項目データ
初演1918年12月14日 メトロポリタン歌劇場(ニューヨーク)
原作なし
台本ジョヴァッキーノ・フォルツァーノ
演奏時間50分

『修道女アンジェリカ(Suor Angelica)』は、ジャコモ・プッチーニ(Giacomo Puccini/1858年-1924年)によって作曲されたオペラです。
ラストシーンの混声合唱を除いては、すべて女性しか登場しない珍しいオペラでもあります。

このオペラは、『外套』『修道女アンジェリカ』『ジャンニ・スキッキ』を一夜で連続して上演する三部作としてニューヨークのメトロポリタン歌劇場で初演されました。
『ジャンニ・スキッキ』は大成功をおさめた一方で、『外套』と『修道女アンジェリカ』の評価は別れたそうです。

ここではプッチーニのオペラ『ジャンニ・スキッキ』のあらすじを紹介したいと思います。

主な登場人物

アンジェリカ(ソプラノ):修道女
公爵夫人(メゾソプラノ):アンジェリカの叔母。
など

『修道女アンジェリカ』の簡単なあらすじ

時間がない方のための簡単な「30秒あらすじ」

アンジェリカは結婚もせずに出産したことで、家庭から追い出されます。
そして修道院に入れられることとなります。

それから7年間、家族からの音沙汰はありませんでした。
7年後、叔母が遺産の放棄を頼みに訪れます。
そのときに「自分の子供が亡くなった」ことが知らされます。

絶望したアンジェリカは服毒自殺をはかります。
すると最後に奇跡が起こります。
修道院は光に満ち、マリアが子供を抱いて現れます。

神々しい光に包まれ、アンジェリカが息絶えてオペラは終わります。

全1幕:『修道女アンジェリカ』のあらすじ

17世紀末:春の夕暮れ時、イタリアの修道院の中庭

修道女は「欲望」を持ってはいけない

教会から「アヴェマリア」の歌が聞こえます。
アンジェリカと二人の修道女が遅刻して礼拝堂に入ってきます。
やがて休憩時間になると、皆が庭に出て会話をし始めます。

ジェノヴィエッファが「光が泉の水を黄金に染めている」のを見つけて喜びます。
そして丁度1年前の今頃に同僚が亡くなったのを思い出し、その水を彼女の墓に捧げに行きます。

続いて、話題は修道女が持つべきではない「欲望」の話となります。
修道院長が「私に欲望はない。」と言うと、修道女たちはそれに同意します。
しかし、かつて羊飼いだったジェノヴィエッファは「もう一度子羊が見たい」と言います。

アンジェリカは「私も欲望はない。」と言いますが、修道女たちは「嘘をついているわ。」と囁き合います。

 アンジェリカは修道院に入ってからの7年間、家族からの便りを待ち続けている。
彼女は貴族の生まれで、あることをきっかけに修道院に送られたきたが、真相は誰も知らない。

そこに医務係りの修道女が現れ、「キアーラが蜂に刺されて苦しんでいる。」と告げます。
アンジェリカは薬草を摘み、手当の仕方を教えてあげます。

アンジェリカに面会者が訪れる

そこに来訪者の知らせが来ます。
アンジェリカへの来訪だと知ると、彼女は動揺を隠せません。
修道院長が「アンジェリカの伯母」が来たことを告げ、二人は応接室に入ります。

アンジェリカは再会を喜びますが、伯母の表情は硬いままです。

「アンジェリカの子供が亡くなった。」

アンジェリカの両親は20年前に相次いで他界し、その遺産は伯母が管理していました。
伯母は「アンジェリカの妹が結婚することになったので、妹に全財産を譲ってくれ」と、書類にサインを求めます。

 ここでアンジェリカの過去が明らかになる。
アンジェリカは結婚もせずに出産し、その罪で家庭を追い出されていた。

一方アンジェリカは、「過ちから7年前に産んだ子供の消息」を伯母に訪ねます。
伯母が「2年前に亡くなった。」と返すと、アンジェリカは気を失いかけます。

アンジェリカが書類にサインすると、伯母は帰っていきます。
アンジェリカは悲しみに暮れ、「母もなしに、お前は死んだのね。」と歌います。(Senza mamma)

「Senza mamma」

修道女たちは彼女を励まし、マリアに祈りを捧げ、それぞれの部屋へ去っていきます。

奇跡が起き、アンジェリカは息を引き取る

やがて夜の闇が訪れる。

アンジェリカは壺を持って現れ、薬草を摘んで壺を火にかけます。(毒薬を作っている)
そして皆に別れを告げて、天国の息子を感じると、アンジェリカは自らで作った毒を飲みます。

しかし、すぐに「自殺をしてしまったという道徳的罪」を後悔し、マリアに救いを求めます。

 自殺をしてしまうと、その罪で子供のいる天国へ行けない

すると天使たちの声が聞こえて、奇跡が起きます。
修道院は光に満ち、マリアが子供を抱いて現れます。

子供はアンジェリカに歩み寄り、修道院がますます光り輝く中、アンジェリカは息を引き取ります。

『修道女アンジェリカ』の映像

2008年3月:ミラノ、スカラ座
プッチーニ三部作がスカラ座で同時上演された際のライブ映像です。
バルバラ・フリットリ(修道女アンジェリカ)が主役を務めおり、端役も充実しています。
巨大なマリア像が倒れているインパクトのある演出ではありますが、オペラの世界には違和感なく入っていけますので、初めての1枚としてもオススメです。

それ以外の『外套』『ジャンニ・スキッキ』もレオ・ヌッチ(ジャンニ・スキッキ)などのスター歌手を起用し、外れはありません。
三部作が同時上演された映像の中では、外すことのできない1枚です。

【修道女アンジェリカのキャスト】
修道女アンジェリカ:バルバラ・フリットリ
公爵夫人:マリヤーナ・リポヴシェク
修道院長:チンツィア・デ・モーラ
修女長:アニタ・ラヴェーリ
修道女ジェノヴェッファ:フランチェスカ・サッス
修道女オズミーナ:フランチェスカ・ガルビ
修道女ドルチーナ:カルラ・ディ・チェンソ
修練長:アレッサンドラ・パロンバ
看護修女:ディオニジア・ディ・ヴィーコ
など
指揮:リッカルド・シャイー
演出:ルカ・ロンコーニ

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