目次
項目 | データ |
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作曲年 | 1783年 |
演奏時間 | 25分弱 |
ピアノソナタ第11番イ長調(K.331)は、モーツァルトが作曲した3楽章構成のピアノソナタです。
モーツァルトが作った約20曲のピアノソナタの中で最も有名な作品だとも言えるでしょう。
クラシックを聴いたことのない人でも、「トルコ行進曲」はどこかで必ず耳にしたことのある名曲です。
ピアノを習ったことのある人ならば、一度は弾く機会のある曲でもあります。
有名な「トルコ行進曲」はこのピアノソナタの第3楽章のことを指し、第3楽章だけが単独で演奏される機会も多くあります。
ちなみに、楽譜には第3楽章の冒頭に「Alla Turca(トルコ風)」と書かれているだけで「トルコ行進曲」とは書かれていません。
ここではモーツァルトの「ピアノソナタ第11番」(トルコ行進曲付き)の解説と名盤を紹介したいと思います。
モーツァルトの「ピアノソナタ第11番」(トルコ行進曲付き)の演奏
[00:02]第1楽章:Andante grazioso(アンダンテ グラツォオーソ)イ長調[13:05]第2楽章:Menuetto(メヌエット) イ長調
[19:21]第3楽章:Rond Alla Turca:Allegretto(ロンド アラ・トゥルカ:アレグレット)イ短調
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ピアノソナタ第11番(トルコ行進曲付き)の解説
ピアノソナタ第11番が作曲された年はまだわかっておらず、1778年説(パリにて)と1783年説(ウィーンにて)があります。
現在では1783年説が有力です。
ウィーンに移り住んだモーツァルト
1781年(25歳の頃)、モーツァルトはザルツブルク大司教と決別し、ウィーンへと移り住みます。
そして1781~83年の間、モーツァルトはウィーンで落ち着いた暮らしをしていました。
当時のウィーンでは、トルコの軍楽が人気がありました。
作曲されたとされる1783年は、トルコ軍によるウィーン包囲に対してハプスブルクが勝利した100周年の年でした。
トルコ軍楽の人気も重なり、当時からピアノソナタ第11番は大人気だったと言われています。
新天地でフリーの音楽家として活動をはじめたモーツァルトは、世間から人気を得るためにその地域の流行を取り入れたのかもしれません。
もちろん、そこから誕生したものは無難な流行の音楽ではなく、モーツァルト独自の個性的な芸術作品でした。
ハプスブルク家領の北西ハンガリーで反乱が起きました。
オスマン帝国は反乱者の要請を受け、ウィーンに攻め入ります。
オスマン軍はウィーンを完全に包囲しますが、戦争は長期化(16年間)します。
最終的には、中央ヨーロッパ諸国連合がオスマン帝国の包囲を打ち破りました。
ちなみに「トルコ行進曲」の左手の伴奏は、トルコ軍楽隊の打楽器を表しています。
異色を放つ曲
ピアノソナタ第11番はモーツァルトのピアノソナタの中では「異色を放つ曲」です。
まずピアノソナタでありながら、通例のソナタ形式をとっていません。
一般的にソナタは4楽章で構成され「急・緩・舞・急」と変化していきます。
しかし、このピアノソナタ第11番は「緩・舞・急」の3つで構成されています。
また「第2楽章は移調するという常識」に従わず、第2楽章もイ長調のままです。
この作品が出来る直前の1782年に、モーツァルトは父レオポルトの反対を押し切って結婚しています。
モーツァルトの他人と違う奇才っぷりが表に出た作品なのかもしれません。
ピアノソナタ第11番(トルコ行進曲付き)の名盤
モーツァルトの「ピアノソナタ第11番」(トルコ行進曲付き)の名演は多くあります。
ですが、私たち日本人を代表する名ピアニストが録音をしています。
応援の意味も込めて、こちらをオススメします。
人柄まで伝わってくる素晴らしい演奏ですので、皆さんも是非聴いてみてください。
辻井 伸行(つじい のぶゆき、1988年9月13日-)
日本のピアニスト。
2009年6月、第13回 ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール(アメリカ・テキサス州)で日本人として初めて優勝し、一躍時の人となります。
その後はヨーロッパ、アメリカなどで国際的に活躍しています。
他に名盤をお探しの場合は、モーツァルトの演奏に定評のあるピリスのこのCDがオススメです。
モーツァルト生誕250周年記念としてピレシュのピアノソナタ全集がこの価格で手に入ります。
初心者の方でモーツァルトを楽しみたい方は、一度に多くの素晴らしい演奏が手に入りますので「かなりお得なCD」だと思います。
マリア・ジョアン・ピレシュ(1944-)
ポルトガル出身のピアニスト。
7歳でモーツァルトのピアノ協奏曲を演奏し、9歳でポルトガルの「若き音楽賞」を受賞。
1970年にベートーヴェン生誕200周年記念コンクールに優勝して、国際的な演奏活動を開始しました。
現在では世界中でワークショップも開催し、日本にもそのために訪れています。
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