リップロールは、ぜひ練習してください。
様々なシーンで活躍する発声方法です。
リップロールは万能
リップロールの効果は、ミックスボイス獲得だけではありません。
「発声のウォームアップ」にも適しています。
リップロールは、負担の少ない状態で、低音から高音まで歌えます。
そのため、多くのプロの歌手が、発声練習のルーティーンとしています。
ミックスボイス獲得のための注意点
ミックスボイス練習の視点で、リップロールの注意点を挙げます。
パッサッジョ（地声と裏声の境目）で音色が変わらず、声が裏返らないようにすること
リップロールは「広い音域を同じ音色で行き来できる」ように練習します。
それが、ミックスボイスへの入り口となります。
パッサッジョ（喚声点）
音階が上がっていくと、地声ではつらくなり裏声の方が楽になる場所があります。
その地声から裏声に変わる音域を、パッサッジョ（喚声点）と言います。
特に、地声から裏声に変わるときに、音色が変わらないように意識してください。
声が裏返る感覚がある方は、まずはその感覚を無くすことを目標としましょう。
深い母音をイメージして歌う
ミックスボイスを出すときには、口の中のスペースを保つことが効果的です。
そのためにも「口の中が広く保てる母音」をイメージして、リップロールの練習をしてください。
「オ」か「ウ」の母音が、おすすめです。
リップロールは、喉頭が動きにくいエクササイズです。
深い母音をイメージすることで、より動きにくくなる効果もあります。
息を出しすぎないこと
ミックスボイスの息の量は、高音へ行くにつれて少なくなります。
リップロールも、同様におこなってください。
息を少なくすることは、力を抜くことではありません。
「息を細くするイメージ」を持って、声はしっかり出してください。
息を出し過ぎると、余計な力が入ります。
唇をゆっくり丁寧に震わせて、リップロールをしましょう。
リラックスすること
リップロールは、リラックスしやすい発声方法です。
「顎」「舌」など力む要素のある部分をチェックして、余計な力が入らないようにしましょう。
まとめ
これまでに説明した
- パッサッジョで、声が裏返らないようにする
- 深い母音を意識する
- 高音で息を減らす
- リラックスする
以上の四点に注意をして、リップロールをしてください。（特にはじめの２つ）
大きな声量は必要ありません。
高音では、裏声の感覚が少なく、地声の感覚と近いほうが望ましいです。
反対に、低音も地声の感覚だけでなく、裏声の感覚も持ちましょう。
すべての音域を「同じような感覚で出せる」ことが目標です。
ミックスボイスへの第一歩
リップロールは実際の声でおこなうより
「楽に」「負担も少なく」
「リラックスして」
低音から高音まで行き来できます。
ミックスボイス、ヘッドボイスなど高音の感覚も得やすいでしょう。
ミックスボイスへのコツをつかむ第一歩と言ってもいいかもしれません。
ただし、実際の歌声は、リップロールのように少ないエネルギーでは出ません。
「大きなエネルギー」が必要です。
テンポは初めは「ゆっくり」
慣れる前に、速いテンポでおこなって歌うと、正しい練習ができなくなります。
結果的に遠回りになってしまいます。
遅いテンポで１音１音を感じながら、丁寧に練習してください。
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