Deidamia | デイダミア |
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初演 | 1741年1月10日(ロンドン) |
台本 | パオロ・アントニオ・ロッリ |
演奏時間 | 約3時間 |
『デイダミア』(Deidamia)は、ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(Georg Friedrich Händel/1685年-1759年)が作曲したオペラです。
ヘンデルは生涯で40作品以上のオペラを書きましたが、『デイダミア』は彼が書いた最後のオペラになります。
イタリアオペラの人気に陰りがあった当時の影響もあり、初演後は2回しか再演されませんでした。
このオペラはギリシア神話を題材とした作品で、アキレウスの少年時代を描いています。
「男装した女性」を描くオペラはありますが、このオペラは「女装した男性」を描いた珍しい作品です。
『デイダミア』作曲後、ヘンデルの作曲熱はオラトリオへと移っていきます。
ここでは、ヘンデルのオペラ『デイダミア』のあらすじを紹介したいと思います。
第0幕:『デイダミア』あらすじ
アキッレは神託から逃れるために、女の子として育てられる
神託によって、アキッレは「トロイ戦争に参戦すれば死ぬ」と予言されます。
この運命から逃れるために、父ペレウスは彼を少女に変装させます。
そして、スキューロス島の王リコメーデのもとに送られ、アキッレは女の子として育てられます。
やがてアキッレは、王リコメーデの長女デイダミアと恋人関係になります。
アキッレ奪還のために、ギリシア軍が島に使者を送る
一方、ギリシア軍はトロイとの戦争に備えています。
司祭カルチャスは「トロイを奪うにはアキッレが必要だ」と唱えます。
アキッレの奪還のため、使節がスキューロス島に送られる。
第1幕:『デイダミア』あらすじ
ギリシア軍がアキッレを探している
アガメムノンの使節がスキューロス島に到着します。
ウリッセはリコメーデに軍事的支援を要請し、リコメーデは快諾します。
続いて「アキッレを引き渡す」よう頼みます。
友人ペレウス(アキッレの父)に忠実なリコメーデは「アキッレをかくまっている」ことを否定しますが、「アキッレを探すこと」は使者たちに許可します。
デイダミアが恋人アキッレの身を案じる
一方、宮殿内にはデイダミアがいます。
そこに、ピッラ(アキッレのこと)が狩りから帰ってきます。
ピッラはデイダミアを愛してはいますが、自由を犠牲にまではしたくありません。
そこにネレアが「ギリシアから使者がきた」ことを伝えにやってきます。
デイダミアはアキッレを心配します。
第2幕:『デイダミア』あらすじ
アキッレがデイダミアに嫉妬をする
アキッレは「デイダミアとウリッセが会話をしている」のを目撃します。
ウリッセはデイダミアに求婚しますが、彼女はそれを断ります。
アキッレはそれに嫉妬します。
狩りの腕前から、ピッラ=アキッレと疑われる
「リコメーデが使者たちを歓迎するために、狩りを手配した」という知らせが入ってきます。
デイダミアは「狩りの腕でアキッレの正体がばれるのでは」と心配します。
狩りがはじまると、ウリッセはピッラ(アキッレ)の狩りの腕前から「ピッラはアキッレだ」と疑います。
第3幕:『デイダミア』あらすじ
アキッレの正体がばれ、彼はギリシア軍に加わるに同意する
ウリッセは「ピッラの正体」を暴くために、装飾品をアキッレに贈ります。
しかしピッラ(アキッレ)は女性用の装飾品には興味を示さず、その中に一緒に入っていた兜や剣に興味を持ちます。
「ピッラ=アキッレ」だと確信し、ウリッセは「ギリシア軍に加わる」ようアキッレに要請します。
アキッレはそれを受け入れます。
デイアミアは「アキッレを失ったこと」を悲しみ、ウリッセを呪います。
アキッレの求婚を、デイダミアが拒絶する
デイダミアは父リコメーデに「アキッレへの愛」を告白します。
すると父は「アキッレはトロイで死ぬ予言がある」ことを明らかにし、二人の幸せが長くは続かないことを語ります。
続いてアキッレがデイダミアのもとに現れ、結婚のプロポーズをします。
しかし苦悩するデイダミアはそれを断ってしまいます。
リコメーデはアキッレを引き渡し、最後にウリッセがアキッレとデイダミアに手を合わせて励まします。
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