「交響曲第40番ト短調」 K.550は、モーツァルトが1788年にウィーンで作曲した作品です。
モーツァルトが32歳の時でした。
交響曲第40番はモーツァルトの作品の中で、最も有名なものの1つでもあります。
冒頭の音楽は誰もが一度は聞いたことがあるでしょう。
モーツァルトの交響曲はほとんどが長調の作品で、短調の作品は交響曲第25番とこの交響曲第40番の二つしかありません。
この二つの短調の曲はいずれもト短調で、25番を「小ト短調」、40番を「大ト短調」と呼ぶこともあります。
また同じ1788年に作曲された交響曲第39番・第41番と合わせて「3大交響曲」としても親しまれています。
そして「3大交響曲」の中でも特に人気が高いのが「交響曲第40番」です。
ブラームスやシューベルトも愛した作品だと言われています。
作曲家にも音楽ファンにも愛されてやまないのが、交響曲第40番なのです。
ここではモーツァルトの「交響曲第40番」の解説と名盤を紹介したいと思います。
モーツァルト「交響曲第40番」の演奏
[00:06]第1楽章:モルト・アレグロ、ト短調 2分の2拍子 ソナタ形式[07:40]第2楽章:アンダンテ、変ホ長調 8分の6拍子 ソナタ形式
[15:23]第3楽章:メヌエット。アレグレット、ト短調・トリオ ト長調 4分の3拍子 複合三部形式
[19:43]第4楽章:フィナーレ。アレグロ・アッサイ、ト短調 2分の2拍子 ソナタ形式
交響曲第40番の解説
この頃のモーツァルトは歴史的傑作を多数残しています。
1786年にオペラ「フィガロの結婚」、1787年にオペラ「ドン・ジョヴァンニ」や「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」、そして1788年に交響曲第40番を含む「3大交響曲」が作曲されています。
音楽的には充実している時期ですが、父レオポルトや長女テレジアが亡くなるなど私生活では不幸が続いた時期でもありました。
モーツァルトはすでに音楽的に高い名声を得ていましたが、借金を頼んでいる手紙が多数残っていることから、この頃はお金に困っていたのではとも言われています。
しかし、別の研究によるとかなりの収入があったとも言われています。
真実は現時点では謎のままのようです。
かつての人気曲は交響曲第39番
「3大交響曲」の中での一番人気は「交響曲第39番」でした。
40番は第3楽章のメヌエットが人気がありましたが、39番には及ばなかったそうです。
40番は人気を次第に高め、19世紀半ば頃からは人気を不動のものとします。
ただし、40番が人気を高めた直接的な理由はわかっておりません。
時代の流れによって楽しまれる音楽も変わってくるということでしょうか。
交響曲第40番の名盤
このCDは交響曲第40番の入門としてオススメできる名盤です。
モーツァルトを深く愛したベーム晩年の録音で、交響曲第40番・第41番ともに最後の録音となったものです。
ベルリン・フィルとモーツァルト交響曲全集録音を残した後に、ウィーン・フィルと再録音したものです。
神々しく美しい演奏は、格別な世界へ連れていってくれます。
クラシック初心者の方がモーツァルトの交響曲全集をお探しなら、このCDが断然オススメです。
多くの音楽愛好家たちに長い間愛され続けている歴史的名盤です。
ベームとベルリン・フィルが10年間(1959年~1969年)かけて録音しており、落ち着いた優美な音楽を聞かせてくれます。
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