『乾杯の歌』は、ヴェルディを代表するオペラ『椿姫』(La traviata)の第1幕で演奏されます。

ヴィオレッタは高級娼婦で、オペラ『椿姫』は「ヴィオレッタの家で開かれている豪華な社交界」で幕を開けます。
そして、この曲はアルフレード(青年貴族)が社交界で"乾杯の音頭"をとるシーンです。
オペラが進むにつれて、この2人は恋に落ちていくことになります。

詳しくは下記の椿姫のあらすじをご覧ください。

ここでは椿姫『乾杯の歌』の歌詞と対訳を紹介したいと思います。
それぞれの単語の意味も掲載していますので参考にしてください。
不自然な場合もありますが、歌詞と日本語訳は可能な範囲で行が対応するように訳しています。

専門家の日本語訳ではありませんので、参考程度にご覧ください。

椿姫『乾杯の歌』の演奏

メトロポリタン歌劇場2018-2019シーズン
【ヴィオレッタ】ディアナ・ダムラウ(Diana Damrau/1971年-)
【アルフレード】ファン・ディエゴ・フローレス(Juan Diego Flórez/1973年-)
【指揮】ヤニック・ネゼ=セガン(Yannick Nézet-Séguin/1975年-)
【演奏】メトロポリタン歌劇場管弦楽団・ 合唱団

椿姫『乾杯の歌』の歌詞1

【ALFREDO/アルフレード】
Libiam ne' lieti calici che la bellezza infiora,
E la fuggevol ora s'inebri a voluttà.
Libiam ne' dolci fremiti che suscita l'amore,
Poiché quell'occhio al core onnipotente va.
Libiamo, amor fra i calici
Più caldi baci avrà.

【TUTTI/全員(合唱など)】
Libiamo, amor fra i calici
Più caldi baci avrà.

椿姫『乾杯の歌』の日本語訳1

【ALFREDO/アルフレード】
乾杯しよう、美しさが飾りたてる喜ばしい杯に
そして つかの間の時が 喜びに酔いしれるのだ
乾杯しよう、愛が引き起こす甘いざわめきの中で
なぜなら、あの目が大きな力で心に向けられるから
乾杯しよう、愛は杯の間で
より熱い口づけを手に入れるのだ

【TUTTI/全員(合唱など)】
乾杯しよう、愛は杯の間で
より熱い口づけを手に入れるのだ

単語の意味

イタリア語意味
libare乾杯する
lieto嬉しい、喜ばしい
calice杯(さかずき)
bellezza美、美しさ
infiorare飾り立てる
fuggevole束の間
ora時間
inebriarsi酔う、陶酔する
voluttà喜び、楽しみ
dolce甘い、穏やかな
fremito身震い、ざわめき
suscitare引き起こす
amore
poiché~だから
occhio
core
onnipotente全能の、絶大な力を持つ
fra=between(英)
piùもっと多く
caldo熱い
bacioキス、口づけ
avràavere

椿姫『乾杯の歌』の歌詞2

【VIOLETTA/ヴィオレッタ】
Tra voi saprò dividere il tempo mio giocondo;
Tutto è follia nel mondo ciò che non è piacer.
Godiam, fugace e rapido è il gaudio dell'amore;
È un fior che nasce e muore,né più si può goder.
Godiam c'invita un fervido accento lusinghier.

椿姫『乾杯の歌』の日本語訳2

【VIOLETTA/ヴィオレッタ】
あなたたちとなら、私の楽しい時間を分かち合うことができるでしょう
この世はすべては狂気よ、喜びでないものは
楽しみましょう、愛の喜びは束の間で一瞬なのです
それは生まれては枯れる一輪の花で、もう楽しむことができないのです
楽しみましょう、焼けつくような喜ばしい言葉が私たちを招待するのです

単語の意味

イタリア語意味
tra=between(英)
sapròsapere
dividere分ける、分かち合う、共有する
tempo時、時間
giocondo愉快な、大喜びの
tuttoall(英)
follia狂気
mondo世界
piacere喜び、楽しみ
godere心から喜ぶ
fugace束の間の
rapido速い、瞬時の
gaudio歓喜
fiore
nascere生まれる
morire死ぬ
invitare招待する
fervido燃え立った、焼けつくような
accento口調
lusinghiero満足のいく、喜ばしい

椿姫『乾杯の歌』の歌詞3

【TUTTI/全員(合唱など)】
Godiam la tazza e il cantico la notte abbella e il riso;
In questo paradiso ne scopra il nuovo dì.

椿姫『乾杯の歌』の日本語訳3

【TUTTI/全員(合唱など)】
楽しみましょう、杯と歌は夜と笑いを美しくします
この楽園の中で 新たな一日が現れますように

単語の意味

イタリア語意味
tazzaコップ
cantico賛歌
notte
riso笑い
paradiso天国、楽園
scoprire発見する、むき出しにする
nuovo新しい

椿姫『乾杯の歌』の歌詞4

【VIOLETTA/ヴィオレッタ】
La vita è nel tripudio.

【ALFREDO/アルフレード】
Quando non s'ami ancora.

【VIOLETTA/ヴィオレッタ】
Nol dite a chi l'ignora.

【ALFREDO/アルフレード】
È il mio destin così

【TUTTI】
Godiam la tazza e il cantico la notte abbella e il riso;
In questo paradiso ne scopra il nuovo dì.

椿姫『乾杯の歌』の日本語訳4

【VIOLETTA/ヴィオレッタ】
人生は喜びにあるのよ

【ALFREDO/アルフレード】
まだ恋をしていないときは

【VIOLETTA/ヴィオレッタ】
それを知らない人にそんなことを言わないで

【ALFREDO/アルフレード】
私の運命はこうなのです。

【全員】
楽しみましょう、杯と歌は夜と笑いを美しくします
この楽園の中で 新たな一日が現れますように

単語の意味

イタリア語意味
vita人生
tripudio歓喜
quandowhen(英)
amare愛する、恋する
ancoraまだ
dire言う
ignorare知らない
destino運命
cosìこのように

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