項目データ
作曲アンドリュー・ロイド・ウェバー
作詞チャールズ・ハート リチャード・スティルゴー
脚本アンドリュー・ロイド・ウェバー リチャード・スティルゴー
原作1910年ガストン・ルルーの小説『オペラ座の怪人』
初演1986年10月9日(ハー・マジェスティーズ劇場, ロンドン)
受賞1986ローレンス・オリヴィエ賞 ミュージカル作品賞
1988トニー賞 ミュージカル作品賞

アンドリュー・ロイド・ウェバー(Andrew Lloyd Webber/1948年-)作曲のミュージカル『オペラ座の怪人(The Phantom of the Opera)』は、世界中で大ヒットし続けるミュージカルを代表する傑作です。
史上初のブロードウェイ公演1万回を達成し、ブロードウェイ史上最長のロングラン公演作品として君臨しています。

ここでは『オペラ座の怪人』のあらすじを、曲と対応して解説していきます。

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『オペラ座の怪人』の簡単なあらすじ

時間のない方のための簡単な「1分あらすじ」

パリ・オペラ座の地下には、生まれつき醜い姿をした「オペラ座の怪人」が住んでいます。

【第1幕】
クリスティーヌは、オペラ座の怪人に音楽を習っています。
怪人はクリスティーヌに恋をし、彼女をスターダムに押し上げようとします。

しかし、手塩にかけて育てたクリスティーヌは幼馴染のラウルと恋仲になります。
怪人は嫉妬し、復讐を誓います。

【第2幕】
オペラ開演中に、怪人は男性の主役歌手を殺し、その役にすり替わります。
そして主役のクリスティーヌと二重唱を歌い、そのまま彼女を地下の隠れ家に連れ去ります。

怪人は恋人ラウルを捕え人質とし、クリスティーヌに自分への愛を要求します。
クリスティーヌは"心まで醜くなってしまった怪人"に憐れみを覚え、怪人にキスをします。

人間の心を初めて感じた怪人は、二人を解放します。
涙する怪人が行方をくらましたところで、ミュージカルは終わります。

プロローグ:『オペラ座の怪人』のあらすじ

オークション会場からオペラ座へタイムスリップする

2.Overture

1905年、オークション会場

舞台小道具がオークションにかけられる中、老人(ラウル・シャニュイ子爵)が猿のオルゴールを競り落とします。

やがて競売人は「オペラ座の怪人の不思議な出来事」を語りだします。
すると舞台は1881年のパリ・オペラ座へとタイムスリップします。

 この老人(ラウル・シャニュイ子爵)は、物語のヒロインであるクリスティーヌの幼馴染です。

第1幕:『オペラ座の怪人』のあらすじ

クリスティーヌが代役に抜擢され、オペラで主役を歌う

3.Think of Me

1881年のパリ・オペラ座

オペラ座のスター歌手カルロッタがリハーサルをしています。
すると舞台が突然壊れます。
皆は「オペラ座の怪人がやった」と騒ぎ、カルロッタは舞台を降ります。

そこで代わりに推薦されたのが、クリスティーヌ・ダーエでした。
クリスティーヌは皆の前で見事に「Think of Me」を歌い上げ、そのまま主役デビューを果たします。

クリスティーヌは「オペラ座の怪人」に音楽を習っている

4.Angel of Music

主役デビューをしたクリスティーヌは、"私は「音楽の天使」に音楽を習っているけれども、まだその彼を見たことがない"ことを親友メグに話します。

 「音楽の天使」とは「オペラ座の怪人」のことです。

クリスティーヌが幼馴染ラウルと再会する

続いてクリスティーヌのもとを幼馴染のラウルが訪れます。
ラウルはオペラ座のパトロンとして観劇しており、幼馴染が主役を歌っていることに気づいたのでした。

クリスティーヌはラウルにも「音楽の天使」の話をしますが、彼はそれを信じません。
彼らが再会を喜んだ後、ラウルは彼女をディナーに誘います。

5.The Mirror(Angel of Music)

しかし、クリスティーヌはディナーにはいかず、「音楽の天使(オペラ座の怪人)」との練習を選びます。
ラウルはそれに嫉妬します。

クリスティーヌが「オペラ座の怪人」と初めて出会う

6.The Phantom of the Opera

クリスティーヌが音楽の天使に"姿を見せてくれるよう"頼みます。
すると音楽の天使は、クリスティーヌをオペラ座の地下にある隠れ家に連れていきます。

 最も有名な音楽が演奏されるシーンです。

7.The Music of the Night

オペラ座の地下にある隠れ家

仮面をつけたオペラ座の怪人が、クリスティーヌへ向けて歌を歌います。

 優れた歌唱力を必要とする、オペラ座の怪人が歌う名曲です。

怪人の醜い姿があらわになる

8.I Remember/Stranger Than You Dreamt It

怪人がオルガンを弾く中、一度気を失ったクリスティーヌが猿のオルゴールの音で目を覚まします。

 猿のオルゴールは、「プロローグ」のオークションで登場したオルゴールです。

クリスティーヌはそっと怪人に近づき、彼の仮面を外します。
すると醜い火傷のような跡をもつ怪人の顔が現れます。

仮面を外された怪人は、ひどく怒ります。
それと同時にクリスティーヌへの恋心も口にします。

 怪人の顔の火傷のような跡は、生まれつきのものです。
これが原因で彼は迫害され、オペラ座の地下で隠れて暮らしようになりました。

「クリスティーヌを主役にしろ」との脅迫状がオペラ座に届く

10.Prima Donna

舞台は再びオペラ座

クリスティーヌが行方不明になり、皆が騒いでいます。(オペラ座の地下に行っている)

