項目 | データ |
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作曲年 | 1799年-1801年 |
非公開初演 | 1801年4月24日 シュヴァルツェンベルク侯爵邸(ウィーン) |
公開初演 | 1801年5月29日 レドゥテンザール(ウィーン) |
出版年 | 1802年 |
演奏時間 | 約135分 |
フランツ・ヨーゼフ・ハイドン(Franz Joseph Haydn/1732年-1809年)の『四季(Die Jahreszeiten)』は、1801年に作曲が完成したオラトリオです。
ハイドンの晩年の傑作で、『天地創造』と並んで彼を代表するオラトリオです。
『天地創造』が宗教的な作品である一方で、『四季』は世俗的な作品になっています。
ここではハイドン『四季』の解説と名盤を紹介したいと思います。
ハイドン『四季』の演奏
ソプラノ:Gundula Janowitz
テノール:Werner Hollweg
バス:Walter Berry
合唱:ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団
オーケストラ:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 (Berliner Philharmoniker)
指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン(Herbert von Karajan/1908年4月5日-1989年7月16日)
簡単な内容
0:00 | 第1部 春 |
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春の訪れを喜ぶ。 | |
天からの雨を祝い、恵みに感謝する。 |
35:19 | 第2部 夏 |
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夏が訪れ、太陽の輝きを賛美する。 | |
農夫や大地が日照りに苦しむ。 | |
嵐が訪れ、神に助けを祈る。 | |
嵐が静まり、皆は心地よい眠りにつく。 |
1:19:14 | 第3部 秋 |
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秋の豊作を祝い、勤労を称える。 | |
愛が語られ、生きる喜び・幸せが歌われる。 | |
狩人達が狩りを行い、勝どきを上げる。 | |
酒が振舞われ、祝祭となる。 |
1:57:34 | 第4部 冬 |
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太陽は弱り、長い夜が訪れる。 | |
朝が訪れ、神を賛美する |
侯爵家の職を辞したハイドン
1790年にエステルハージ家のニコラウス侯爵が亡くなると、ハイドンは29年間勤めた侯爵家の楽長職を辞めることになります。
後継者の侯爵が音楽に興味を示さなかったためです。
ハイドンは年金暮らしとなりますが、自由を手にします。
自由になったハイドンは、1791年から1792年と1794年から1795年の二度にわたってイギリスを訪れます。
楽長職を辞めた時、ハイドンはすでに58歳でした。
イギリスでヘンデルのオラトリオと出会う
ハイドンはイギリスで驚きの光景を目にします。
それはヘンデルのオラトリオの人気ぶりでした。
当時は作品が何十年も続けて上演されることは極めて稀なことでした。
亡くなって30年以上経ったヘンデルの作品が上演されていることに、ハイドンは感銘を受けました。
そして、ヘンデルのオラトリオの音楽自体にももちろん刺激を受けました。
旅行からウィーンに戻ったハイドンはオラトリオの作曲を始めます。
そうしてできた作品が『天地創造』や『四季』でした。
『天地創造』と同じコンビで作られた
『四季』の台本は、ジェームス・トムソン(イギリスの詩人)の叙事詩『四季』がもとになっています。
この英語の詩を、ヴァン・スヴィーテン男爵がドイツ語に訳しました。
スヴィーテン男爵は、この少し前に作曲された『天地創造』(1798年完成)でも台本のドイツ語訳を担当した人物です。
彼は外交官として活躍した他にも、ウィーンの宮廷図書館長も務めました。
アマチュア音楽家としても活動した多才な人物で、後援者としても音楽家を支えました。
ハイドンと男爵の確執
『天地創造』初演の直後から作曲が開始された『四季』ですが、順調には進みませんでした。
ハイドンはスヴィーテン男爵の台本に納得がいかず対立が生まれたそうです。
また男爵もハイドンの音楽に注文を付け、ハイドンはそれに憤慨しました。
確執の生まれた二人でしたが何とか作品は完成し、1801年に無事初演を迎えました。
台本は傑作ではなかった!?
初演の反応は様々で、賛否両論だったそうです。
それは直前に書かれたオラトリオ『天地創造』を上回る期待が大きかったせいもあるかもしれません。
現在の研究では、『否』の多くの意見は台本に対してのものだったと言われています。
ハイドン『四季』の名盤
2007年に録音されたもので、アーノンクールにとって2度目の録音です。(1度目は1987年)
第1回目の録音はウィーン交響楽団によって壮大な音楽が奏でられていましたが、こちらは古楽器による違った味わいを聴かせてくれます。
80歳手前のアーノンクールらによる名演です。
キャスト等
ゲニア・キューマイヤー(ソプラノ、ハンネ)
ヴェルナー・ギューラ(テノール、ルーカス)
クリスティアン・ゲルハーヘル(バリトン、ジーモン)
アルノルト・シェーンベルク合唱団
演奏:ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス(オリジナル楽器使用)
指揮:ニコラウス・アーノンクール
場所等:グラーツ、シュテファニエンザール(2007年6月28日~7月2日)
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