「Non ti scordar di me(勿忘草)」はイタリアの作曲家、エルネスト・デ・クルティス(Ernesto De Curtis/1875年-1937年)によって書かれました。
ワスレナグサ(勿忘草、忘れな草)は欧米では友愛や誠実を示す花として親しまれており、「真実の愛」「私を忘れないで下さい」という花言葉を持っています。
1935年のイタリア映画「忘れな草」では、20世紀を代表する偉大なテノール歌手、ベニャミーノ・ジーリによって同曲は歌われています。
そのこともあり、コンサートなどではテノール歌手によって歌われることが多い曲です。
またナポリ生まれのエルネスト・デ・クルティスは「帰れソレントへ(Torna a Surriento)」を作曲したことでも有名です。
ここでは「Non ti scordar di me(勿忘草)」の対訳・和訳を紹介したいと思います。
それぞれの単語の意味も掲載していますので参考にしてください。
不自然な場合もありますが、歌詞と日本語訳は可能な範囲で行が対応するように訳しています。
専門家の日本語訳ではありませんので、参考程度にご覧ください。
勿忘草の由来
歌詞・対訳の前に勿忘草にまつわる物語を紹介したいと思います。
舞台は中世のドイツ
舞台は中世のドイツで、騎士ルドルフにはベルタという恋人がいました。
ルドルフはベルタのために川岸にある花を摘もうとします。
しかし、彼は誤って川に落ちてしまいます。
その際に「私を忘れないでくれ」という言葉を添えて、その花を恋人ベルタに渡し、彼は帰らぬ人となりました。
ベルタはルドルフの墓に貰った花を供え、その花に「勿忘草」という名を付けました。
「勿忘草」の名演
ルチアーノ・パヴァロッティ(Luciano Pavarotti、1935年10月12日 - 2007年9月6日)
イタリアのオペラ歌手
「勿忘草」の歌詞1
Partirono le rondini
dal mio paese freddo e senza sole
cercando primavere di viole,
nidi d'amore e di felicità.
「勿忘草」の対訳1
ツバメは出発していった
寒くて日の当たらないこの村を
スミレの咲く春と、愛と幸せの巣を探しに
単語の意味
partire/出発する、去る、離れる
rondine/ツバメ
mio/私の
paese/村・国・地域
freddo/寒い・冷たい
senza/~なしで
sole/太陽・日光
cercare/探す
primavera/春
viola/スミレ
nido/巣
amore/愛
felicità/幸せ・喜び
「勿忘草」の歌詞2
La mia piccola rondine partì
senza lasciarmi un bacio,
senza un addio partì.
「勿忘草」の対訳2
私の可愛いツバメは出発していった
私にキスをせずに
別れの挨拶もせずに
単語の意味
partire/出発する、去る、離れる
piccolo/小さい
rondine/ツバメ
senza/~なしで
lasciare/残す、去る、与える(=leave)
addio/別れ、さようなら
「勿忘草」の歌詞3
Non ti scordar di me:
la vita mia legata è a te.
Io t'amo sempre più,
nel sogno mio rimani tu.
「勿忘草」の対訳3
私のことを忘れないで
私の人生はあなたがいるからある
私はよりいっそう君を愛している
私の夢の中には君が残っている
単語の意味
scordare/忘れる
scordarsi/(~をdi)忘れる
vita/いのち・人生
sempre/いつも
più/もっと多く
sempre più/よりいっそう
sogno/夢
rimanere/とどまる、~のままである
「勿忘草」の歌詞4
Non ti scordar di me:
la vita mia legata è a te.
C'è sempre un nido nel mio cor per te.
Non ti scordar di me.
「勿忘草」の対訳4
私のことを忘れないで
私の人生はあなたがいるからある
いつも 私の心には あなたのための巣がある
私のことを忘れないで
単語の意味
scordare/忘れる
scordarsi/(~をdi)忘れる
vita/いのち・人生
sempre/いつも
nido/巣
core/心・心臓
per(=for)
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