項目 | データ |
---|---|
初演 | 1905年 ドレスデン宮廷歌劇場 |
原作 | オスカー・ワイルドの戯曲『サロメ』 |
演奏時間 | 1時間45分 |
リヒャルト・シュトラウス(Richard Strauss/1864年-1949年)のオペラ『サロメ(Salome)』は、1903年から1905年にかけて作曲されました。
原作は、アイルランドの詩人・作家であるオスカー・ワイルド(Oscar Wilde/1854年-1900年)の戯曲『サロメ』(1891年)です。
新約聖書を元にしたこの物語は背徳的で官能的なため、原作の戯曲は上演できないことがしばしばあったそうです。
これはオペラ『サロメ』においても同様で、上演禁止となる都市も出ました。
ここでは、R・シュトラウスのオペラ『サロメ』のあらすじを紹介したいと思います。
主な登場人物
登場人物 | 備考 |
---|---|
サロメ(ソプラノ) | 16歳の王女 |
ヘロデ(テノール) | ユダヤ王、サロメの義父 |
ヘロディアス(メゾソプラノ) | ユダヤ王妃、サロメの母 |
ヨカナーン(バリトン) | 預言者、地下の井戸に閉じ込められている |
ナラボート(テノール) | 衛兵隊長 |
ヘロディアスの小姓(アルト) |
など
その1:オペラ『サロメ』のあらすじ
ナラボート(衛兵隊長)がサロメ(王女)の美しさに惹かれている
王宮では、宴会が開かれています。
そのそばでナラボート(衛兵隊長)が王女サロメの美しさを語っています。
地下の井戸からは、ヨカナーン(預言者)の声も聞こえてきます。
サロメがヨカナーン(預言者)に興味を持つ
そこに、サロメが宴会の場から外に出てきます。
サロメは、義父ヘロデ王に言い寄られるのを嫌がり、逃げてきたのでした。
そして王の座に就き、今はサロメ(義理の娘、王女)に言い寄っています。
サロメは、地下の井戸にいるヨカナーン(預言者)の声を聞くと、彼に興味を示します。
サロメはヨカナーンを外に出すよう頼みますが、兵士たちはそれを拒みます。
ヘロデの命令で、誰もヨカナーンを引き揚げてはいけないことになっています。
サロメは「ナラボート(衛兵隊長)が自分のことを好き」なことを利用し、ナラボートに色仕掛けをします。
ナラボートは、預言者を連れてくるよう兵士に命じます。
サロメがヨカナーンを誘惑し、それに絶望したナラボートは自害する
ヨカナーン(預言者)が登場すると、彼は突然ヘロディアス(ユダヤ王妃、サロメの母)の淫行を非難します。
サロメは一度はたじろぎますが、次第にヨカナーンの魅力に惹かれていきます。
サロメはヨカナーンに色仕掛けをはじめキスを求めますが、ヨカナーンは断固拒否します。
ナラボート(衛兵隊長)は、憧れのサロメの淫乱ぶりを見てショックを受けます。
そして、ナラボートは自害してしまいます。
ヨカナーンはサロメを追い払い、井戸へと帰っていきます。
その2:オペラ『サロメ』のあらすじ
ヘロデ王がサロメを探しに来る
そこにサロメを探しに、ヘロデ(王、サロメの義父)とヘロディアス(王妃、サロメの母)が現れます。
ヘロデは兵士より「ナラボートが自害した」との報告を受けます。
サロメが宴会に戻るのを拒む中、井戸から「ヨカナーンが、ヘロデとヘロディアスを非難する声」が聞こえてきます。
サロメが「ヨカナーンの首」を褒美に、ダンスを踊る
ヘロデは気を紛らわすために、サロメに踊るよう命じます。
サロメは断ります。
しかしヘロデが「欲しいものは何でもあげる」というと、サロメは踊りだします。
踊り終えたサロメは、「銀の皿にのせたヨカナーンの首」を要求します。
サロメの強い要求に、ヘロデは仕方なく要求を受け入れます。
サロメが「ヨカナーンの首」に愛を歌う
しばらくすると、「ヨカナーンの首」が運ばれてきます。
サロメは「ヨカナーンの首」に
「よくも私にキスをさせなかったわね。」
「今からキスをするわ。」
「愛の秘密は死の秘密より大きいのよ。」
と歌い、「ヨカナーンの首」にキスをします。
ヘロデが「サロメの処刑」を命じる
ヘロデは、サロメの狂気に満ちた行動に恐怖を覚えます。
ヘロデが兵士に「サロメを殺す」よう命じ、ヘロデが立ち去ったところでオペラが終わります。
オペラ『サロメ』の映像
日本語字幕ナシ
日本語字幕がないことが残念ですが、ナディア・ミヒャエルのサロメ役が話題となった1枚です。
音楽的だけではなく演技的にも視覚的にもサロメの世界にどっぷりと浸かることができます。
2008年3月、コヴェント・ガーデン王立歌劇場でのライブ映像です。
【キャスト等】
サロメ:ナディア・ミヒャエル
ヘロディアス:ミカエラ・シュースター
ヘロデ:トーマス・モーザー
ナラボート:ジョゼフ・カイザー
ヨカナーン:ミヒャエル・フォレ
ヘロディアスの小姓:ダニエラ・ジンドラム
など
コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団
指揮:フィリップ・ジョルダン
演出:デイヴィッド・マクヴィカー
収録:2008年3月、コヴェント・ガーデン王立歌劇場(ロンドン)
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