「清教徒(I Puritani)」はヴィンチェンツォ・ベッリーニが作曲し1833年に初演されたオペラです。
歌い上げることが困難な箇所が多いため上演機会の少なかったオペラでもありますが、近年では上演される機会も多くなっています。
第1幕第2場でアルトゥーロ(テノール)によって歌われる「A te, o cara」も高音が要求され難しいアリアです。

この時代はベルカント・オペラの全盛期で、ベッリーニの「カプレーティとモンテッキ(1830年)」「夢遊病の女(1831年)」「ノルマ(1831年)」はもちろん、ドニゼッティの「愛の妙薬(1832年)」「ルクレツィア・ボルジア(1833年)」「ランメルモールのルチア(1835年)」やロッシーニの「ウィリアム・テル(1829年)」もこの頃作られました。

※ドニゼッティはベッリーニの4歳年上、ロッシーニはベッリーニの8歳ほど年上です。

ここでは「A te, o cara」の対訳・和訳を紹介したいと思います。
それぞれの単語の意味も掲載していますので参考にしてください。
不自然な場合もありますが、歌詞と日本語訳は可能な範囲で行が対応するように訳しています。

専門家の日本語訳ではありませんので、参考程度にご覧ください。

「A te, o cara」の名演

ファン・ディエゴ・フローレス(Juan Diego Flórez、1973年1月13日 - )
ペルーのテノール歌手

「A te, o cara」の歌詞1

ARTURO
A te, o cara, amor talora mi guidò furtivo e in pianto;
Or mi guida a te d'accanto tra la gioia e l'esultar.

「A te, o cara」の対訳1

アルトゥーロ
君のために、ああ愛する君のために、愛は 時折 私を密かに導いて 涙を流させました。
今 愛は 歓喜と狂喜の中で、私を あなたの側に 導きます。

単語の意味

o/おお・ああ
caro/愛する人・親しい人
amore/愛
talora/時々・時折
guidare/案内する・導く
furtivo/ひそかな・人目を忍んだ
pianto/涙
or/今
accanto/そぐ側に・近くに
tra/間に・中に・中で
gioia/喜び・歓喜
esultare/狂喜する・歓喜する

「A te, o cara」の歌詞2

ELVIRA:O contento!
ARTURO:Ah, mio bene!
ELVIRA:Ah! mio Arturo! Or son tua!
ARTURO:Ah, Elvira mia, sì, mia tu sei!

「A te, o cara」の対訳2

エルヴィーラ:ああ 喜び(愛する人)よ!
アルトゥーロ:ああ 私の最愛の人
エルヴィーラ:ああ 私のアルトゥーロ さあ あなたは私のもの!
アルトゥーロ:ああ 私のエルヴィーラ そう あなたは私のもの!

単語の意味

contento/喜び・満足
bene/愛・最愛の人・良いこと・善
mio/私の・私のもの
sei(=be動詞)
tu/あなたは

「A te, o cara」の歌詞3

ARTURO
Al brillar di sì bell'ora,
Se rammento il mio tormento
Si raddoppia il mio contento,
M'è più caro il palpitar d'amor.

「A te, o cara」の対訳3

このように美しく光輝くときに
私の悲しみが思い出されても
私の喜びは倍増し、
愛のときめきは より愛しくなる

単語の意味

brillare/輝く・光り輝く
sì/このように
ora/時間
se/もし~ならば
rammentare/覚えている・思い出させる
tormento/悲しみ
raddoppiare/倍増する・増す
più/もっと多く
palpitare/心臓がどきどきする・震える・わくわくする

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