作品名ブランデンブルク協奏曲
作曲家ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
作曲年1721年
献呈ブランデンブルク辺境伯
演奏時間1時間30分程度
各演奏時間1番20分,2番15分,3番10分,4番15分,5番20分,6番20分

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach/1685年~1750年)の「ブランデンブルク協奏曲」は、1721年にブランデンブルク=シュヴェート辺境伯クリスティアン・ルートヴィヒに献呈された作品です。

元々は違うタイトル(種々の楽器による協奏曲集)でしたが、ブランデンブルク辺境伯に献呈されたことからこの名が付きました。

ここではバッハの「ブランデンブルク協奏曲」の解説と名盤を紹介したいと思います。

バッハ「ブランデンブルク協奏曲」の演奏

バッハの先祖はパン職人

大バッハの愛称でも親しまれている「音楽の父」バッハは、膨大な数の作品を作曲しました。
また大バッハ以前にもバッハ一族には多くの音楽家が出ており、大バッハの子供からも3人の音楽家が育っています。

そのバッハ一族は元々はパン職人だったそうです。
ツィターを演奏しながら仕事をしていた音楽大好きなパン職人の家系からやがて多くの音楽家たちが生まれていくのです。

バッハが就職活動のために書いた作品!?

バッハは32歳~38歳までの6年間をケーテンの宮廷で過ごしました。
ここでバッハが仕えていたアンハルト=ケーテン侯レオポルトは音楽を愛する人物でした。
子供の頃のレオポルトは母親におもちゃではなく「音楽家が欲しい」と言っていたほどだったそうです。
宮廷楽長の地位にいたバッハは、当時の音楽家としては破格の給料をもらっていました。

この時代はケーテン侯国がカルヴァン派だったために宗教音楽を作曲する必要はありませんでした。
そのため多くの器楽曲がこの時代に作曲されているのですが、「ブランデンブルク協奏曲」はこの時代を代表する作品でもあります。

bach

そんな恵まれた環境の中で、事態は一変します。
1721年12月にレオポルトが結婚するのですが、その妻が音楽に理解がなく宮廷楽団は縮小されてしまうのです。
これに危機感をもったバッハが次の就職活動の一環として作品を献呈したのではとも言われています。

曲に一貫性はない

「ブランデンブルク協奏曲」は第1番から第6番までで成立していますが、曲に一貫性はありません。
6曲がブランデンブルク辺境伯に捧げられたため、それをまとめたものの総称としてこのタイトルが使われています。

その後ライプツィヒへ移る

宮廷楽団が縮小された後、1723年にバッハはライプツィヒの聖トーマス教会のカントルに就任します。
ライプツィヒに移ったのちはバッハは宗教音楽を中心に活動していくことになります。

チェンバロの美しい第5番

この中で一番有名な第5番は、この6曲の中では1番最後に書かれた曲です。
第5番はフルート・ヴァイオリン・チェンバロが独奏楽器として使われていますが、チェンバロの美しさが特に印象に残ります。
とても親しみやすい曲ですので、バロックにあまり馴染みがない方が初めて聴く1曲にもピッタリかもしれません。

バッハは1718年にベルリンを訪れケーテンの宮廷楽団の資金でチェンバロを購入しています。
その時にブランデンブルク辺境伯に会い彼の前で音楽を演奏しました。
このときにブランデンブルク辺境伯はバッハに作曲を依頼したそうです。
その時の返事がこの作品だったのかもしれませんね。

バッハ「ブランデンブルク協奏曲」の名盤

名盤として名高いカール・リヒター指揮、ミュンヘン・バッハ管弦楽団演奏による録音です。
ブランデンブルグ協奏曲と管弦楽組曲の両方が収録されていますので、バッハの入門用としてもオススメです。
・ブランデンブルク協奏曲:1967年のステレオ録音
・管弦楽組曲:1960&61年のステレオ録音
・フルート,ヴァイオリン,チェンバロと弦楽のための協奏曲:1980年のステレオ録音

その他の録音

アバド&モーツァルト管弦楽団

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クラウディオ・アバドが音楽監督を務めるモーツァルト管弦楽団の演奏で録音されています。
モーツァルト管弦楽団は2004年にクラウディオ・アバドにより設立されたもので、18歳から26歳の若手演奏家で成り立っています。
この録音では、それらの若手に加えてジュリアーノ・カルミニョーラ(ヴァイオリン:コンサートマスター)、ミカラ・ペトリ(リコーダー)、アロイス・ポッシュ(コントラバス)、ラインホルト・フリードリヒ(トランペット)、オッターヴィオ・ダントーネ(チェンバロ)らが参加しています。

2007年4月21日のイタリア、レッジョ・エミリア、ヴァーリ市立劇場での演奏が収録されています。
ブルーレイの映像付きですので、高音質・高画質で音楽を楽しみたい方にオススメです。

バウムガルトナー&ルツェルン弦楽合奏団

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スイスの名指揮者ルドルフ・バウムガルトナーの代表的録音として知られている1枚です。

ツェルン弦楽合奏団は1956年にヴォルフガング・シュナイダーハンとバウムガルトナーによって創設され、1998年までバウムガルトナーが音楽監督を務めていました。
こちらは1978年の録音です。

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