項目データ
作曲1840年
初演1840年6月25日 聖トーマス教会
改訂版初演1840年12月3日 ゲヴァントハウス
演奏時間60分(改訂版:70分)

フェリックス・メンデルスゾーン(Felix Mendelssohn/1809年-1847年)の交響曲第2番『讃歌』は1840年に作曲されました。
第2番ではありますが、この順番は出版順でつけられたものです。
交響曲第2番は、メンデルスゾーンの全交響曲5曲のうちの4番目の作品です。

 『讃歌(Lobgesang)』という題は、メンデルスゾーンが自ら付けたものです。

ここではメンデルスゾーン『讃歌』の解説と名盤の紹介をしたいと思います。

メンデルスゾーン『讃歌』の演奏

第1部:第1曲 シンフォニア(Sinfonia)
[00:00]第1楽章:Maestoso con moto - Allegro)
[11:21]第2楽章:Allegretto un poco agitato)
[16:25]第3楽章:Adagio religioso

第2部
[22:05]第2曲 Alles, was Odem hat, lobe den Herrn!

記念祝典のために作曲された

交響曲第2番『讃歌』はヨハネス・グーテンベルクの印刷技術完成400周年記念祝典のために、ライプツィヒ市から依頼で作曲されました。
歌詞は、ルターがドイツ語に訳した旧約聖書が用いられています。

ちなみに祝典では、『讃歌』の他に『祝典歌(グーテンベルク・カンタータ)』も演奏されました。
しかし『祝典歌』の方は余り知られてらず、出版もされていません。

 グーテンベルクは活版印刷技術の発明者として知られています。
1439年頃にヨーロッパで初めて活字印刷をおこなったと言われており、『讃歌』が演奏されたのはその400年後のことです。
印刷技術は「ルネサンス三大発明」(他は羅針盤、火薬)とされています。

ライプツィヒ時代の作品

メンデルスゾーンは1835年から晩年までライプツィヒを拠点として活動しました。
そしてライプツィヒの音楽水準を高めたことでも広く知られています。
また1843年にはライプツィヒ音楽院を設立し、教育面でも多大な功績を残しました。

『讃歌』は、そんなメンデルスゾーンがライプツィヒに来てから5年後の作品です。

後半から声楽が加わる

『讃歌』は全10曲からなり、前半部と後半部に分けられます。

第1曲はオーケストラのみで演奏され、3楽章で構成されています。(25分程度)
そして第2曲以降からソリストと合唱が加わってきます。

この構成を見るとベートーヴェンの『第九』を思い出す方も多いと思います。
『讃歌』は、『第九』の16年後に作られました。

 メンデルスゾーンのその他の交響曲は25~40分程度の作品で、『讃歌』は2倍近く長い大曲となっています。

第2曲の声楽部分は「Alles, was Odem hat, lobe den Herrn!」ではじまり、最後(第10曲)も同じ歌詞で終曲します。
日本語で「息をするすべてのものは、主を称えよ」という意味で、この歌詞が重要な場面で高らかに歌い上げられます。

歌詞からもわかる通り、交響曲第2番『讃歌』は「主(神)への讃美」を壮大に奏でています。

メンデルスゾーン『讃歌』の名盤

2017年ライブ録音
『讃歌』の録音としてはカラヤン&ベルリンフィル、アバド&ロンドン交響楽団などが有名ですが、こちらの録音もオススメです。
管弦楽と声楽のバランスが良く、それぞれがクリアに聞こえるため、とても聴きやすいです。
一般的な名盤より演奏テンポが速めで、引き締まった演奏が楽しめます。

有名オケではありませんが美しい演奏で、合唱の水準も高いです。

 『讃歌』は改訂版が演奏されることが多く、こちらの録音も改訂版です。

2017年6月15,16日
NDRハノーファー、放送局スタジオ大ホール ライブ録音

ソプラノ:アンナ・ルチア・リヒター(ソプラノ)
ソプラノ:エスター・ディールケス(ソプラノ)
テノール:ロビン・トリッシュラー(テノール)
合唱:北ドイツ放送合唱団、ケルン放送合唱団
ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団
指揮:アンドルー・マンゼ

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