マイ・フェア・レディ(My Fair Lady)』は、1956年にブロードウェイで初演されたミュージカルです。
初演されると瞬く間に大ヒットを飛ばし、6年6ヵ月に及ぶロングラン公演(2717回)となりました。
1964年にはオードリー・ヘプバーン主演で映画化された、まさにミュージカルのスタンダード作品です。

まだ階級社会の名残が感じられるイギリスを舞台にした作品でもあります。

ここでは『マイ・フェア・レディ』のあらすじを、曲と対応して解説していきます。

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『マイ・フェア・レディ』簡単なあらすじ

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時間のない方のための簡単なあらすじ
【第1幕】
花売りのイライザは、訛りの酷い言葉を話しています。

言語学者ヒギンズは、「イライザの言葉・作法を完璧にし、公爵夫人に仕立てるぞ!」と、彼女を研究の実験台にすることを決めます。

【第2幕】
イライザは見事に変貌し、実験は大成功します。
しかしイライザは「自分がただの実験台としか見られていない」ことを深く悲しみます。

二人が離れ離れになるかと思われたとき、ヒギンズが「イライザを愛している」ことにようやく気付きます。
二人が結ばれることが暗示されたところで、ミュージカルは終わります。

『マイ・フェア・レディ』曲の視聴

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第1幕:『マイ・フェア・レディ』の詳しいあらすじ

イライザが汚い訛りで、花を売っている

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コヴェント・ガーデン・オペラハウス前

オペラが終わると、劇場前は観客で賑わっています。
イライザは、汚い言葉遣いで必死に花を売りさばいています。
そこに方言や訛りを研究しているヒギンズ教授が現れます。

ヒギンズはイライザたちの訛りに呆れ、「イギリス人はなぜ正しい英語を話さないんだ!?」と歌います。
(Why Can't The English?/なぜイギリス人は英語が話せない?)

続いてヒギンズは「私が花娘の言葉を教育すれば、舞踏会に出られる娘に育てられる。」と語ります。
イライザは明るい未来を夢見て歌います。(Wouldn't It Be Loverly?/素敵じゃない?)

イライザが上品になるために、ヒギンズを訪れる

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翌日
ヒギンズの言葉を思い出したイライザが、ヒギンズを訪れます。
イライザは「話し方を習いに来たよ。」と話します。

一度ヒギンズは渋りますが、一緒に居合わせた友人で言語学者のピッカリングが話に乗ります。

ピッカリングは
「この娘が舞踏会に通用するまでになったら凄いことだ!」
「私が実験費用を負担しよう。そして私は失敗に賭ける。」
と語ります。

ヒギンズは「ここまで下品だと、やりがいがあるな!」と話に乗ってきます。
イライザは「ちゃんと顔も手も洗ってきたんだよ!」と言い返します。

そうして、公爵夫人になることを目標にイライザの教育が始まります

 ヒギンズは女性に偏見を持つ偏屈な男です。
その結果、独身を貫いています。(I'm Just An Ordinary Man/僕は普通の男だ)

アルフレッド(イライザの父)が金をせびりにヒギンズ邸へ来る

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数日後
アルフレッド(イライザの父)は、仕事もせずその日暮らしの生活を送っています。
彼は「運が良ければ、仕事もせずに楽に暮らせるぞ」と歌います。(With A Little Bit Of Luck/ほんの少し運が良けりゃ)

 アルフレッド(イライザの父)は、陽気なダメ人間です。
彼は最終的に本当に"運"でお金持ちになります。

そんな時、父アルフレッドのもとに"イライザの噂"が届きます。
アルフレッドは「娘が玉の輿に乗った。」と勘違いし、金をせびりにヒギンズ邸を訪れます。

ヒギンズは追い返そうとしますが、次第に「あっぱれなダメ人間っぷり」に共感し金を渡します。
さらには手紙で、アメリカの投資家に「アルフレッドを推薦」までしてしまいます。

イライザが遂に"上品な話し方"を習得する

イライザはヒギンズへの愚痴をこぼしながら、上品な言葉の習得に悪戦苦闘しています。(Just You Wait/今に見てろ)
そして、ようやくイライザは美しい話し方を身につけます。(The Rain In Spain/スペインの雨)
ヒギンズ、イライザ、ピッカリングの3人は大喜びします。

