ばらの騎士Der Rosenkavalier・薔薇の騎士
初演1911年1月26日(ドレスデン宮廷歌劇場)
台本フーゴ・フォン・ホーフマンスタール
演奏時間3時間15分

『ばらの騎士』(Der Rosenkavalier・薔薇の騎士)は、リヒャルト・シュトラウス(Richard Georg Strauss/1864年-1949年)が作曲した彼の代表的オペラです。
台本はフーゴ・フォン・ホーフマンスタール(1874年-1929年)が担当しました。

 ホーフマンスタールは、シュトラウスの『エレクトラ』『ナクソス島のアリアドネ』『影のない女』の台本も書いています。

『エレクトラ』の作曲中に「次作はモーツァルトのようなオペラを書きたい」と語ったシュトラウスは、『エレクトラ』とは全く異なった作品を書きあげました。

『ばらの騎士』は、シュトラウスが既に作曲家として有名になっていた頃の作品で、ドレスデンでの初演は大成功を収めます。
初演後もベルリン、ミラノ、プラハなどで公演が続き、聴衆に絶大な支持を受けたそうです。
そして現在でもドイツオペラの人気演目の一つとして世界中で上演され続けています。

ここでは、そんなリヒャルト・シュトラウス『ばらの騎士』のあらすじを紹介したいと思います。

登場人物

登場人物詳細
元帥夫人オクタヴィアンと愛人関係。(Sp)
オックス男爵無作法で女好き。ゾフィーと政略結婚の予定。(B)
オクタヴィアンばらの騎士。元帥夫人の愛人だったが、ゾフィーに恋する(Ms)
ファニナルゾフィーの父。(Br)
ゾフィーオックスと政略結婚の予定。オクタヴィアンに恋する。(Sp)
ヴァルツァッキ情報屋(Tn)
アンニーナ(A)
警部(B)

マリアンネ、元帥夫人家執事、公証人、料理屋の主人
テノール歌手、3人の孤児、帽子屋
動物売り、ファニナル家執事

『ばらの騎士』簡単なあらすじ

時間のない方のための「簡単なあらすじ」
元帥夫人とオクタヴィアンは愛人関係にあります。

元帥夫人は「オックス(元帥夫人のいとこ)とゾフィーの結婚の使い」として、オクタヴィアンを指名します。
出会ったゾフィーとオクタヴィアンは、お互いに一目ぼれをします。
一方、オックスは浮気がばれて「オックスとゾフィーの結婚」は破談となります。

 オックスは「女好きで無礼な最低な男」として描かれています。

「元帥夫人とオクタヴィアンの愛人関係」が終わりを告げ、「ゾフィーとオクタヴィアンの新しい恋」が始まりオペラが終わります。

第1幕:『ばらの騎士』あらすじ

元帥夫人がオクタヴィアンと不倫している

元帥夫人の部屋
元帥夫人(マリー・テレーズ)は、夫の留守間に若い恋人オクタヴィアン伯爵と一夜を過ごしています。
朝になると物音が聞こえます。
二人は「夫が帰ってきたのでは?」と慌て、オクタヴィアンは女装して逃げようとします

オックスが「ばらの騎士選び」の相談に来る

するとオックス男爵(元帥夫人のいとこ)が入ってきて、女装したオクタヴィアンを見つけます。
女好きのオックスは「マリアンデル(女装したオクタヴィアン)」を気に入り、ちょっかいを出しはじめます。

 元帥夫人は、「女装したオクタヴィアン」を召使のマリアンデルとして紹介します。

オックスの用事は「ゾフィーと結婚することになったので、ばらの騎士を誰にするか相談したい」とのことでした。

 ゾフィーは金持ち貴族ファニナルの娘で、修道院を出たばかりです。政略結婚のために、オックスと結婚させられようとしています。
 このオペラでは、婚約の申し込み時には「使者が銀のバラを渡しに行く」風習があります。それが『ばらの騎士』です。(このオペラの中での風習で、実際にはない。)

オクタヴィアンが「ばらの騎士」に選ばれる

元帥夫人は"オクタヴィアンを「ばらの騎士」に推薦"し、オックスに彼の肖像画を見せます。
オックスは「肖像画と召使マリアンデルがそっくり」なことに驚きます。(本当は同一人物)

しばらくして元帥夫人の部屋に、次々とセールスマンたちが売り込みやお願いにやってきます。(公証人、情報屋、帽子売り、動物売り、孤児たちなど)
その中の一人のテノール歌手が美しい歌を披露します。

