項目データ
作品名ウィキッド(ウィケッド)
作曲スティーヴン・シュワルツ
作詞スティーヴン・シュワルツ
脚本ウィニー・ホルツマン
原作1995年 グレゴリー・マグワイア「オズの魔女記」
初演2003年 ブロードウェイ
2007年 東京(劇団四季版)

『ウィキッド(Wicked)』(ウィケッド)は、2003年にブロードウェイで初演されたミュージカルです。
ブロードウェイでは初演以来ロングラン公演の記録を伸ばし続けており、既に5000回以上の公演がうたれています。
作品自体はトニー賞を3部門受賞した他、キャスト・アルバムではグラミー賞も受賞しました。

物語は「誰もが知る童話『オズの魔法使い』の登場人物"西の悪い魔女"がなぜウィキッドになってしまったのか?」ということが描かれています。

 wicked・・(道徳的に)悪い、よこしまな/悪意のある/意地悪い
 日本では、
劇団四季版:『ウィキッド』
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン版(35分):『ウィケッド』
と呼ばれています。

ここでは『ウィキッド(Wicked)』(ウィケッド)のあらすじを、曲と対応して解説していきます。

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『ウィキッド(Wicked)』曲の視聴

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第1幕:『ウィキッド(Wicked)』のあらすじ

「悪い魔女は死んだ!」と宣言される

prague

No One Mourns the Wicked(Glinda,chorus)

グリンダにより「西の悪い魔女が死んだ」ことを宣言され、皆がそれを祝います。
グリンダは「彼女は同級生で、最初から悪い魔女ではなかった。」と語ります。

そして舞台は「グリンダの学生時代」へとタイムスリップします。

グリンダとエルファバの学生時代にタイムスリップする

classroom

Dear Old Shiz(Chorus,Glinda)

シズ大学の校歌が歌われます。

The Wizard and I(Madame Morrible,Elphaba)

グリンダとエルファバは、寮の部屋割りで偶然同じ部屋になります。

 グリンダ・・美人で人気者

エルファバ・・緑色をしており生まれつき魔法の才能を持つ。激しい性格の一方で強い正義感を持つ。冒頭の「西の悪い魔女」を指す。

エルファバはマダム・モリブル(学校長)に魔術の才能を認められ、高鳴る想いを歌い上げます。

What is this Feeling?(Glinda,Elphaba,chorus)

グリンダとエルファバは同じ部屋になりますが、なかなかそりが合いません。

何者かにより「動物の言葉が奪われ始めている」

goat

Something Bad(Doctor Dillamond,Elphaba)

ディラモンド教授(ヤギ)の講義が始まります。

 ディラモンド教授・・校内で唯一の動物の先生

講義が終わると、教授はエルファバに「オズの動物たちの言葉が奪われはじめている」と語ります。
そして、教授は次第に言葉が話せなくなっていきます。

仲の悪かったエルファバとグリンダに友情が芽生え始める

girls

Dancing Through Life(Fiyero,Glinda,Boq,Nessarose,Elphaba,chorus)

転校生フィエロ(ウィンキー国の王子)が登場し、気楽な生き方を歌い上げます。
グリンダは、イケメンのフィエロに一目惚れします。

その後、フィエロ主催のダンスパーティが開かれます。

 ボック・・小人。グリンダに憧れている。

グリンダに憧れるボックは、グリンダの言うことを何でも聞きます。
ボックはグリンダの頼みで、ネッサローズをダンスに誘います。

そしてネッサローズはボックに恋をします。

 ネッサローズ・・エルファバの妹。足が悪く車椅子の生活を送る。

Popular(Glinda,Elphaba)

パーティで、グリンダはエルファバに「趣味の悪い帽子」をプレゼントします。
グリンダはいたずらのつもりでしたが、エルファバはそれに感謝します。

パーティ後 二人の部屋
グリンダは自分の行いを反省し、エルファバをイメチェンして人気者にさせてあげようとします。
二人の友情が少しずつ築かれていきます。

二人はお互いについて語りだします。
エルファバが「妹の足が不自由なのは私のせいなの」と語ると、グリンダは「私はフィエロと結婚するの」(グリンダの一方的な希望)と語ります。

I'm Not That Girl(Elphaba)

翌日
オズ当局によりディラモンド教授(ヤギ)が追放され、動物たちは檻へ入れられます。

エルファバとフィエロは、檻に入ったライオンを奪還し逃がしてあげます。
二人は互いに惹かれ合いますが、一人になったエルファバは「私じゃ釣り合わない。グリンダがお似合いよ。」と歌います。

エルファバとグリンダが「オズの魔法使い」に会いに行く

green

One Short Day(Elphaba,Glinda,chorus)

エルファバが「オズの魔法使い」に会うことが認められます。

グリンダとフィエロが見送りに来ますが、フィエロはエルファバに夢中です。
エルファバは、落ち込むグリンダを元気づけようと「一緒にいこう」と誘います。

 グリンダは、フィエロに恋をしています。
エルファバとフィエロはお互いに惹かれ合っていますが、想いは秘めたままです。

エルファバとグリンダは、二人で「憧れのエメラルド・シティ」に向かいます。

A Sentimental Man(The Wizard)

二人は"オズの魔法使い"と出会います。

魔法使いがエルファバを呼んだのは「エルファバの魔術の才能」に目をつけてのことでした。
そして、心配になってこっそり後をつけてきたマダム・モリブル(校長)がそこに現れます。

