Invano !(虚しく!)はフランチェスコ・パオロ・トスティ(Francesco Paolo Tosti, 1846年~1916年)によって作曲されました。
詩はロッコ・E・パッリアーラ(Rocco E. Pagliara, 1855年~1914年)によるものです。
トスティはイタリアの作曲家で、主に歌曲を多く作曲しました。
イタリア語はもちろん、英語、フランス語の詩も取り上げ、歌曲の芸術的評価を高めました。
トスティの歌曲の美しい旋律と繊細な和音はたくさんの人に愛されているのではないでしょうか。
ここでは、トスティ作曲の「Invano !(虚しく!)」の対訳や解説を紹介したいと思います。
それぞれの単語の意味も掲載していますので参考にしてください。
不自然な場合もありますが、歌詞と日本語訳は可能な範囲で行が対応するように訳しています。
専門家の日本語訳ではありませんので、参考程度にご覧ください。
「Invano !(虚しく!)」の歌詞1
La serenata ch'io ti cantava
era una lenta nenia d'amor;
nei tristi accordi,io ti narrava
tutto lo spasimo del mio dolor!
「Invano !(虚しく!)」の対訳1
私が歌ったセレナータは
ゆっくりとした愛の悲歌だった。
悲しみの和音の中で、私は君に語った
私の痛みのもだえの全てを!
単語の意味
serenata/セレナータ(男が夜、窓の下で恋人を称えて歌い、演奏する曲)
cantare/ 歌う
era=essere/(英:be動詞)
lento/ゆっくりとした
nenia/悲歌
amore/愛
triste/悲しい
accordo/和音
narrare/話す、語る
tutto/全て
spasimo/苦痛、もだえ
dolore/苦痛、痛み
「Invano !(虚しく!)」の歌詞2
Ma invan,tremando,la mia canzone
come un lamento saliva al ciel;
tra' verdi rami del tuo balcone,
tu sorridevi,bella e crudel!
「Invano !(虚しく!)」の対訳2
しかし無駄だった、震えながら、私の歌は
うめき声のように天に昇ってしまった。
君のバルコニーの緑色をした枝の間から
君は微笑んだ、美しくそして 残酷に。
単語の意味
ma/しかし
invano/無駄
tremare/震える
canzone/歌
come/~のような
lamento/うめき声
salire/上がる、昇る
cielo/空、天
verde/緑の
ramo/枝
balcone/バルコニー
sorridere/微笑む
bello/美しい
crudele/残酷な
「Invano !(虚しく!)」の歌詞3
Or la romanza che ti ripeto
con altri accenti vola dal cor;
vibra nel ritmo fremente e lieto
una gioconda storia d'amor!
「Invano !(虚しく!)」の対訳3
今 君に繰り返すロマンスは
他の口調と共に心から飛んで行く。
ぶるぶる震える、幸せなリズムにのってこだまする
愉快な愛の物語が!
単語の意味
or/今
romanza/ロマンス(感傷的な声楽曲)
ripetere/繰り返す
altro/他の
accento/口調
volare/飛ぶ
core/心
vibrare/反響する
ritmo/リズム
fremente/ぶるぶる震える
lieto/楽しい、幸せな
giocondo/愉快な
storia/物語
「Invano !(虚しく!)」の歌詞4
Ma invano echeggia la mia canzone
nel novo metro gaia e fedel:
tra i vizzi rami del tuo balcone
tu non sorridi,bella e crudel!
「Invano !(虚しく!)」の対訳4
しかし 私の歌は虚しくこだまする
陽気で忠実な新しい詩を用いた(私の歌は)。
君のバルコニーの萎れた枝の間から
君は微笑んでいる、美しくそして 残酷に。
単語の意味
invano/虚しく
echeggiare/こだまする
novo/新しい
metro/詩
gaio/陽気な
fedele/忠実な
vizzo/萎れた
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