「Di rigore armato il seno」

 テノール歌手は、イタリアオペラをパロディ化したような役で出番はわずかです。しかし、美しい旋律でコンサートでも歌われる音楽で、この役のために「スター歌手が特別に招聘される」こともあります。

元帥夫人が、やがて訪れる『オクタヴィアンとの別れ』を感じる

人々が去ると、やがて元帥夫人は一人となります。
そして、若いころを思い出しながら自らの老いを嘆き「いずれオクタヴィアンとの別れが来る」ことを感じます。

「Da geht er hin」

元帥夫人は、着替えて戻ってきたオクタヴィアン(女装から普段の姿に戻っている)を素っ気なく返します。
そして、小姓に「オクタヴィアンに銀のバラを届ける」よう命じます。

第2幕:『ばらの騎士』あらすじ

オクタヴィアンとゾフィーが惹かれ合う

ファニナル邸(ばらの騎士が訪れる日)
オクタヴィアンが「銀のバラ」を持って到着し、ゾフィーに渡します。
二人はお互いに惹かれ合います。(Mir ist die Ehre widerfahren)

「Mir ist die Ehre widerfahren」

ゾフィーは婚約者オックスに嫌悪感を覚える

続いてオックスが登場し、ゾフィーと初対面します。
ゾフィーは「オックスの下品さ」に嫌悪感を覚えます。

情報屋(ヴァルツァッキ)が「ゾフィーとオクタヴィアンの密会」を見つける

オックスが別室にいくと、ゾフィーとオクタヴィアンは二人きりになります。
ゾフィーは「オックスとは結婚しない!」と言い、二人はお互いの恋心を歌い合います。(Mit Ihren Augen voll Tränen)

その二人の様子を、ヴァルツァッキとアンニーナが見つけ「花嫁が若い男とイチャイチャしてる!」と騒ぎ立てます。

 ヴァルツァッキらは情報屋で、今でいうパパラッチのようなものです。1幕にも登場しますが、2幕からはオックスの手下となっています。

ゾフィーが「オックスと結婚したくない!」と告げる

皆が集まって騒ぎとなり、「オックスとオクタヴィアンの決闘」がはじまります。
オックスはあっさり負けて、腕を負傷し大騒ぎします。

ゾフィーはオックスに「あなたとは結婚しない!」と言います。
不機嫌になったオックスでしたが「マリアンデルからの逢引の手紙」を貰うと、すっかりご機嫌となります。

 マリアンデルは「オクタヴィアンが女装した時の名前」で、手紙は「オクタヴィアンの策略」です。1幕で、「女装したオクタヴィアン」はオックスのお気に入りとなっていました。

第3幕:『ばらの騎士』あらすじ

オックスが策略にはまり、居酒屋に現れる

とある居酒屋の特別室
ヴァルツァッキとアンニーナは「オックスの羽振りが悪い」ので、オクタヴィアン陣営に寝返っています。
そこに「オクタヴィアンの手紙」にまんまと引っ掛かり、オックスがマリアンデル(オクタヴィアンの女装)と居酒屋に来ます。

オクタヴィアン陣営は、様々な仕掛けでオックスを驚かします。
さらに見知らぬ女(アンニーナの変装)が子供たちを連れて、オックスに「パパ!パパ!」と叫びます。
怒ったオックスは警察を呼びます。

オックスの浮気がばれ、結婚取消になる

警部が駆けつけてくるので、オックスを事情を説明します。
その中で、オックスは「マリアンデルを自分の婚約者」だと話します。

そこにファニナルとゾフィーも登場します。
浮気がばれたオックスは、婚約を破棄されてしまいます。

オクタヴィアンが女装をとき普段の姿に戻ると、オックスは騙されたことに気づきます。
最後に現れた元帥夫人に促され、オックスは諦めて去っていきます。

「元帥夫人とオクタヴィアンの別れ」と「オクタヴィアンとゾフィーの新しい恋」

元帥夫人は「オクタヴィアンとの別れ」を悟り(Hab mir's gelobt)、オクタヴィアンをゾフィーのもとへ行かせます。

「Hab mir's gelobt」

 元帥夫人、ゾフィー、オクタヴィアンの3人のそれぞれの心情が美しく歌われます。

オクタヴィアンとゾフィーが愛を語り合う中、ゾフィーがハンカチを落とします。

そのハンカチを小姓が持ち走り去ったところで、オペラが終わります。

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