人間の身体がどのような構造になっているかを知ることが、ボイストレーニングの助けになることもあります。
喉頭と食道の位置はその典型的な例です。
これを間違って覚えていると、発声に悪影響が出ることもあります。
首周辺は発声の仕組みに直接関わってくる部分です。
正しい位置を是非覚えておいてください。
喉頭の位置を間違って覚えることは、発声に悪影響を与えます。
喉頭(咽頭)の位置を図で確認してください。
喉頭は首の全面にあり、食道の前に通っています。
「たったそれだけか」と思うかもしれませんが、これはとても重要な事実です。
既に知っていた方も、もう一度頭に入れておいてください。
食道の後ろに喉頭があると勘違いをした人を時々見かけます。
そうは思っていないとしても、声帯の振動を本来の位置より「もっと奥」で振動させようと思っている方は意外と多いはずです。
喉頭の位置を間違って把握していると、首周辺の緊張が過剰になり歌に悪影響を及ぼしていることがあります。
のど声の原因にもなるでしょう。
それが「顎の力み」や「舌の力み」にまで関わっている危険性もあります。
喉頭の位置を正しく理解して、歌を歌いましょう。
位置を理解すると声が改善することも
今まで喉頭や食道の位置を理解していなかった場合、理解するだけで歌の技術が向上することもあります。
声量が上がる
正しい位置が理解できたことで、口の中の奥のスペースが広く確保されるようになります。
そのことにより、声が響くスペースが増え声量があがることに繋がるかもしれません。
音色が美しくなる
正しい位置を理解したことで、首回り周辺の力みが解消されます。
そのことで歪だった音色が明るく美しい音色に変わるかもしれません。
喉声が解消されるかもしれませんし、美しいビブラートが手に入る可能性もあります。
喉が疲れにくくなる
既にお気づきかもしれませんが、これらの効果が出るとうことは自然な発声に近づいてきていることになります。
発声がナチュラルになると、声の負担は当然喉の負担も少なくなります。
それにより、今までより長時間歌えるようになるかもしれません。
ここまで劇的に変わることは少ないかもしれませんが、間違って位置を把握していた方には何らかの良い作用が起こるはずです。
是非正しい位置を理解して、発声をチェックしなおしてみてください。