作品名 | 組曲「惑星」 |
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作曲者 | グスターヴ・ホルスト |
作曲年 | 1914年-1916年 |
初演 | 1918年の9月29日ロンドン、クイーンズ・ホール(非公式)、1920年10月10日バーミンガム(公式) |
演奏時間 | 50分程度 |
グスターヴ・ホルスト(Gustav Holst/1874年-1934年)の組曲「惑星」は1914年から1916年に作曲された管弦楽曲で、彼の代表作でもあります。
「ホルストの名前は知らないけれども、惑星は知っている」と言う方も多いのではないでしょうか。
特に木星(ジュピター)は平原綾香の影響もあり、日本で知らない人はほとんどいないと思います。
「惑星」の特徴としては、木星でわかるように楽章ごとに様々な惑星の名前が付けられています。
またその壮大さや特殊な楽器が使われることから、組曲全体が演奏されることは少ないのが現状です。
莫大なコストがかかるため、全曲演奏が難しいと言われています。
ここでは、そんな組曲「惑星」の解説と名盤を紹介したいと思います。
ホルストの組曲「惑星」の演奏
[00:00]:火星、戦争をもたらす者(Mars)[07:27]:金星、平和をもたらす者(Venus)
[14:52]:水星、翼のある使者(Mercury)
[18:39]:木星、快楽をもたらす者(Jupiter)
[26:11]:土星、老いをもたらす者(Saturn)
[35:26]:天王星、魔術師(Uranus)
[41:12]:海王星、神秘主義者(Neptune)
初演後、しばらく忘れられていた作品
「惑星」は1914年から1916年に作曲され1920年に初演されました。
斬新な音楽で初演は大成功を収めましたが、ホルスト自身は「惑星」をそれほど評価していなかったと言われています。
「惑星」はホルストの自信作ではなかったわけですね。
初演で大成功を収めた「惑星」ですが、しばらく忘れ去られた存在となってしまいます。
そしてそれに再びスポットライトを当てたのは、カラヤンでした。
カラヤンが1961年頃に「惑星」の魅力にひかれ、ウィーン・フィルのコンサートで演奏したことで再び「惑星」はヒットしました。
今ではクラシックの代表曲の一つに数えられていることは言うまでもありません。
占星術を基にした組曲
この組曲の章には惑星のタイトルがそれぞれに付けられていますが、それは占星術から来ています。
占星術とは、その名の通り占いのことです。
太陽系内の太陽・月・惑星・小惑星などの天体の位置や動きなどから占いをするわけです。
この「惑星」の章のタイトルで地球が含まれていないのは、地球を起点とした占いであるためです。
「惑星」というタイトルからは壮大な天文学のようなイメージですが、そうではなく「運や占い」をイメージした作品なのです。
ホルストは、「惑星」を作曲するにあたり占星術や惑星、ローマ神話について研究をしたそうです。
私たちが音楽を聴く際にも、占星術やローマ神話の知識があればまた違った聴き方ができるかもしれません。
惑星は7曲から成る組曲です。
ここでは曲順で、それぞれの星の神について簡単に触れておこうと思います。
ホルストはローマ神話を参考に作曲しましたが、それに縛られたわけではありませんでした。
「惑星」を聴くときには、参考程度にローマ神話をイメージする程度で良いかと思います。
火星、戦争をもたらす者
神・・・マールス
マールスは、ローマ神話における戦と農耕の神で、勇敢な戦士、青年の理想像として慕われている。
金星、平和をもたらす者
神・・・ウェヌス
ウェヌス(ヴィーナス)はローマ神話の愛と美の女神で、「愛」「女性」「金星」の象徴として用いられる。
水星、翼のある使者
神・・・メルクリウス
メルクリウス(マーキュリー)は商人や旅人の守護神である。
木星、快楽をもたらす者
神・・・ユーピテル
ユーピテル(ジュピター)はローマ神話の主神であり、最高位の女神であるユーノーの夫でもあります。
ときには女性化・女体化して女神となることもあります。
後にギリシア神話のゼウスと同一視される存在でもあります。
土星、老いをもたらす者
神・・・サートゥルヌス
サートゥルヌス(サターン)は、ローマ神話に登場する農耕神です。
天王星、魔術師
神・・・ウーラノス
ウーラノスは、ギリシア神話に登場する天空神です。
全宇宙を最初に統一した王とされ、とても大きな体で宇宙を身に纏っています。
ウーラノスはギリシア語で 「天」 の意味で、天そのものの神格化です。
海王星、神秘主義者
神・・・ネプトゥーヌス
ネプトゥーヌス(ネプチューン)は、ローマ神話における海の神です。
後にギリシア神話のポセイドーンと同一視されます。
組曲「惑星」の名盤
名指揮者メータの出世作でもあり、レコード・アカデミー大賞も受賞したCDです。
「惑星」と同時に、スターウォーズの音楽が収録されています。
クラシック入門用としてもオススメできる1枚です。
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