項目データ
作品名ノートルダムの鐘
作曲アラン・メンケン
作詞スティーヴン・シュワルツ
脚本ジェームズ・ラパイン(独),ピーター・パーネル(英)
原作ヴィクトル・ユーゴーの小説『ノートルダム・ド・パリ』(1831)
初演1999年 ベルリン
2016年 東京(劇団四季版)

ノートルダムの鐘(The Hunchback of Notre Dame)』は、ヴィクトル・ユーゴーの小説『ノートルダム・ド・パリ』を原作にしたミュージカルです。
音楽は、ディズニーの同名のアニメ映画に基づいて書かれています。

 1999年にベルリンで初演されたこのミュージカルは、2014年に英語に書き直されアメリカでもヒットしました。
2016年には日本にも上陸し、劇団四季がレパートリーとして加えています。

ディズニー作品ではありますが、シリアスでメッセージ性の強い作品です。
ノートルダム大聖堂の鐘楼に住むカジモドを主人公とするストーリーに、アラン・メンケンによる極上の音楽が奏でられます。

ここでは『ノートルダムの鐘』のあらすじを、曲と対応して解説していきます。

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『ノートルダムの鐘』曲の視聴

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英語版

劇団四季版

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第1幕:『ノートルダムの鐘』のあらすじ

大聖堂の大助祭フロローがカジモドを引き取り、鐘突に閉じ込めて育てる

NotreDame

Olim/オーリム(いつか)(Choir)

1482年:パリ ノートルダム大聖堂

ノートルダムの鐘が鳴り、聖歌が響きます。
その後、フロローが「カジモドを大聖堂の鐘突き塔へ引き取る」ことになった経緯が語られます。

 フロロー・・ノートルダム大聖堂に務める聖職者。大助祭(司祭の次に偉い職)

The Bells of Notre Dame/ノートルダムの鐘(Frollo,Jehan,Father Dupin,Congregation)

経緯
フロローと兄弟のジェアンは、かつて孤児として大聖堂に引き取られました。

 フロローが真面目な少年だった一方、ジェアンはヤンチャな性格でした。

ジェアンは「ジプシー女を大聖堂に連れ込んだ罰」で、大聖堂を追い出されてしまいます。
フロローはそれを庇うことはできませんでした。


ジェアンが出てい行ってから3年後
フロローはジェアンと出会います。
しかしジェアンは病に倒れ、命尽きる手前でした。(ジプシー女は既に亡くなっている)

ジェアンは死ぬ前に、フロローに「ジプシー女との間に生まれた子供」を託します。
それは生まれつき醜い姿をした子供(カジモド)でした。

 カジモドとは「できそこない」という意味で、フロローが名付けた。

フロローは子供を引き取ります
そして、大聖堂の鐘突き塔へ閉じ込め、人目にさらさないように育てます。

フロローがカジモドに「大聖堂から外に出るな」と警告する

gargoyle
20年後

カジモドは青年へと成長し、大聖堂の鐘をつくことを任されています。
彼は鐘を大音量で突くことが原因で、耳が聞こえにくくなっています。

 カジモド・・優しく純粋な青年で外の暮らしを夢見ている。フロローの教えに忠実に従う。

彼は「人間以外の鐘、彫像、ガーゴイル」と会話をします。

 ガーゴイル・・怪物の形をした彫刻。物語の中では、動き話をする。

また彼は、街で開催される「道化の祭り」に参加することを空想しています。


Out There/陽ざしの中へ(Quasimodo)

そこにフロローが現れ「石とは話せないだろ」と彼に語ります。

フロローは「外に出れば奇形が原因で、皆に虐げられる」と警告します。
そして「外に出ずにここで暮らせば、私が守る。ここが安全な聖域だ。」と告げます。

しかしカジモドは外に出る欲求を抑えることができません。

カジモドが大聖堂の外に出る

Topsy Turvy(Part1)(Clopin,Quasimodo,Congregation)

カジモドは醜い姿を隠して外に出ます。
街は年に一度の祭りで大賑わいです。

Rest and Recreation/息抜き(Phoebus,Frollo,Congregation)

