作品交響曲第25番
作曲家モーツァルト
作曲年1773年10月5日(ザルツブルク)
演奏時間20~25分程度

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart/1756年~1791年)の「交響曲第25番」は、1773年に作曲されました。

モーツァルトは交響曲を50曲ほど作曲しましたが、そのうちのほとんどが長調の曲です。
短調の曲は2曲しかなく、その一つがこの25番です。(もう一つは40番)
数少ない短調の曲だとあって、モーツァルトの他の曲とは違った雰囲気を出しています。

また25番は映画「アマデウス」の冒頭のシーンで使われたことで有名です。
ここではモーツァルトの「交響曲第25番」の解説と名盤を紹介したいと思います。

モーツァルト「交響曲第25番」の演奏

[00:07]第1楽章:Allegro con brio
[07:34]第2楽章:Andante
[11:40]第3楽章:Menuetto & Trio
[15:15]第4楽章:Allegro

交響曲第25番の解説

交響曲第25番はモーツァルトが17歳の時(1773年)の作品です。
17歳で既に25番ですので、その早熟ぶりは類をみません。

モーツァルトは父レオポルトと共に3回目のイタリア旅行にいき、1773年にザルツブルクへ戻ってきます。
そして、そこから1ヶ月半の間になんと4曲もの交響曲を作曲しています。
これらの4曲はイタリアの影響を受けた音楽となっています。
その後、2か月間ウィーンに滞在し、滞在後には半年ほどで3曲の交響曲を作曲しています。
これらの3曲はオーストリアの影響を当然受けています。

恐ろしいほどの作曲のスピードですが、いずれも傑作として残されています。
またこの短期間に、交響曲の性格をイタリア的からウィーン的に変化させます。
まさに「天才モーツァルト」だから成しえた事かもしれません。

交響曲第25番は、そのウィーン滞在後に書かれた作品です。

25番はハイドンの影響?

モーツァルトの交響曲第25番は、ハイドンの交響曲第39番をヒントとしているのではないかとも言われています。
ハイドンの交響曲第39番が1768~69年頃に作曲されて、その数年後の作品ですのであり得ない話ではありません。

その理由としてまず最初に挙げられるのは、どちらも「ト短調」だということです。
モーツァルトの作品の中では、初めての短調の交響曲でした。
また、どちらの曲もこの時代では珍しくホルンを4本使用しています
そのためどちらもホルンが効果的に奏でられています。

ハイドンのアイディアを借りたかどうかは定かではありませんが、モーツァルトの中では異彩を放った特別な作品であることは間違いありません。

また、この当時ドイツを中心に「Sturm und Drang(疾風怒涛)」という革新的な文学運動が起こっていました。
交響曲第25番はこの影響があるのではとも言われています。

交響曲第25番の名盤

名盤として名高かったこのCDが、価格がさらに安くなって発売されました。
バーンスタインとウィーン・フィルによる名演で、録音状態も良好です。
落ち着いたテンポでモーツァルトの世界にどっぷりと浸れます。

スタジオ録音ではなくライヴ録音なので、演奏も活き活きと感じられます。

この演奏でこの価格です。
まさに「買い」の1枚と言えると思います。

レナード・バーンスタイン (Leonard Bernstein/1918年8月25日-1990年10月14日)
ユダヤ系アメリカ人の作曲家、指揮者、ピアニスト
1958年:アメリカ生まれの指揮者として初めてニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団の音楽監督に就任
ニューヨーク・フィルの音楽監督辞任(1969年)後は、特定のポストには就かず、ウィーン・フィル、イスラエル・フィル、バイエルン放送交響楽団、ロンドン交響楽団、フランス国立管弦楽団などに客演

その他の録音

イシュトヴァン・ケルテス&ウィーン・フィル

msymphony25
1972年11月にウィーンで録音されたもので、モーツァルトの交響曲第25番、第29番、第35番が収録されています。

イシュトヴァン・ケルテス(Istvan Kertesz/1929年8月28日-1973年4月16日)
ハンガリー生まれの指揮者
1955年にブダペスト国立歌劇場の指揮者に就任。
亡命後は、1965年から1968年までロンドン交響楽団の首席指揮者を務めた。
1973年イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団に客演した際に海岸で遊泳中に高波にさらわれ、43歳の若さで亡くなる。

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