エレクトラ | Elektra |
---|---|
初演 | 1909年1月25日 ドレスデン宮廷歌劇場 |
原作 | フーゴ・フォン・ホーフマンスタールの悲劇『エレクトラ』 |
演奏時間 | 1時間45分 |
『エレクトラ(Elektra)』は、リヒャルト・シュトラウス(Richard Strauss/1864年-1949年)によって作曲されたオペラです。
『サロメ』の直後に作曲が開始された作品で、前作の『サロメ』同様とても刺激的な作品です。
また、『エレクトラ』は、シュトラウスとホーフマンスタール(台本)が初めてタッグを組んだオペラでもあります。
シュトラウスの傑作『ナクソス島のアリアドネ』『ばらの騎士』『影のない女』も、ホーフマンスタールが台本を書いています。
ここでは、R・シュトラウスのオペラ『エレクトラ』のあらすじを紹介したいと思います。
主な登場人物
登場人物 | 詳細 |
---|---|
エレクトラ(ソプラノ) | 王アガメムノンの娘 |
クリソテミス(ソプラノ) | エレクトラの妹 |
クリテムネストラ(メゾソプラノ) | エレクトラの母、王妃 |
オレスト(バリトン) | エレクトラの弟 |
エギスト(テノール) | 母の愛人 |
『エレクトラ』の簡単なあらすじ
時間のない方のための簡単な「30秒あらすじ」
そして彼女と愛人エギストは、王アガメムノンを暗殺しました。
エレクトラは「父を殺した母と愛人への復讐心」を燃やします。
そしてオペラの後半で、しばらく宮廷を離れていたオレスト(弟)が戻ってきます。
オレスト(弟)が「母と愛人」を殺し、エレクトラの復讐が完結しオペラが終わります。
その1:『エレクトラ』のあらすじ
「エレクトラの父」は母たちに暗殺されてしまった
5人の侍女が「また父の死を嘆いているわ。」と気が狂ったエレクトラの噂をしています。
そして彼女と愛人エギストは、王アガメムノンを暗殺しました。
続いてエレクトラが現れると「父はもういない。私たち(3兄妹)は、復讐を果たして父の墓でダンスをするのよ!」と強い決意を歌います。(Allein! Weh, ganz allein)
"Allein! Weh, ganz allein"
「エレクトラの復讐心」は揺らぐことはない
そこにクリソテミス(エレクトラの妹)が現れます。
クリソテミス(妹)はエレクトラに「母たちは、あなたを塔に閉じ込める気でいるわ。復讐を忘れたら自由になれるのよ。」と伝えます。
しかし、エレクトラは妹の話に全く聞く耳を持ちません。
母(王妃)は「自分が息子に殺される悪夢」を見る
そこにクリテムネストラ(王妃、エレクトラの母)が現れます。
クリテムネストラ(母)は「オレスト(エレクトラの弟)に殺される悪夢」にうなされ、眠れない日々が続いています。
クリテムネストラ(母)はエレクトラに「悪夢を追い払う方法を教えて。お前は賢いから。」と尋ねます。
エレクトラは「自分自身の命を犠牲にすれば解放されるわ。オレスト(弟)がそれを果たしてくれる。」と返します。
それを聞いたクリテムネストラ(母)は、恐れおののきます。
「オレスト(弟)が死んだ」という知らせが入る
そこに「オレスト(弟)が死んだ」という知らせが入ります。
クリテムネストラ(母)が笑みを浮かべる一方で、エレクトラの復讐心は一層高まります。
その2:『エレクトラ』のあらすじ
オレスト(弟)は生きていた
エレクトラはクリソテミス(妹)に「弟が死んだ今、私たち(自分と妹)で母と愛人を殺すのよ!」と言いますが、クリソテミス(妹)は躊躇します。
エレクトラが一人で復讐することを決心したところに、「弟の死」を知らせに来た男が現れます。
実は、その男こそがオレスト(弟)本人でした。
エレクトラは「オレスト(弟)が生きていた」ことに喜びます。
オレスト(弟)が復讐のために王宮へ入る
「王宮の中に男は誰もいない。」とわかると、オレスト(弟)は復讐のために王宮へ入っていきます。
すると王宮の中からクリテムネストラ(母)の叫び声が聞こえます。
突然の事件に、辺りは混乱に包まれます。
「母と愛人」が殺される
そこに出払っていたエギスト(母の愛人)が帰ってきます。
エギスト(母の愛人)は「エレクトラの不敵な笑み」に不安を抱きながら、王宮へと入っていきます。
やがてエギストの苦悩の声が聞こえ、彼の一味も討伐されます。
「エレクトラの復讐」が完結する
クリソテミス(妹)がエレクトラの前に現れ「死んだはずのオレスト(弟)が王宮にいる!オレストがやったわ!」と知らせに来ます。
エレクトラは復讐を成し遂げたことに狂喜し、喜びのダンスを踊ります。
「エレクトラの復讐」が完結し、オペラの幕は降ります。
"Final scene"
その他の曲目一覧(目次)
その他の作品・あらすじ・歌詞対訳などは下記リンクをクリックしてください。