目次
題名 | エルナーニ |
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初演 | 1844年3月9日 フェニーチェ劇場(ヴェネツィア) |
原作 | ヴィクトル・ユーゴーの同名の戯曲 |
台本 | フランチェスコ・マリア・ピアーヴェ |
演奏時間 | 2時間10分 |
『エルナーニ(Ernani)』は、ジュゼッペ・ヴェルディ(Giuseppe Verdi/1813年-1901年)の初期のオペラです。
5作目となるこのオペラは、彼の初期のオペラの傑作として知られています。
初演は歌手陣の不調も跳ね返し、成功を収めたそうです。
この頃からヴェルディの名声はヨーロッパの国々へと広まるようになってきます。
そして、ヴェルディと台本作家ピアーヴェの名コンビはここから始まっていきます。
ここではヴェルディのオペラ『エルナーニ』のあらすじを紹介したいと思います。
主な登場人物
登場人物 | 詳細 |
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エルナーニ(テノール) | 山賊の首領。元々はドン・ジョヴァンニという名の貴族。 |
ドン・カルロ(バリトン) | スペイン王、後の神聖ローマ皇帝 |
ドン・ルイ・ゴメス・デ・シルヴァ(バス) | スペイン大公 |
ドンナ・エルヴィーラ(ソプラノ) | シルヴァの姪。エルナーニと相思相愛だが、シルヴァと婚約している。 |
ジョヴァンナ(ソプラノ) | エルヴィーラの乳母 |
ドン・リッカルド(テノール) | カルロの従者 |
ヤーゴ(バス) | シルヴァの従者 |
『エルナーニ』簡単なあらすじ
時間のない方のための簡単な「30秒あらすじ」
エルナーニ(山賊、元貴族)、シルヴァ(エルヴィーラの叔父)、カルロ(後に神聖ローマ皇帝)がエルヴィーラの恋の取り合いをします。
紆余曲折ありましたが、相思相愛だったエルナーニとエルヴィーラは、カルロから結婚の許可を得ます。
しかし、シルヴァはエルナーニに復讐心を燃やします。
二人の結婚の祝宴の中、シルヴァが現れ角笛を吹きます。
エルナーニは自害し、シルヴァが復讐の勝利を叫びオペラが終わります。
第1幕(山賊):『エルナーニ』あらすじ
エルナーニが恋人エルヴィーラの誘拐を決意する
アルゴンの山中
かつて貴族だったエルナーニは、父がドン・カルロに敗れたため、山賊の首領となっています。
エルナーニはエルヴィーラと相思相愛の関係です。
しかし、エルヴィーラがシルヴァ(エルヴィーラの叔父)と結婚することを知り悲しんでいます。
そこでエルナーニは、エルヴィーラを誘拐することを決意します。(Mercé diletti amici)
『Mercé diletti amici』
山賊たちも誘拐に協力し、皆はエルヴィーラの住むシルヴァの城へ向かいます。
ドン・カルロ(スペイン王)がエルヴィーラを口説く
シルヴァの城(エルヴィーラの部屋)
エルヴィーラが「あの老いぼれ(シルヴァ)め!エルナーニ、私を助けて!一緒に逃げましょう!」と歌っています。(Surta è la notte...Ernani! Ernani involami)
『Surta è la notte...Ernani! Ernani involami』
そこにドン・カルロ(スペイン王)が突然現れます。
カルロはエルヴィーラに愛人になるように口説きますが、エルヴィーラは一切受け入れません。
カルロとエルナーニが鉢合わせ
続いて、そこにエルナーニが現れ、カルロと鉢合わせになります。
カルロが「恥ずべき山賊め、立ち去れ!」と怒ると
エルナーニも負けじと「父はお前に殺された。愛と憎しみではお前と私は平等だ!」と立ち向かいます。
三人の男(カルロ、エルナーニ、シルヴァ)が鉢合わせ
二人が一触即発の状況になったところに、今度はシルヴァも現れます。
シルヴァは「なんで私の婚約者の側に二人の男がいるんだ!?お前を信じてたのに…私は不幸だ。」と嘆きます。(Che mai veggio...Infelice! e tuo credevi)
『Che mai veggio...Infelice! e tuo credevi』
シルヴァは怒りを覚えますが、『誘惑者の一人がスペイン王(カルロ)』だと知り驚きます。
シルヴァは王を前に復讐心を抑えます。
そしてカルロの命で、エルナーニは放免となりその場を立ち去ります。
第2幕(客人):『エルナーニ』あらすじ
