シューマン「楽しき農夫」解説と無料楽譜

ローベルト・シューマン（Robert Schumann, 1810年- 1856年）のピアノ小曲集『子供のためのアルバム（Album für die Jugend）』は、1848年に作曲されました。

全43曲、計80分にもなるこの作品を、シューマンは2週間で書き上げたそうです。
「楽しき農夫（Frohlicher Landmann）」は、この『子供のためのアルバム』の第10曲に当たり、全曲中で最も知られている小曲です。

最初の7曲は長女マリーの7歳の誕生日のために『クリスマス・アルバム (Weihnachtsalbum)』と題されて作曲されました。
これらに新たな曲を加えて完成したものが、『子供のためのアルバム』です。

出版後に新たに曲が追加され、第60曲まであります。

精神障害に悩まされたシューマン

1840年にシューマンはクララと結婚し、その後4年間をライプツィヒで暮らしました。
ライプツィヒではメンデルスゾーンが1843年に創設したライプツィヒ音楽院で、作曲とピアノを教えました。

しかしこの頃からシューマンは精神的な病に悩まされます。
幻聴、震えがおさまらず一睡もできない日々もあったそうです。
シューマンは病気回復のために音楽院を辞め、ライプツィヒからドレスデンに移ります。

シューマンはドレスデンで1844年から1850年まで暮らしました。
当時のドレスデンは音楽が盛んではなく、音楽家にとっては居心地の良い環境ではなかったそうです。

「子供のためのアルバム」は、そのドレスデン時代に作曲されました。
この地でも精神的障害には悩まされ続けましたが、シューマンは多くの傑作を遺しました。
ピアノ作品では「森の情景」（1848-1849）もこの頃の作品です。

『子供のためのアルバム』が全曲収載されていますので、その10曲目が「楽しき農夫」です。
※楽譜記載ページの8ページ目（実際は7ページ目）

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