大型書店へ行くとミックスボイスを出すための参考書は数多く置いてあります。
疑問符がつくような本もありますが、ほとんどがとても素晴らしい参考書です。
感覚が優れている人は参考書を読むことで、ミックスボイスの感覚をつかめるかもしれません。
しかし、教科書や参考書をたくさん読んでも中々つかめない場合もあると思います。
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ミックスボイスを出すことは、最終的にはとても感覚的なことです。
そんな中でも、ミックスボイスを出すためのポイントはいくつかあります。
その練習法をいくつか紹介いたしますので、参考にしてみてください。
リップロールでミックスボイスの予行練習
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リップロールはあくまでミックスボイスの導入部分(第1段階)です。
まず紹介するのはリップロールのスケール練習です。
リップロールは少ないエネルギーで高音域を行き来することができます。
また、負担も少ないのも特徴です。
ウォームアップにも最適
リップロールは負担が少ないので、ウォームアップとしても適しています。
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リップロールの練習はミックスボイスのファーストステップとして効果的です。
「リップロールができる=ミックスボイスが出せる」わけではありません。
一方でミックスボイスが出せる人でリップロールが出来ない人は、ほとんどいません。
ただしリップロールを単純にするだけでは、効率的な練習にはなりません。
これから書くことに注意してリップロールの練習をおこなってください。
深い音色をイメージする
最終的に豊かな音色のミックスボイスを出すときには、口腔内のスペースは広くとる必要があります。
その予行練習をリップロールでもしておきましょう。
リップロールのときも口腔内のスペースは広くとりましょう。
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深いオや深いウの母音をイメージしてください。
リップロールは唇を閉じていますので、実際はそう広くスペースがとれるものではありません。
リラックスしてリップロール出来る範囲で、スペースを確保してあげてください。
響きのある音色を出す
ミックスボイスを出すときには、輝かしい音色で出したいものです。
曇り空のような音色だと、声の通りも悪くなります。
リップロールのときでもそれを意識して、明るい響く音色を心がけてください。
ただし、先ほど話したとおり「深い音色」でもなければなりません。
「明るくて深い」素晴らしい音色を探しましょう。
「地声は裏声のように」「裏声は地声のように」
タイトルの通り
「地声は裏声のように」
「裏声は地声のように」
出すようにしましょう。
ミックスボイスのテクニックが定着してくると、低音から高音まで広い音域を同じような音色で歌うことができます。
高音は独特な響きがありますので、音色の差が小さくなると言ったほうが適切かもしれません。
その音色の差を小さくする練習をリップロールでもおこないましょう。
チェストボイス音域からミックスボイス音域(ミドルボイス音域)に変わるときに、出来る限り音色の差を少なくしましょう。
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声区の変わり目では、特に意識してださい。
すべての音域を同じような感覚でリップロール出来ることが理想的です。
力まないこと
リップロールのメリットとして、少ないエネルギーで高音域を行き来することがあります。
そのため、リップロールは余計な力を入れない練習にも向いています。
息の量を多く使い唇を激しくブルブル震わせることは避けましょう。
少ない息の量で効率的に震わせてください。
裏声と地声のバランスを整える
裏声と地声を整えると、ミックスボイスが出しやすくなる傾向があります。
どちらの声も自然な状態で出せるようになると、それら両方の声を同時に使うことが容易になる可能性が高いためです。
裏声をリラックスして出す
地声も裏声もリラックスして出せるようになることがミックスボイスの発声では必要です。
まずは、裏声のリラックスした発声を練習します。
パーティでの「フーッ」の要領ですが、それだけでは音程を取るまでには至りません。
ある程度メロディをつけてリラックスした裏声を出せるようにしましょう。
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リラックスすることが目的なので、大きな声量は必要ありません。
アウターマッスルを使わずに、インナーマッスルで伸び伸びと出せる範囲で練習をしましょう。
この伸び伸びと出すことはミックスボイスにおいても重要なポイントです。
以下の注意事項も同時に参考にしてください。
裏声へ移行するときに喉周りを緊張させない
地声から裏声への行き来を練習することで、裏声をリラックスして出せるようにします。
裏声へ移行するときに、喉で操作をしないようにしましょう。
自然の流れでスムーズに裏声に移行できるようにします。
声をつかまない
言葉で正確に表現することは難しいですが、裏声はつかまないようにしてください。
どこか遠くに飛んで行くような感覚で裏声を出しましょう。
リリースするという表現をする人もいます。
パーティでの「フーッ」のときは、リリースしている感覚があるでしょう。
その感覚を音程をつけたときにも忘れないようにしてください。
息を混ぜて広い音域を行き来してみる
ミックスボイスの準備段階として、息を混ぜて広い音域を行き来してみます。
先ほどの地声と裏声を行き来したときより、難易度は少し上がります。
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広い音域でリラックスすることが目的なので、大きな声量は必要ありません。
気持ち良く歌える範囲で練習をおこなってください。
パッサッジョ(声区の変わり目)で力まない
先ほどより音程が狭まっているため、高音へ移行することが少し難しくなっています。
地声から裏声へ移るときに力まないように、より一層注意を払ってください。
すべての音域を柔らかくリラックスした状態で歌えるようにしましょう。
音色は変わってもOK
この段階は完全な発声ではありません。
音色の違いは生じてもかまいませんので、リラックスすることを優先させてください。
多少音色が変わっても息の流れがスムーズになるように意識しましょう。
ここまでの三つの音階練習ができればミックスボイスの発声のための準備はある程度整っているかもしれません。
歌う筋肉も充分に使えている場合もあります。
あとは、ミックスボイス独特の感覚を見つけられるかどうかです。
ミックスボイスへの実践
リラックスをして地声と裏声を出せるようになったら、実際に高音を出す練習をしてみましょう。
ハミングでやると、コツが掴みやすい場合があります。
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ハミングはリスクも高いので、独学ではあまりオススメできません。
パッサッジョ(声区の変わり目)がうまくまたげるかがポイントですので、パッサッジョを含んだ音程で練習します。
パッサッジョを行ったり来たりしましょう。
それぞれの音をつなげて「ずりあげたり」「ずり下げたり」するように歌ってみてください。
「ずりあげたり」「ずり下げたり」すると、喚声点をまたぐ感覚をより感じることができます。
ホラー映画でドアがきしむような音が感覚としては近いかもしれません。
5度の音程幅で歌う練習、1オクターブを行き来する練習、スケールで行き来する練習など方法は様々あります。
いずれも音と音が途切れないように、つなげて歌ってみてください。
ハミングは「喉を締めて歌う」傾向がありますので、ハミングが苦手な方は無理にやらないようにしてください。