祭りには戦場から帰ったばかりのフィーバスの姿もあります。
戦場の苦しみから解放された彼は、女性たちと息抜きをして楽しんでいます。

 フィーバス・・フロローに仕える大聖堂警備隊長。後にエスメラルダ(ヒロイン)の恋人となり、カジモドの友ともなる。モテモテのイケメン。

そこにフロローが現れ、フィーバスに「ジプシーの取締り」を命じます。

皆がエスメラルダのとりこになる

gypsy

Rhythm of the Tambourine/タンバリンのリズム(Esmeralda,Clopin,Phoebus,Frollo,Quasimodo,Congregation)

祭りを取り仕切るクロパンが、エスメラルダを皆に紹介します。

 エスメラルダ・・ジプシー。カジモドの最初の友人で、フィーバスと恋に落ちる。カジモドもフィーバスもフロローも彼女に恋をする。

踊るエスメラルダを見て、カジモドもフィーバスもフロローも彼女に惹かれます。

カジモドが醜さが原因で、皆にいじめられる

demonstration

Topsy Turvy(Part2)(Clopin,Congregation)

祭りでは、「誰が最も醜いかを決める大会」が開かれます。
エスメラルダはカジモドに「自分の個性を活かしてみたら」と提案します。

しかしカジモドが大会に参加すると、カジモドは嘲笑の的となり皆にいじめられます
エスメラルダがカジモドを助け、彼はなんとか逃げ出します。

Sanctuary(Reprise)/サンクチュアリー(聖域)(Frollo,Quasimodo)

フロローはカジモドに「世間の残酷さ」を伝え、「ここが聖域だ。外に二度と出るな。」と再び警告します。

エスメラルダが「大聖堂の鐘突き塔」へ向かい、カジモドとの間に友情が芽生える

NotreDame

God Help the Outcasts/神よ弱き者を救いたまえ(Esmeralda,Congregation)

カジモドの後をつけて来ていたエスメラルダは大聖堂に入ります。
フロローは「ジプシーは大聖堂に入ることが許されていない。」と語り、ミサに向かいます。

エスメラルダは「神よ弱き者を救いたまえ」と祈ります。
そこに、フィーバスが現れます。
二人が決闘をしていると、カジモドがそれを上から覗きます。

エスメラルダはカジモドを見つけ、彼の元へ向かいます。

Top of the World/世界の頂上で(Esmeralda,Quasimodo,Congregation)

エスメラルダは大聖堂の上からの景色に感激します。
エスメラルダは何の偏見も持たず、カジモドと会話します。

カジモドは初めて人の温かさを感じ、二人の間に友情が芽生えます。


そこにフロローが現れます。
エスメラルダに恋するフロローは「ここに住みなさい。」と言いますが、彼女はそれを断ります。

怒ったフロローはフィーバスに「エスメラルダが次に大聖堂に入ったら逮捕しろ!」と命じ、彼女を追い出します。
そしてカジモドに「エスメラルダのことは忘れろ!」と告げます。

フィーバスとエスメラルダがキスをし、それを見たフロローが落ち込む

amsterdam

The Tavern Song/酒場の歌(Esmeralda,Frollo,Clopin,Congregation,Gypsies)

「エスメラルダのことが頭から離れない」フロローは、毎晩外を出歩くようになります。
そして酒場でエスメラルダ(ジプシーたち)を見つけ、中に入ります。

そこで、フロローは「フィーバスとエスメラルダがキスをする」のを見ます。
そして彼は落ち込み大聖堂へ帰っていきます。

カジモドはエスメラルダを忘れられない

Heaven's Light/天国の光(Quasimodo)

カジモドはエスメラルダのことは忘れることができません。

カジモドは「彼女は僕を怖がらずに微笑んでくれた。」と彼女を想い歌います。

フロローがエスメラルダを呪う

Hellfire/地獄の炎(Frollo,Congregation)

フロローもエスメラルダを忘れられません。

フロローはこの邪念をエスメラルダのせいにして「あのジプシー女を呪ってくれ。私を選ばないのなら、あいつを焼き殺そう!」と歌います。

フロローがフィーバスを刺し、エスメラルダに罪を擦り付ける

fight

Esmeralda/エスメラルダ(Frollo,Phoebus,Quasimodo,Congregation)

