項目 | データ |
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作曲年 | 1592-1593年 |
作曲者 | ウィリアム・バード |
ウィリアム・バード(William Byrd, 1543年–1623年)の『Mass for Four Voices』は、1592年から1593年に作曲されたとされています。
エリザベス1世の時代に作曲された作品で、イギリスのルネサンス音楽の代表的なものの一つです。
「Kyrie」「Gloria」「Credo」「Sanctus/Benedictus」「Agnus Dei」の5部に分かれており、4部合唱で歌われます。
『Mass for Four Voices』の演奏
[00:00]第1曲:Kyrie[01:55]第2曲:Gloria
[07:52]第3曲:Credo
[15:50]第4曲:Sanctus/Benedictus
[19:44]第5曲:Agnus Dei
ウィリアム・バード(William Byrd)とは?
ウィリアム・バードは、ルネサンス時代に活躍したイギリスの作曲家です。
父は王室礼拝堂の音楽家で、音楽の溢れた家庭で育ちました。
バードも王室礼拝堂オルガニストとなり、エリザベス1世から保護を受けました。
しかし時代の流れが変わります。
イギリス国教会とカトリック教会が対立し、カトリック教徒への弾圧が強くなったのです。
カトリック教徒であったバードは、1570年代にロンドンを離れハーリントンに移住します。
そして晩年はカトリック教徒のジョン・ピーター卿の保護を受け、イングランド東部のエセックスで過ごしました。
カトリック教徒のバードは、ラテン語ミサ曲やモテットの優れた作品を多く遺しました。
『Mass for Four Voices』も、まさにカトリック教徒バードが書いた宗教音楽です。
カトリックのミサ曲は"ひっそり"と歌われた
1558年にメアリー1世が亡くなってから、カトリック教徒の立場は徐々に悪くなっていきます。
そんな中、カトリックのミサ曲は"非合法"のもとで、ひっそりと歌われました。
スパイや密告者もいたため、相当な覚悟をもって歌われたそうです。
これは、「Agnus Dei」で歌われる歌詞です。
この"nobis"は迫害を受けたカトリックのコミュニティーを指しているとも言われています。
「Dona nobis pacem」は「われらに平和を与えたまえ」「平和をわれらに」などと訳されることが多いです。
忘れ去られていたバードの『Mass for Four Voices』
当時の時代背景も重なり、バードの『Mass for Four Voices』は長い間忘れ去られていました。
しかしロンドンで1890年に演奏されて以来、取り上げられる機会が徐々に増えてきました。
カトリックが弾圧された時代には秘密裏に歌われたこの『Mass for Four Voices』は、現代では今では一般的に大聖堂で聴くことができる音楽となりました。
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