ショパンの「夜想曲(ノクターン)第20番」(遺作)は、1830年の春に作曲された作品です。
速度記号から標題をとって、「レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ」とも呼ばれています。
「遺作」とは「ショパンの死後に出版された」ということを指し、「最後の作品」という意味ではありません。
彼がまだ20歳頃の作品です。
この作品は、姉のルドヴィカ・ショパンが「ピアノ協奏曲第2番」を練習するための曲として書かれたと言われています。
そのため、この作品には「ピアノ協奏曲第2番」の第1、第3楽章の断片的なモチーフが使われています。
ピアノ学習者にとっては中級者が学習する曲としてもお馴染みです。
ポップス好きの方は、平原綾香の17枚目のシングル「ノクターン」で聞き覚えのある曲かもしれません。
また映画「戦場のピアニスト」で使用されたことでも知られています。
ソプラノ歌手に"片想い"をしていたショパン
この頃のショパンは初恋の真っ最中でした。
相手はポーランドの若手ソプラノ歌手、コンスタンツヤ・グワトコフスカです。
彼女と1829年に出会ったショパンは、すぐに恋に落ちたと言われています。
ショパンは、まだ学生でもあった彼女のピアノ伴奏をしてあげたそうです。
また自身の曲を聞かせたり、彼女に歌ってもらうために歌曲も作曲しました。
"告白"せずに、恋は終わる
彼女は優れた歌手でしたが、王宮の役人の娘という身分の高い女性でした。
1830年7月にワルシャワ国立歌劇場にデビューしますが、すぐに第1線の歌手活動から退き1831年に貴族と結婚をしました。
ショパンは彼女に思いを打ち明けることはなく、ショパンの初恋は終わりました。
「夜想曲第20番(遺作)」は、その"片想い"の頃に作られた作品です。
ショパン「夜想曲(ノクターン)第20番」(遺作)の演奏
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