『シルヴィアに(An Silvia)』は、オーストリアの作曲家フランツ・シューベルト(Franz Schubert/1797年-1828年)によって1826年に書かれました。

歌詞はシェイクスピアの戯曲『ヴェローナの二人の紳士』の劇中歌からとられたものです。
英語の原詩をバウエルンフェルトがドイツ語に訳したものが使われています。

 シルヴィアは、ヴァレンタイン(二人の紳士の内の一人)の恋人です。
この曲ではプローテュース(もう一人の紳士)がヴァレンタインとの友情を捨て、シルヴィアに恋を歌っています。
ちなみに戯曲の最後では、シルヴィアとヴァレンタインの結婚が認められます。

ここでは『シルヴィアに(An Silvia)』の歌詞と対訳を紹介したいと思います。
それぞれの単語の意味も掲載していますので参考にしてください。
不自然な場合もありますが、歌詞と日本語訳は可能な範囲で行が対応するように訳しています。

専門家の日本語訳ではありませんので、参考程度にご覧ください。

『シルヴィアに(An Silvia)』の名演

フリッツ・ヴンダーリヒ(Fritz Wunderlich/1930年-1966年)
35歳の若さでこの世を去った、ドイツの伝説的名テノール歌手

『シルヴィアに(An Silvia)』の歌詞1

Was ist Silvia, saget an,
daß sie die weite Flur preist?
Schön und zart seh ich sie nahn;
auf Himmelsgunst und Spur weist,
daß ihr alles untertan.

『シルヴィアに(An Silvia)』の日本語訳1

シルヴィアって何なの、教えてよ、
そこら中の人(広い野原)が褒めてるよね
僕は美しくてきゃしゃな彼女が近づいてくるのが見える
それは天の恵みの跡があり
すべては彼女に支配されている

単語の意味

ドイツ語意味
was
daßということ
weit広い
Flur野原
preisen賞賛する、称える
schön美しい
zartきゃしゃな
sehen見る、見える
nahen近づく
Himmel空、天
Gunst恩恵、好意
Spur足跡、形跡
weisen示す
alleすべて
untertan支配されている、服従している

『シルヴィアに(An Silvia)』の歌詞2

Ist sie Schön und gut dazu?
Reiz labt wie milde Kindheit;
ihrem Aug eilt Amor zu,
dort heilt er seine Blindheit,
und verweilt in Süßer Ruh'.

『シルヴィアに(An Silvia)』の日本語訳2

それに加えて 彼女は美しいだけでなく性格もいいの?
穏やかな子供の頃のように その魅力はさわやかにしてくれる
アモール(恋愛の神)が彼女の瞳にすっと来て
そこで盲目を治し
甘い安らぎの中にとどまる

単語の意味

ドイツ語意味
schön美しい
gut良い、誠実な
dazuそれに加えて
Reiz刺激、魅力
labenさわやかな気分になる
mild穏やかな
Kindheit幼年時代、子供のころ
Auge目、瞳
Amorアモール(恋愛の神)
dortそこで
heilen治す
Blindheit盲目
verweilenとどまる
süß甘い、心地よい
Ruhe静けさ、休息、安らぎ

『シルヴィアに(An Silvia)』の歌詞3

Darum Silvia tön, o Sang,
der holden Silvia Ehren;
jeden Reiz besiegt sie lang,
den Erde kann gewähren:
Kränze ihr und saitenklang!

『シルヴィアに(An Silvia)』の日本語訳3

だからシルヴィアに響け、ああ歌声よ
かわいいシルヴィアの敬意のために
彼女はどんな魅力にも勝る
世界が与えうる(魅力に)
彼女に花冠を、そして弦の音色を響かせよう!

単語の意味

ドイツ語意味
darumだから、それゆえ
tönen響く
holdかわいらしい、優美な
Ehren名誉、敬意
jederどの~も(every)
Reiz刺激、魅力
besiegen打ち負かす
Erde地球、世界
gewähren与える、認める
Kranz花冠、花輪
Saite
Klang音、響き

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