シルヴァとエルヴィーラの結婚の祝宴に、エルナーニが割って入る
シルヴァの城の大広間
シルヴァとエルヴィーラの結婚が祝われています。
そこに巡礼者に変装したエルナーニが入ってきます。
エルナーニは変装を解くと、シルヴァに「婚礼の贈り物として、賞金首となっている私の首を差し上げよう!」と語ります。
シルヴァは理性を失ったエルナーニに対し「私はそのようなことはしない。」と告げ、立ち去ります。
シルヴァが「エルヴィーラとエルナーニの愛」に激怒する
やがてエルヴィーラとエルナーニの二人きりになります。
エルヴィーラが「あなたが死んだという噂があったのよ。それに私は自害するつもりだったわ。」と告げると、二人の誤解は解けます。
二人は抱き合い愛を歌いますが、その二人の姿を見たシルヴァが怒って入ってきます。
カルロが現れ、エルヴィーラを連れ去る
続いて、そこに『王(カルロ)の到着』の知らせが入ります。
シルヴァは「復讐をこの手にとっておくぞ。」と語り、エルヴィーラを秘密の部屋に隠します。
カルロはエルナーニがいることを感ずき、エルナーニを探します。
しかし、なかなか見つかりません。
カルロは「シルヴァがエルナーニの居場所を教えない」ことに怒り、代わりにエルヴィーラを連れ去っていきます。
シルヴァとエルナーニが「カルロへの復讐」を誓う
カルロが去ると、シルヴァはエルナーニに決闘を申し込みます。
しかしエルナーニは「恩人は殺せません、私を殺してください。ですが最後にエルヴィーラに一度会わせてください。」と語ります。
さらにエルナーニは「一緒にカルロに復讐した後に、私を殺してください。」「この角笛を吹けば、私はすぐに死にます。」と告げ、シルヴァに角笛を足します。
そしてシルヴァとエルナーニは共闘し、カルロに復讐することを誓います。
第3幕(慈悲):『エルナーニ』あらすじ
反逆者(エルナーニ、シルヴァら)がカルロ暗殺に向かう
カルロ大帝の墓の地下
カルロは神聖ローマ皇帝の選定を待っています。
カルロは「この墓の上であいつらは私を暗殺しようとしている。しかし私が皇帝に選ばれれば、私はあの玉座に座るのだ!」と歌い、祖先の墓へと入っていきます。(Gran' Dio!... Oh, de'verd'anni miei)
『Gran' Dio!... Oh, de'verd'anni miei』
やがて「カルロが神聖ローマ皇帝になる前に殺してしまおう。」と、カルロの反逆者たちが集まってきます。
抽選の結果、エルナーニに暗殺の役目が与えられます。
そして皆は「イベリアは英雄で満ちて、奴隷から解放されるのだ!」と鼓舞し合います。(Si ridesti il Leon di Castiglia)
『Si ridesti il Leon di Castiglia』
カルロが皇帝に選ばれ、反逆者が捕えられる
そのとき「カルロが神聖ローマ皇帝に選ばれた」知らせが入ります。
皇帝に選ばれたカルロが現れると、反逆者(エルナーニ、シルヴァなど)は捕えられ「打ち首」が命じられます。
そこにエルヴィーラが現れ、「お許しを!慈悲こそが美徳です!」と反逆者たちの恩赦を求めます。
エルナーニとエルヴィーラの結婚が認められ、シルヴァが復讐心を燃やす
カルロは祖先の墓をみつめ「私は徳を受け継ぐ」と語ると、一転してエルナーニとエルヴィーラの結婚を認めます。
皆が新しい皇帝(カルロ)を称える中で、シルヴァだけが復讐心を燃やします。
第4幕(仮面):『エルナーニ』あらすじ
エルナーニとエルヴィーラの婚礼に、シルヴァが現れる
アラゴンにあるドン・ジョバンニの宮殿
エルナーニはかつては貴族でドン・ジョバンニと名乗っていました。
エルナーニとエルヴィーラの婚礼の祝宴が開かれています。
そこには黒い服に身をまとった仮面の男(シルヴァ)の姿もあります。
エルナーニとエルヴィーラが愛を語りあっていると、遠くから角笛の音が聞こえます。
そしてエルナーニが一人になったところに、シルヴァが現れます。
エルナーニが息絶え、シルヴァが復讐を喜ぶ
シルヴァは「角笛を聞いたらお前は死ぬ約束だ。短剣か毒薬かどちらかを選べ。」とエルナーニに告げます。
駆けつけたエルヴィーラが恩赦を求めますが、シルヴァは聞く耳を持ちません。
エルナーニは共に死のうとするエルヴィーラを制止し、自らに短剣を突き刺します。
エルナーニは息絶え、エルヴィーラはショックのあまり気絶します。
そしてシルヴァが復讐を喜ぶ中で、オペラが終わります。
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