心が荒れるフロローは、国王から「エスメラルダ逮捕の許可」をもらいます。

そしてエスメラルダの滞在する宿に向かい、フィーバスに「火をつけろ!」と命じます。
フィーバスが拒否すると、場は混乱し、フロローがフィーバスを刺します。

さらにフロローは「エスメラルダがフィーバスを刺した。」と罪を擦り付けます。
騒然となった舞台で様々な思いが交錯し、第1幕は終わります。

第2幕:『ノートルダムの鐘』のあらすじ

カジモドが負傷したフロローをかくまう

NotreDame

Entr'acte/間奏曲(Choir)

エスメラルダが負傷したフィーバスを連れて、大聖堂の鐘突き塔へ来ます。
カジモドはフロローにばれるのを恐れますが、彼をかくまいます。

エスメラルダは「魔除けのペンダント」を渡して、「フィーバスが動けるようになったら、奇跡御殿へ来て!」と頼み、去っていきます。

Flight Into Egypt/エジプトへの逃避(Quasimodo,Saint Aphrodisius,Congregation)

カジモドは「魔除けのペンダントはパリの街の地図になっている」ことに気づき、奇跡御殿の位置を把握します。


そこにフロローが帰ってきます。
フロローは「カジモドが奇跡御殿の場所を知っている」と感づきます。

 フロローは「奇跡御殿の場所」を知らない。

フロローはカジモドに「明日の朝、奇跡御殿を襲撃する」と告げ、カジモドが奇跡御殿に向かうよう仕向けます。

カジモドとフィーバスが奇跡御殿へ向かう

The Court of Miracles/奇跡御殿(Clopin,Gypsies)

カジモドとフィーバスは奇跡御殿へ向かいます。
しかし奇跡御殿に着くと、二人は侵入者として捕えられてしまいます。

エスメラルダが誤解を解き二人を解放すると、二人は皆に「フロローが襲撃しにやってくる」と伝えます。

後をつけてきたフロローが、エスメラルダとフィーバスを捕える

prison

In a Place of Miracles/奇跡もとめて(Phoebus,Esmeralda,Quasimodo,Clopin,Gypsies)

フィーバスとエスメラルダは愛を確かめ合います。
そしてフィーバスはジプシーたちの仲間に加わります。

カジモドはそれを遠くから見つめます。


そこに二人の後をつけてきたフロローたちが、奇跡御殿を襲撃にやってきます。
エスメラルダ、フィーバスたちは捕えられてしまいます。

 クロパンだけは逃げることに成功します。

騙され利用されたカジモドは、再び鐘突き塔へ閉じ込められます。

Someday/いつか(Esmeralda,Phoebus)

バスティーユ牢獄
エスメラルダとフィーバスは牢獄に閉じ込められています。
フロローはエスメラルダに「私のものになれば、フィーバスを助けてやろう。」と語ります。

エスメラルダとフィーバスは、二人の明るい未来を祈ります。(Someday)

ガーゴイルが石に戻る

gargoyle

Made of Stone/石になろう(Quasimodo,Congregation)

エスメラルダは、フロローに屈せず死刑を言い渡されました。
エスメラルダの処刑が迫っています。

一方、カジモドは鐘突き塔でロープに縛られています。
ガーゴイルが「助けに行け」と語りますが、カジモドは「うるさい!」と一蹴します。

するとガーゴイルはただの石に戻ってしまいます。
カジモドは友人を失ってしまいました。

エスメラルダとフロローを亡くし、カジモドは絶望する

NotreDame

Finale

エスメラルダの処刑がなされようとしたその時、カジモドがロープを解き彼女を助けに現れます。

カジモドはエスメラルダを救出し、大聖堂へ連れ込みます。
大聖堂へ迫りくる衛兵と、カジモドは戦います。

カジモドは敵を追い払いますが、エスメラルダは既に瀕死の状態でした。
彼女は「あなたは友達よ」と告げ、亡くなってしまいます。

怒ったカジモドはフロローを鐘突き塔から突き落とします。
フロローは転落死します。

カジモドは「大切な二人の命(エスメラルダとフロロー)」を失ってしまい、絶望します。
最後に「人間と怪物のどこに違いはあるのだろうか?」というメッセージが語られ幕は降ります。

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