「M'apparì tutt'amor」はオペラ「マルタ」の中で、ライオネル(テノール)によって歌われます。
「マルタ」は正式には「マルタまたはリッチモンドの市場(Martha oder Der Markt zu Richmond)」というタイトルで、フリードリッヒ・フォン・フロトーによって作曲され1847年に初演されました。
時代としてはロッシーニ、ドニゼッティが活躍した少し後で、ヴェルディの初期のオペラ「マクベス」(1847年)、「ルイザ・ミラー」(1849年)が同年代にあたります。
ドイツ語のオペラで見るとオットー・ニコライの「ウィンザーの陽気な女房たち(Die lustigen Weiber von Windsor )」が2年後の1849年に初演されています。
このオペラ自体はドイツ語のオペラですが、「M'apparì tutt'amor」はその曲の美しさからコンサートなどで抜粋されイタリア語で歌われることがしばしばあります。
オペラ「マルタ」は観たことはないけれども「M'apparì tutt'amor」は聴いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
ここでは「M'apparì tutt'amor」の対訳・和訳を紹介したいと思います。
それぞれの単語の意味も掲載していますので参考にしてください。
不自然な場合もありますが、歌詞と日本語訳は可能な範囲で行が対応するように訳しています。
専門家の日本語訳ではありませんので、参考程度にご覧ください。
M'apparì tutt'amorの名演
ルチアーノ・パヴァロッティ(Luciano Pavarotti、1935年10月12日 - 2007年9月6日)
イタリアのテノール歌手
M'apparì tutt'amorの歌詞1
M'appari tutt'amor, il mio sguardo l'incontro:
Bella si che il mio cor, ansioso a lei volo:
M'apparì tutt'amorの対訳1
あの人はすべての愛をもって私の前に現れ、私のまなざしは彼女に出会った
彼女は美しく私の切望した心は彼女のもとへ飛んだ
単語の意味
apparire/現れる
tutto/すべての
amore/愛
sguardo/視線・まなざし
incontrare/出会う
ansioso/心配した・不安な・切望した
volare/飛ぶ
M'apparì tutt'amorの歌詞2
mi ferì, m'invaghì quell'angelica beltà,
sculta in cor dall'amor cancellarsi non potrà:
il pensier di poter palpitar con lei d'amor,
puo sopir il martir che m'affanna e strazia il cor.
M'apparì tutt'amorの対訳2
私を傷つけ、私を魅惑する あの天使のような美しさは
愛で心に刻まれ 色あせることはないだろう
彼女の愛と共に心を震わすことができるという思いが
私の心を悩ませ苦しめる思いを和らげてくれる
単語の意味
ferire/傷つける
invaghire/魅惑する
quello/あの
beltà/美しさ
cancellarsi/消える・色あせる
potere/できる
pensiero/考え・気持ち
palpitare/わくわくする・ドキドキする・震える
sopire/和らげる
martire/殉教者・苦しんでいる人
affannnare/苦しめる
straziare/苦しめる
M'apparì tutt'amorの歌詞3
Marta, Marta tu sparisti e il mio cor col tuo n'ando!
Tu la pace mi rapisti, di dolor io morirò.
M'apparì tutt'amorの対訳3
マルタよ、マルタよ 君はいなくなり、そして私の心は君の心と一緒に行ってしまった
君は私の安らぎを奪い、私は苦しみで死んでしまうだろう
単語の意味
sparire/消える
e/そして
andare/行く
pace/平和・平穏・安らぎ
rapire/強奪する
dolore/苦痛・悲しみ
morire/死ぬ
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