そこにオペラ座に
「カルロッタはもうだめだ。クリスティーヌを主役にしろ。
この指示には逆らうと、災いが起きる。」

と「怪人からの手紙」が届きます。

皆はこの横暴な手紙に怒ります。
そして指示には従わず、カルロッタを主役のままにします。(Prima Donna)

怪人の怒りが爆発する

オペラが始まり、カルロッタが主役を歌っていると、怪人により彼女の声が"カエルの声"に変えられます。
そして次第にオペラ座が怪しい雰囲気に包まれると、天井から死体が縄に吊られて落ちてきます。
オペラ座は混乱に包まれます。

12.Why Have You Brought Me Here?

混乱の中、クリスティーヌはラウルを連れて逃げます。
クリスティーヌは自分も殺されるのではと感じ、「オペラ座の怪人」のことをラウルに告げます。

怪人を恐れるクリスティーヌに、ラウルが愛を誓う

13.All I Ask of You

ラウルはクリスティーヌを守ることを誓います。
そして二人は婚約します。

 ラウルとクリスティーヌによる、美しい愛の二重唱です。

"クリスティーヌとラウルの様子"をみた怪人が絶望する

14.All I Ask of You (Reprise)

二人の様子をみていた怪人は絶望します。
怪人は復讐を誓い、オペラ座の巨大なシャンデリアを落下させます。

第2幕:『オペラ座の怪人』のあらすじ

半年ぶりに怪人が登場し、クリスティーヌの主役を要求する

16.Masquerade

6か月後、オペラ座

仮面舞踏会が開かれています。(Masquerade)
そこにシャンデリア落下事件以来、半年ぶりに怪人が姿を現します。

怪人は"自らが作曲したオペラ『ドンファンの勝利』"でクリスティーヌを主役にするよう要求します。
そして"従わないと災難が起きる"と再び忠告します。
怪人はクリスティーヌの婚約指輪を奪い、消えていきます。

 ここで怪人の素性が明らかになります。
怪人は、生まれつきの醜い顔が原因で見世物小屋で人目にさらされていました。
彼はそこから逃げるために、オペラ座の地下に潜りこんだのでした。

ラウルが"怪人を捕まえる"ことを計画する

18.Wishing You Were Somehow Here Again 14.Wandering Child

クリスティーヌは"怪人への感謝"と"ラウルへの愛"に複雑な感情を抱き、父の墓を訪れます。(Wishing You Were Somehow Here Again)
そこに怪人が現れ、クリスティーヌを歌で魅了します。(Wandering Child)

クリスティーヌが怪人の虜になりかけた瞬間、ラウルが現れます。
ラウルとクリスティーヌは、怪人のもとから逃げ去ります。

ラウルはクリスティーヌが歌えばオペラ座に怪人が現れることを利用し、"開演中に怪人を捕まえる"ことを計画します。

オペラが開演し、怪人がクリスティーヌを連れ去る

20.The Point of No Return

オペラ『ドンファンの勝利』が開演します。

主役のクリスティーヌが二重唱を歌っています。(The Point of No Return)
しかし、その相手が怪人にすり替わっていることに気づきます。
クリスティーヌが仮面を剥がすと醜い顔が現れ、オペラ座は混乱に包まれます。

 本当の相手役のピアンジは、怪人により舞台裏で殺されている。

そしてピアンジの死体が発見されると、怪人はクリスティーヌを連れて舞台から逃げだします
しばらくし怪人の地下の隠れ家が明らかになると、皆は隠れ家へ追いかけます。

怪人とクリスティーヌの別れ

21.Down Once More/Track Down This Murderer

怪人の隠れ家

怪人はクリスティーヌを隠れ家に連れてくると、彼女にウエディングドレスを着るよう命令します。

そこにラウルが追ってきますが、ラウルは縄で捕らえられます。

怪人は
「ラウルを助けてほしいなら、自分と一生ここにいろ。」
「逆らえばラウルを殺す。」

とクリスティーヌを脅します。

クリスティーヌは「あなたが醜いのは顔ではなく心です。」と語ります。
そして怪人に憐みのキスをします。

人間の優しさを初めて感じた怪人は、クリスティーヌとラウルを解放します。
クリスティーヌは泣きながらラウルと立ち去り、怪人も涙します。

怪人は行方をくらまし、最後に猿のオルゴールが虚しく鳴り響きます。

『オペラ座の怪人』の映像

映画も劇団四季のミュージカルも素晴らしいですが、『オペラ座の怪人』を語るならこのロンドンでの25周年記念公演は外せません。
最高のキャストが、極上の舞台を見せてくれます。

値段もお手頃ですので、買う価値は十分にあると思います。

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