『Per pietà, ben mio, perdona(恋人よ、許してください)』は、モーツァルト作曲のオペラ『コジ・ファン・トゥッテ』の第25曲(第2幕第7景)でフィオルディリージによって歌われます。
 このオペラは、「浮気」をテーマにしたユニークな物語です。
フィオルディリージは貞節を守ろうとしますが、新しい恋人候補に心を奪われ始めます。
 そしてこの曲の少し後で、ついに彼女は心を許してしまいます。
しかし、意外なこと20世紀に入るまでは、このオペラの評価は低く、上演される回数も多くありませんでした。
その原因は『台本が不道徳』ということでした。
ここでは『Per pietà, ben mio, perdona(恋人よ、許してください)』の歌詞と対訳を紹介したいと思います。
 それぞれの単語の意味も掲載していますので参考にしてください。
 不自然な場合もありますが、歌詞と日本語訳は可能な範囲で行が対応するように訳しています。
専門家の日本語訳ではありませんので、参考程度にご覧ください。
↑ 『コジ・ファン・トゥッテ』の詳細はこちらから
『Per pietà, ben mio, perdona』の名演
エディタ・グルベローヴァ(Edita Gruberová/1946年- )
 チェコスロバキア(現スロバキア)のブラチスラヴァ生まれのソプラノ歌手
『Per pietà, ben mio, perdona』の歌詞1
Per pietà, ben mio, perdona
 All'error di un'alma amante;
 Fra quest'ombre e queste piante
 Sempre ascoso, oh Dio, sarà!
『Per pietà, ben mio, perdona』の対訳1
お願いだから、私の愛する人よ、許してください
 恋人の魂の過ちを
 この陰や木々の間に
 それは絶えず隠されるでしょう ああ神よ そうしてください
単語の意味
per pietà/後生だから
 pietà/哀れみ、同情
 bene/善、愛、恋人
 perdonare/許す
 errore/誤り、間違い
 alma/魂、精神
 amante/恋人
 fra/間に
 questo/この
 ombra/日陰、影
 pianta/植物、草木
 sempre/いつも、絶えず
 ascondere/隠す
 dio/神
『Per pietà, ben mio, perdona』の歌詞2
Svenerà quest'empia voglia
 L'ardir mio, la mia costanza;
 Perderà la rimembranza
 Che vergogna e orror mi fa.
『Per pietà, ben mio, perdona』の対訳2
この邪魔な欲望を打ち払うでしょう
 私の勇気が 私の意志が
 思い出も失くすでしょう
 私に恥と恐怖を生み出す(思い出も)
単語の意味
empio/邪悪な、不信心な
 ardire/大胆、勇気
 costanza/節操、意志の強固
 perdere/失う、なくす
 rimembranza/追憶、思い出
 vergogna/恥ずかしさ、恥、不名誉
 orrore/恐怖、嫌悪
『Per pietà, ben mio, perdona』の歌詞3
A chi mai mancò di fede
 Questo vano ingrato cor!
 Si dovea miglior mercede,
 Caro bene, al tuo candor.
『Per pietà, ben mio, perdona』の対訳3
一体誰に貞節を欠いてしまったのでしょう
 この軽薄で恩知らずの心は!
 もっといい報いがあっても良かったのに
 愛しい恋人よ、あなたの純真さに
単語の意味
chi/誰
 mai/一体
 mancare/欠ける、衰える
 fede/信用、忠実
 questo/この
 vano/無駄な、軽薄な
 ingrato/恩知らずの、不愉快な
 core/心
 migliore/より良い、より適切な(better)
 mercede/給料、褒美、報い
 caro/愛する、いとしい
 bene/善、愛、恋人
 candore/純白、純真
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