声に「好き嫌い」があるのは当然

人に好き嫌いがあるのは当然です。
ですので、自分の好きな音楽や表現をおこなうことも当然です。

声にも好き嫌いがあるでしょう。
その「好き嫌い」が自らの音楽性を作っていきますので、その感性は大切にするべきです。

good-bad

ボイトレでは「好き嫌い」が邪魔になることもある。

しかし、ボイストレーナーが発声のテクニックを判断するときは「好き嫌い」ではなく「良い悪い」で声を判断しています。
ボイストレーニングを受ける側も、ボイトレ中は「良い悪い」で声を判断することが理想です。

例えば「しゃがれ声」や「かすれ声」が好きな声であったとしましょう。
テクニックとして考えれば、それは無理をして発声している可能性が非常に高いです。
もしかしたら、声帯自体に異常があるのかもしれません。

「叫び声」で「ノンビブラート」の声は、いくら好きな声であっても声帯を厚く使いすぎていることでしょう。
またそれは「胸郭の周りや、様々な部分の筋肉を緊張させた状態」で歌っているかもしれません。

「ビブラート」は美しいですが、「声の不自然な揺れ」は発声のバランスが崩れている証です。
それはビブラートとは言えません。

声をずりあげる歌い方が好きな歌手の方もいると思います。
それを表現の一つの手段として使ってください。
声をずりあげる手段でしか「正しい音程」がとれない場合はNGです。

最終的には「良い悪い」と「好き嫌い」の組み合わせ

好きな声とは「単純に自分の好きな声」です。

良い声とは「自然の法則にのっとった声」です。
つまり、「使うべき筋肉を」「使うべき時に」「適切な強さで」「適切に動かした」バランスの良い声が、「良い声」です。

筋肉は様々な部分同士が連動しています。
ひとことで自然にのっとった状態を説明することは難しいですが、「好き嫌い」で判断せずに「良い悪い」で判断しましょう。

発声のテクニックがある程度熟練の領域に入ったら、取捨選択のときも来ます。
「ある程度発声を犠牲にしても表現したい」音楽表現もあると思います。

声をずりあげて音程を取ることは、意図とする時におこなえば効果的になります。
また「曲の中のある音程の移行がうまくいかない」こともあると思います。
そういう時は一時的な手段として、ずりあげると上手くいく場合もあります。
「すべての音程をずりあげてはいけない」ということです。

その時は自分で優先順位を考えて、声に害が及ばない範囲で「好きな声」を選ぶことも良いと思います。

 
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