「動物追放の黒幕」はオズの魔法使いとマダム・モリブルだった

魔法使いが「エルファバの魔法の力」を試すと、エルファバは想像以上の魔力を披露し「無数の猿に翼を与え」ます。
これを見た魔法使いは「エルファバの魔力を使って、動物たちを追放しよう」と考えます。

ここで「魔法使いとマダム・モリブルが動物を追放していた黒幕」だと判明します。

 オズの魔法使いは、実は魔力を持たない普通の人間です。

エルファバは魔法使いの申し出を断ります。
エルファバとグリンダはその場を逃げ出し、塔の中に隠れます。

計画が明るみになるのを恐れるマダム・モリブルは「悪い魔女エルファバに気をつけろ!」と国民に警告します。

エルファバは一人で悪と戦うことを決意する

Defying Gravity(Elphaba,Glinda,chorus)

エルファバが信念を貫く一方、グリンダは周りの目を気にしてしまいます。
二人は決別し、エルファバは「一人で魔法使いと戦う」ことを決意します。

第2幕:『ウィキッド(Wicked)』のあらすじ

エルファバは「悪い魔女」というレッテルを張られている

demonstration

Thank Goodness(Glinda,Madame Morrible,chorus)

マダム・モリブルの策略で、エルファバは悪い魔女というレッテルを張られてしまいます。
一方、グリンダはフィエロとの婚約を発表します。

 婚約はフィエロに許可は得ておらず、一方的に発表した。

エルファバが一時マンチキン国へ逃げ込む

マンチキン国
エルファバがマンチキン国へ逃げてきます。

 マンチキン国・・エルファバの父が総督だった。現在は亡き父を継ぎネッサローズ(エルファバの妹)が総督となっている。

エルファバは「ネッサローズを歩けるように」してあげます。
すると使用人として働いていたボックは解放されたことを喜び、「グリンダに想いを伝えに行く!」と語ります。

それに怒ったネッサローズはボックの心臓を魔法で止めてしまいます。
ネッサローズが後悔しているのを見て、エルファバはボックをブリキのきこりとして生き返らせます。

エルファバはマンチキン国を去っていきます。

魔法使いが再びエルファバを仲間に誘う

green

Wonderful(The Wizard,Elphaba)

エメラルド・シティ
エルファバは「オズの魔法使い」を訪れます。
魔法使いは「羽の生えた猿を解放するから、手を組まないか」と提案します。

エルファバが魔法使いを信じそうになったとき、その中に「ただのヤギとなったディラモンド教授」を発見します。
エルファバは申し出を再び断り、その場を去ります。

エルファバとフィエロが駆け落ちし、グリンダが怒る

I'm Not That Girl(Reprise)(Glinda)

エルファバに追手が迫ってきます。
追手の中には、フィエロの姿もあります。

エルファバを愛するフィエロは、「エルファバと逃げる」ことを決意します。
グリンダは友人にも婚約者にも裏切られたことを悲しみ、そして憎みます。

怒ったグリンダは「ネッサローズのためなら、エルファバは何でもする!」とマダム・モリブルに提案します。
モリブルは「ネッサローズを竜巻に巻き込ませ」、エルファバをおびき出そうとします。

フィエロがグリンダを助ける代わりに、捕えられる

prison

As Long as You're Mine(Fiyero,Elphaba)

フィエロとエルファバはお互いの愛を語りあっています。

その時エルファバが魔力で「妹の危険」を察知します。
エルファバが急いでマンチキン国へ向かうと、既に妹ネッサローズは亡くなっていました。
エルファバは激高します。

そこに衛兵が現れ、エルファバは捕えられそうになります。
しかしフィエロが助けに現れ、代わりにフィエロが捕えられます。

エルファバは「悪い魔女」になることを決意する

No Good Deed(Elphaba)

逃れたエルファバは魔法でフィエロを助けようとしますが、願いはかないません。

エルファバは正しいことをしても憎まれる自分の運命を呪います。
そして「良い行いは二度としない!」と悪い魔女になることを決意します。

March of the Witch Hunters(Boq,chorus)

ブリキになったボックが先導し、市民は魔女狩りを訴えています。

グリンダが「エルファバの意志」を引き継ぐ

girls

For Good(Glinda,Elphaba)

グリンダは、その行き過ぎた行動に不安を覚え、エルファバのもとへ向かいます。
エルファバは
「私には良い行いはできない。グリンダ、あなたならできるわ。」
「この事実は皆に話さないで」
とグリンダに頼みます。

その後、ドロシーがかけた水によって、エルファバは溶けてなくなります。
その場にはグリンダのプレゼントした帽子母親の形見の緑色のビンだけが残ります。

グリンダはエルファバの死を悲しむと同時に、緑色のビンを思い出します。
それは、魔法使いがグリンダに渡そうとしたものと同じビンだったのです。

グリンダは魔法使いに「緑色のビン」を見せ、国から出ていくよう訴えます。
魔法使いは「エルファバは自分の子供だった」ことを悟り、国から出ていきます。
そしてマダム・モリブルも追放されます。

グリンダはオズの国の女王となります。

グリンダが「オズの国の女王」として国を再編する

prague

Finale:For Good(Reprise)

舞台は1幕冒頭に戻る

グリンダが「良い魔女グリンダ」として、国に身を捧げることを宣言します。

遠くからエルファバとカカシになったフィエロがそれを見守り、オズを去っていきます。

 エルファバは、実は生きていました。

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