項目データ
初演1890年5月17日 コスタンツィ劇場(ローマ)
原作ジョヴァンニ・ヴェルガの同名の小節
台本ジョヴァンニ・タルジョーニ=トッツェッティ、グィド・メナッシ
演奏時間1時間20分

『カヴァレリア・ルスティカーナ(Cavalleria Rusticana)』は、ピエトロ・マスカーニ(Pietro Mascagni/1863年-1945年)によって作曲されたオペラです。
彼の代表作であると同時に、ヴェリズモオペラを代表する作品でもあります。
このオペラの間に挟まれる間奏曲は特に有名で、コンサートで単独で演奏されることもしばしばあります。

またこのオペラは1幕物のオペラ・コンクールで優勝した作品で、当時25歳のマスカーニを一躍有名にしました。
コンクールの賞金はマスカーニの当時の年収を超えるものだったとも言われています。

ここでは、マスカーニのオペラ『カヴァレリア・ルスティカーナ』のあらすじを紹介したいと思います。

主な登場人物

登場人物詳細
トゥリッドゥ(テノール)
サントゥッツァ(Sp or Ms)トゥリッドゥの恋人
ルチア(アルト)トゥリッドゥの母親
アルフィオ(バリトン)
ローラ(メゾソプラノ)アルフィオの妻。トゥリッドゥの元恋人

『カヴァレリア・ルスティカーナ』の簡単なあらすじ

時間のない方のための簡単な「30秒あらすじ」

トゥリッドゥは、アルフィオの妻ローラと浮気をしています。
トゥリッドゥとローラは、かつて恋人関係でしたが、よりを戻したのです。

アルフィオは妻の浮気を知り激怒します。
トゥリッドゥとアルフィオは決闘をすることになり、アルフィオがトゥリッドゥを殺します。
悲しみの中で、オペラは終わります。

全1幕:『カヴァレリア・ルスティカーナ』のあらすじ

トゥリッドゥが「元恋人ローラへの想い」を歌う

シチリアの村の広場

まだ幕が下りた状態で、トゥリッドゥが「かつての恋人ローラへの想い」を歌っています。(O Lola ch'ai di latti la cammisa)

「O Lola ch'ai di latti la cammisa 」

夜が明け、幕が上がります。
村人が登場し、春の自然の美しさを歌い去っていきます。

トゥリッドゥの"怪しい動向"が語られる

サントゥッツァとルチアの場面

村娘サントゥッツァが登場し、「トゥリッドゥはどこにいるの?」とルチアに尋ねます。
ルチアは「フランコフォンテまでワインを仕入れに行った。」と適当に答えます。

 サントゥッツァ:トゥリッドゥの恋人
ルチア:トゥリッドゥの母親

しかしサントゥッツァが「真夜中に、ここの村人がトゥリッドゥを見ている。」と言うと、ルチアは驚きます。

ルチアは「私の息子のことを何か知っているのか」と尋ねます。

アルフィオの登場

そこに馬車屋アルフィオが元気よく登場します。(Il cavallo scalpita)
アルフィオがルチアにワインを注文すると、ルチアは「息子が今仕入れに行っている。」と答えます。

 アルフィオ:ローラ(トゥリッドゥの元恋人)の夫

後に「トゥリッドゥが、ローラと浮気をしている」ことが露見します。

しかしアルフィオは「今朝、自分の家の近くでトゥリッドゥを見た。」と言います。
ルチアが何か答えようとするが、サントゥッツァがそれを制止します。

その時教会から祈りの歌が聴こえてきて、アルフィオは教会へ去っていきます。

トゥリッドゥは、元恋人ローラとよりを戻していた

再びサントゥッツァとルチアの場面
舞台はサントゥッツァとルチアの二人だけとなります。

サントゥッツァはルチアに、
「トゥリッドゥのかつての恋人ローラは、彼が戦争の間にアルフィオの花嫁となった。」
「しかし戦争から戻ると、彼らはよりを戻した。」
「私は捨てられてしまったのよ!」
と嘆きます。(Voi lo sapete, o mamma)

「Voi lo sapete, o mamma」

ルチアは、「サントゥッツァを助けて下さい。」と教会へ祈りに行きます。

トゥリッドゥは"現恋人"サントゥッツァを相手にしない

サントゥッツァとトゥリッドゥ

一人になったサントゥッツァの前に、トゥリッドゥが現れます。
サントゥッツァがローラとの関係を問い詰めるが、トゥリッドゥは逆上し取り合おうとしません。

そこにローラが現れます。
サントゥッツァとローラが皮肉を言い合った後に、ローラは教会へと去っていきます。
サントゥッツァはトゥリッドゥに「ここにいて」と泣いて頼むが、彼は反対に怒り教会に消えていきます。

サントゥッツァはトゥリッドゥに呪いの言葉を浴びせ脅迫します。

アルフィオが妻ローラの浮気を知り、激高する

サントゥッツァとアルフィオ

そこにアルフィオが現れます。
サントゥッツァはアルフィオに、ローラとトゥリッドゥの関係を明かし、「あなたの妻は、私からトゥリッドゥを奪った。」と言います。

アルフィオは復讐心に燃え去っていきます。

ここで有名な「間奏曲」が入る

「intermezzo」

間奏曲が終わると皆が教会から出てきて、ルチアの居酒屋へ来ます。
そこでトゥリッドゥとローラも酒を飲んでいます。

トゥリッドゥとアルフィオが"決闘の約束"を交わす

そこにアルフィオが登場します。
トゥリッドゥはアルフィオに酒を勧めますが、アルフィオはそれを拒否します。
やがて二人は険悪になり、決闘の約束を交わします。

アルフィオは「畑の裏で待っている。」と言い去っていきます。

トゥリッドゥ母親と最後の言葉を交わし、決闘へ向かう

ルチアとトゥリッドゥ

トゥリッドゥが母ルチアに「僕が帰らなかったら、お母さんがサンタの母親になってくれ」と歌います。
そして母親を抱いて、決闘の場へ去っていきます。(Quel vino è generoso)

「Quel vino è generoso」

トゥリッドゥが殺され、絶望の中で終幕する

ルチアとサントゥッツァ

絶望したルチアのもとに、サントゥッツァが現れます。

遠くから悲鳴が聞こえ、女性たちが「トゥリッドゥが殺された」と走ってきます。
皆が悲しみの叫びをあげる中で、幕は閉じます。

マスカーニ『カヴァレリア・ルスティカーナ』の映像

日本語字幕付き、かつお手頃な値段で、『道化師』『カヴァレリア・ルスティカーナ』の二本立てが楽しめます。
2009年チューリッヒ歌劇場でのライブ映像です。

トゥリッドゥ役のホセ・クーラの情熱的な歌唱が、役にピッタリとはまっています。
ホセ・クーラは、『道化師』ではカニオを演じています。

高音質・高画質でオペラが楽しめますので、映像の質を気にされる方にもおすすめです。

【キャスト等】
『カヴァレリア・ルスティカーナ』
トゥリッドゥ:ホセ・クーラ
サントゥッツァ:パオレッタ・マオシュ
アルフィオ:シャイン・デイヴィッドソン
ルチア:イレーネ・フリードリ
ローラ:リリアーナ・ニキテアヌ

『道化師』
カニオ:ホセ・クーラ
トニオ:カルロ・グエルフィ
ネッダ:フロレンツァ・チェドリンス
ペッペ:ボイコ・ズヴェタノフ
シルヴィオ:ガブリエル・ベルムデス

チューリッヒ歌劇場管弦楽団&合唱団
指揮:ステファノ・ランツァーニ
演出:グリシャ・アサガロフ

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