のオリジナル楽器のオーケストラの澄んだ軽やかな演奏が楽しめます。