目次
邦題 | サムソンとデリラ |
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初演 | 1877年12月2日 ワイマール宮廷歌劇場 |
原作 | 旧約聖書 |
台本 | フェルディナン・ルメール(サン=サーンスの従兄弟) |
演奏時間 | 約2時間 |
『サムソンとデリラ(Samson et Dalila)』は、サン=サーンス(Saint-Saëns/1835年-1921年)のオペラ作品の中で最も有名なオペラです。
元々はオラトリオ作品をして作曲されたこの作品は、当初の評判は決して高くはなかったそうです。
ドイツ語で初演はおこなわれましたが、フランス語で上演されることが通例となっています。
また第3幕で演奏される「バッカナール」は、コンサートで単独で演奏されることもある人気のある音楽です。
ここではサン=サーンスのオペラ『サムソンとデリラ』のあらすじを紹介したいと思います。
主な登場人物
登場人物 | 詳細 |
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サムソン(テノール) | 特別な怪力を持つ |
デリラ(メゾソプラノ) | サムソンを誘惑し、復讐を図る |
ダゴンの大祭司(バリトン) | |
アビメレク(バス) | ガザの太守 |
『サムソンとデリラ』の簡単なあらすじ
時間のない方のための簡単な「30秒あらすじ」
ヘブライ人(サムソン側)とペリシテ人(デリラ側)は敵対関係にあります。
サムソンは特別な怪力を持っており、ペリシテ人を圧倒していきます。
そこで美貌を持つデリラはサムソンを愛で誘惑し、復讐を図ります。
サムソンは騙され、さらに力を奪われ、囚われの身となります。
囚われの身のサムソンは、敵地の神殿に連れていかれます。
窮地に陥ったサムソンですが、最後に神に祈ると力が復活します。
サムソンは柱をなぎ倒し神殿を崩壊させ、デリラたちが悲痛に叫ぶ中でオペラが終わります。
第1幕:『サムソンとデリラ』のあらすじ
サムソンが「奴隷となったヘブライ人」を鼓舞する
パレスチナ(地中海東岸のシリア南部)の都ガザの広場
ペリシテ人に支配されたヘブライ人が「奴隷の悲しみからの解放」を神に祈っています。
その群衆の中からサムソンが登場し「勝利を信じろ!われらの神(エホバの神)は戦いの神なのだ!」と皆を勇気づけます。
"Arrêtez, ô mes frères!"
サムソンがアビメレク(敵の太守)を返り討ちにする
そこにアビメレク(ガザを支配するペリシテ人の太守)が兵を率いて現れます。
アビメレクは自らが崇拝するダゴンの神を称え、エホバの神を嘲笑します。
アビメレクは「サムソンが反抗的な態度を向けたこと」に激高します。
そしてアビメレクはサムソンに剣を向けますが、サムソンが簡単に返り討ちにします。
さらにサムソンはペリシテ人の兵たちも追い返します。
ペリシテ人が退散し、ヘブライ人が解放を喜ぶ
皆と入れ違いにダゴンの大祭司が現れ、アビメレクの亡骸を見つけます。
怒った大祭司は「サムソンを追う」よう命じますが、ペリシテ人たちは恐怖で動けません。
さらに「サムソン軍が迫ってきている」という知らせも入ってきます。
大司祭は「永遠に呪われろ!イスラエルの子孫よ!」と叫び、逃げていくペリシテ人と共に去っていきます。
それに対し、ヘブライ人たちはエホバの神を称え、解放を喜びます。
サムソンが「デリラの虜」となり、我を失う
そこに、ダゴンの神殿から、デリラがペリシテの乙女たちを従えて登場します。
デリラがサムソンを「栄光にまさる愛を受け入れて、私についてきて。」と誘うと、サムソンはデリラの虜になっていきます。
ヘブライの老人たちが「魅力に負ければ天罰が下るぞ!」と警告しますが、サムソンに効果はありません。
デリラはサムソンに「いつかあの人に甘い陶酔を捧げましょう。」(Printemps qui commence)と官能的に歌い上げ、神殿へ戻っていきます。
サムソンが誘惑と葛藤し、心が乱れていく中で第1幕が終わります。
"Printemps qui commence"
第2幕:『サムソンとデリラ』のあらすじ
デリラが「サムソンへの復讐」を決意する
パレスチナのソレクの谷:デリラの隠れ家
デリラが「サムソンへの復讐」を歌っています。(Amour! viens aider ma faiblesse)
"Amour! viens aider ma faiblesse"
そこに大司祭が現れ褒美を尋ねますが、デリラは「財宝なんて何にもならない。復讐のためよ。」と答えます。
デリラは「今日こそ、彼の力の秘密を聞き出して見せるわ。」と強く決意します。
二人は「ヘブライ人の頭に死を!」と叫び、大司祭は去っていきます。
デリラの誘惑に、サムソンが負ける
夜が更けると、サムソンが躊躇しながらも「デリラの家」を訪れてきます。
デリラはためらうサムソンを熱く迎え入れ「恋に飽きたの!?イスラエルの運命とか愛が何よ!あなたを信じてたのに。」と誘惑します。
するとサムソンは「神に背いても愛すぞ!デリラ、愛している!」と愛を誓います。
"Mon cœur s’ouvre à ta voix"
サムソンが捕えられる
そこでデリラは「私を本当に愛しているのなら、あなたの力の秘密を教えて。」と尋ねます。
しかし、サムソンはその要求に答えません。
しばらくするとペリシテの兵が現れ、デリラの号令でサムソンは捕えられてしまいます。
サムソンが「裏切ったな!」と叫ぶ中で、第2幕が終わります。
第3幕:『サムソンとデリラ』のあらすじ
サムソンは力を奪われ、投獄されている
ガザの牢獄
サムソンは髪を切られ、眼をえぐり出されてしまいました。
サムソンは牢獄で神に背いたことを後悔しています。
ヘブライの囚人たちは「サムソンの裏切り」を責め、サムソンは「私の命を犠牲に、民を救ってください。」と祈ります。
やがてペリシテの兵が現れると、サムソンは外へ連れ出されていきます。
「バッカナール」
サムソンが「ダゴンの神殿」に入る直前に演奏されます。
サムソンが「ダゴンの神殿」へ連れていかれる
ダゴンの神殿
デリラが玉座に座り、ペリシテ人たちが勝利を祝っています。
そこにサムソンが連れてこられ、皆はサムソンを嘲笑します。
デリラはサムソンに近づき「今日こそ仇をうつのよ。神のため、民衆のため、憎しみのため!」と語ります。
そしてデリラと大祭司は「生け贄の台」に向かい、サムソンも案内役の子供たちと共に向かいます。
サムソンが力を取り戻し、ダゴンの神殿が崩壊する
サムソンは子供たちに頼んで、二本の柱の間に連れて行ってもらいます。
ペリシテ人たちが「ダゴンに栄光あれ!」と叫ぶ中、サムソンは「神よ、ほんの一瞬私の力を返してください!復讐させてください!」と唱え柱を押します。
すると柱は倒れ、神殿は瞬く間に崩壊していきます。
デリラやペリシテ人たちが悲痛に叫ぶ中で、オペラが終わります。
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