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リストのラ・カンパネッラは、ニコロ・パガニーニのヴァイオリン協奏曲第2番第3楽章のロンド「ラ・カンパネッラ」の主題を編曲して書かれたピアノ曲です。
ヴァイオリンの曲を、リストがピアノ用にアレンジした曲ということですね。
ラ・カンパネッラはイタリア語で鐘という意味をあらわします。
リスト「パガニーニによる大練習曲」第3番(ラ・カンパネッラ)の演奏
エフゲニー・キーシン(Evgeny Kissin, 1971年 - )
モスクワ生まれのピアニスト
無料楽譜
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「ラ・カンパネッラ」は22ページ目(楽譜表記の第130ページ)からです。
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超絶技巧のヴァイオリニスト・パガニーニ
パガニーニ(1782年-1840年)はイタリアのヴァイオリニストで、その超絶技巧は特に有名でした。
ヴァイオリンの演奏が素晴らしすぎるあまり、「パガニーニの演奏技術は、悪魔に魂を売り渡した代償として手に入れたものだ」「パガニーニは悪魔にヴァイオリンを習ったらしい」と言われるほどでした。
パガニーニはリストだけでなくシューマン、ブラームス、ラフマニノフなどの作曲家にも影響を与えました。
リストは失恋をした20歳の時に「僕はピアノのパガニーニになる」と決意しピアノのテクニックを磨いたとも言われています。
そしてパガニーニがヴァイオリンで演奏した超絶技巧のテクニックを、ピアノ独自の表現で編曲したのが「パガニーニによる大練習曲」というわけですね。
リストが「ラ・カンパネッラ」を扱った作品は4曲ありますが、その中でも「パガニーニによる大練習曲」第3番は、リストの名作の中でも最もよく知られている作品の一つです。
「パガニーニによる大練習曲」は6曲から成りますが、「ラ・カンパネッラ」はその人気から抜粋で演奏されることが多くあります。
超絶技巧練習曲の改訂版
「パガニーニによる大練習曲」第3番は、1851年に作曲されましたが、これは1838年に作曲された「パガニーニによる超絶技巧練習曲」を改訂したものでした。
リストのピアノ曲は難曲が多いですが、「パガニーニによる超絶技巧練習曲」はその中でも演奏が最も難しい作品として知られています。
名ピアニストであるウラディミール・ホロヴィッツも「演奏は不可能である」と言うほどでした。
リスト以外では弾きこなせないとも言われ、録音を行っているピアニストは長いクラシックの歴史でも片手で数えられるほどしかいません。
その難易度に比べると改訂版の「パガニーニによる大練習曲」第3番は演奏できる難易度に収まっています。
鐘(ラ・カンパネッラ)の音色がピアノの高音で強調されているのも特徴です。
また改訂版は演奏難易度は落とされていますが、音楽的には初版のものより完成度が高いと一般的に評価されています。
「パガニーニによる大練習曲」第3番(ラ・カンパネッラ)の名盤
オススメの1枚は壮絶な人生を歩んできた、フジ子・ヘミングの「奇蹟のカンパネッラ」です。
超絶技巧だけに頼らず、ゆったりと心の奥底まで響くピアノの音色を堪能してみてはいかがでしょうか。
押し付けられることのない、自然に耳に入ってくる演奏が印象的です。
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