項目 | データ |
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作曲 | 1825-26年 |
初演 | 1839年3月21日(メンデルスゾーン指揮/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団) |
演奏時間 | 約50分 |
フランツ・ペーター・シューベルト(Franz Peter Schubert/1797年~1828年)の『交響曲第8番(ザ・グレート)』は、1825年から1826年にかけて作曲されました。
※同作品が交響曲第9番とされていることもあります。
シューベルトの交響曲の中では、最も演奏時間の長い作品です。
これは同じくハ長調である交響曲第6番に比べて規模が大きいことから、そう呼ばれています。
ここではシューベルト『交響曲第8番(ザ・グレート)』の解説と名盤を紹介したいと思います。
シューベルト『交響曲第8番(ザ・グレート)』の演奏
第1楽章:Andante; Allegro ma non troppo.
第2楽章:Andante con moto.
第3楽章:Scherzo: Allegro vivace.
第4楽章:Allegro vivace.
長い間「謎」だった交響曲
シューベルトが1825年に交響曲の作曲を開始したことは、以前からわかっていました。
しかし肝心の楽譜が見つかっておらず、どのような作品だったのかは長い間謎に包まれていました。
そしてシューベルトがその年にグムンデンやガスタイン(いずれもオーストリアの地名)を旅行していたことから、その正体不明の交響曲は「グムンデン・ガスタイン」と呼ばれていました。
シューマンが楽譜を発見
そのまま忘れ去られた『交響曲第8番(ザ・グレート)』は、シューベルトの生前に演奏されることはありませんでした。
ウィーン楽友協会に楽譜を渡しましたが、演奏されることはなかったそうです。
しかしシューベルトが亡くなって約10年が過ぎた1839年に、シューマンがその自筆譜を発見したことでこの作品が日の目を見ます。
シューマンはその部屋で楽譜を発見します。
シューマンにとって、シューベルトは『歌曲の王』としてのイメージが強かったそうです。
シューマンは「シューベルトが規模の大きい交響曲を書いていた」ことに驚き、それを「天国的な長さ」と語りました。
メンデルスゾーンの指揮で初演される
シューマンはこの作品を演奏するために、ライプツィヒに住む友人メンデルスゾーンへ楽譜を送ります。
そして1839年3月21日にメンデルスゾーンの指揮、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏によって、ようやく『交響曲第8番(ザ・グレート)』は初演されました。
さらには、シューベルトの生前にウィーン学友協会で私的に演奏されたという説もあります。
シューマンは初演には立ち会えませんでしたが、その後この演奏を聴くことができました。
シューベルト『交響曲第8[9]番(ザ・グレート)』の名盤
名盤として名高い1963年・1966年のベームとベルリンフィルによる録音です。研ぎ澄まされた演奏で、かつドイツ的なシューベルトの演奏としても評価されています。
近年聴くことができる軽やかなシューベルトとは違った、スケールの大きい力強い演奏が堪能できます。
【収録曲】
シューベルト:交響曲第7[8]番(未完成)/1966年2月録音
シューベルト:交響曲第8[9]番(グレート)/1963年6月録音
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:カール・ベーム
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