ヒギンズはイライザを競馬場に連れて行って、イライザの言葉を試すことを決めます。
イライザは「一晩中踊りたい気分だわ!」と高鳴る気分を歌い上げます。(I Could Have Danced All Night/踊り明かそう)

競馬場でのイライザの実験は失敗に終わる

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アスコット競馬場

ヒギンズは舞踏会前の練習として、イライザを貴族たちの集まる競馬場へ連れていきます。(Ascot Gavotte/アスコット・ガヴォット)
イライザは順調に練習の成果を発揮します。
しかし言葉や作法は身に着けても、中身までは磨けませんでした。
次第にぼろを出し、失敗に終わります

しかし、同席したフレディはイライザに恋します。
フレディはヒギンズ邸まで行き、家のそばで彼女への愛を歌います。(On the Street Where You Live/君の住む街角)

第2幕:『マイ・フェア・レディ』の詳しいあらすじ

イライザの舞踏会デビューが成功する

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6週間後 トランシルヴァニア大使館

再び猛特訓を重ね、いよいよ大使館の舞踏会の日がやってきます。
イライザは、指名を受け王子とダンスをします。
さらに同席したカーパシー(ヒギンズの言語学の弟子)は、イライザを"ハンガリーの王家の人物"だと分析します。
イライザの舞踏会デビューは大成功をおさめます

ヒギンズがイライザを実験の対象としか見ていない

ヒギンズ邸
ヒギンズとピッカリングの賭けは、ヒギンズが勝利します。
二人は実験の成功を称え合います。(You Did It/でかしたぞ)

それを見たイライザは「自分は単なる実験の道具でしかなかった」ことに深く悲しみます。
そして一人になった実験室で泣き崩れます。

悲しむイライザは家を出ていく

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そこにヒギンズが、「私のスリッパはどこだ?」とスリッパを取りに戻ってきます。
イライザはヒギンズにスリッパを投げつけ激怒します。

ヒギンズは、イライザが泣いている理由が理解できません。(A Hymn To Him/男の賛歌)
イライザはヒギンズ邸を出ていきます

かつての仕事場にもイライザの居場所はない

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イライザは玄関の外で待ち構えていたフレディに、やり場のない気持ちをぶつけます。(Show Me/証拠を見せて)
そしてかつて働いていたコヴェント・ガーデンの青物市場に向かいます。

しかし昔の仲間は"完全に変貌を遂げたイライザ"に気づきません。
彼女は自分の居場所がここにもないことを感じます。

イライザと父との再会、そして別れ

イライザが悲しむところに、父アルフレッドが現れます。
なんと父は偶然遺産が入り、金持ちになっていました。
父はイライザに「お前を引き取れない。」と冷たく告げ、去っていきます。

 父はもうすぐ結婚を控えており、残り少ない独身生活を満喫します。(Get Me To The Church On Time/時間通りに教会へ)

ヒギンズとイライザが再び喧嘩する

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翌朝
ヒギンズは、イライザがいないことに気づきます。
その日のスケジュールもわからず大慌てです。

 イライザは、ヒギンズのスケジュール管理もしていました。

ヒギンズが母の家を訪れると、「イライザがヒギンズの母の家に逃げ込んでいた。」ことがわかります。

ヒギンズはイライザの気持ちを理解せず、二人は再び喧嘩別れとなります。(Without You)

ヒギンズが「イライザを愛している」ことに気づく

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帰り道、ヒギンズはイライザのことを忘れることができません。

自宅に帰ったヒギンズは「イライザを愛している」ことに気づきます。(I've Grown Accustomed To Her Face/忘れられない彼女の顔)
ヒギンズは実験室で「イライザの声の録音テープ」を流して、彼女を思い出しています。

その時、テープの音が止まります。
そして「ちゃんと顔も手も洗ってきたんだよ!」とイライザの声が聞こえます。
ヒギンズが「私のスリッパはどこだ?」と答えます。

 ヒギンズとイライザが結ばれることが暗示されたところで、ミュージカルは終わります。

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