オペラ作品の中で日本を舞台としたものはいくつかありますが、その中の代表的作品としては「蝶々夫人」が間違いなく挙げられるでしょう。
日本の長崎が舞台で、アメリカ人と芸者にスポットを当てた悲劇のオペラです。
プッチーニは人気のあるオペラをいくつも残しており、その中でも「蝶々夫人」は特に日本では頻繁に演奏されているオペラの一つです。
その「蝶々夫人」の中でピンカートン(テノール)が歌うアリア「Addio, fiorito asil(さらば愛の家)」は、テノールのアリアの中では決して目立つ存在ではありませんが、とても抒情的で「蝶々夫人」には欠かせないアリアです。
ここではその「Addio, fiorito asil(さらば愛の家)」を取り上げてみたいと思います。
それぞれの単語の意味も掲載していますので参考にしてください。
不自然な場合もありますが、歌詞と日本語訳は可能な範囲で行が対応するように訳しています。
専門家の日本語訳ではありませんので、参考程度にご覧ください。
Addio, fiorito asil(さらば愛の家)の歌詞1
Addio, fiorito asil di letizia e d’amor
Sempre il mite tuo sembiante
con strazio atroce vedrò
Addio, fiorito asil(さらば愛の家)の対訳1
さらば 喜びと愛の花の咲いた家よ
いつもあなたの温和な表情を
残忍な責め苦とともに目に浮かべるだろう
addio/さようなら・さらば
fiorito/花の咲いた・花で飾られた
asilo/保護所・子供のための施設・幼稚園
letizia/喜び・歓喜
e/そして
amore/愛
sempre/いつも
mite/温和な・穏健な
tuo/あなたの
sembiante/外見・姿・顔つき・表情
con(英語:with)
strazio/責め苦・責めさいなむこと
atroce/残忍な・冷酷極まる・恐ろしい
vedere/見る・見える・目に浮かべる
Addio, fiorito asil(さらば愛の家)の歌詞2
Addio, fiorito asil,
non reggo al tuo squallor.
Ah, non reggo al tuo squallor.
Fuggo, fuggo, ah, son vil!
Addio, fiorito asil(さらば愛の家)の対訳2
さらば 喜びと愛の花の咲いた家よ
私はあなたの悲しげな様子を耐えられない
ああ、私はあなたの悲しげな様子を耐えられない
私は逃げるのだ、逃げるのだ、ああ、私は卑怯だ!
reggere/支える・耐える
tuo/あなたの
squallore/悲しげな様子・みじめさ
fuggire/逃げる・逃亡する
vile/臆病な・卑怯な
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